毒 青酸カリからギンナンまで (PHPサイエンス・ワールド新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569802855

感想・レビュー・書評

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  •  毒とは何かがわかる良書。前半は毒の基本、後半は毒にまつわる事故・犯罪、最後に麻薬について説明している。麻薬は毒の定義からは外れるが毒として作用することから扱っている。
     フグや毒キノコは当然毒があるとわかっているが、普段何気なく食べている銀杏やフキ、ワラビ、どくだみ茶にも毒となる物質が含まれていることに驚いた。これらは少しならよいが食べ過ぎや体質によって中毒を起こすという。またスズランの花を挿しておいたコップの水を飲んで死に至ったケースなど身近なところに毒となるものがあり注意しなければならないと思った。
     毒と薬の関係も面白かった。毒と薬というのは化学的な構造によるものではなく人間に有用であるか害があるかによるものでしかないという指摘から始まり、元々薬として使われていたものが実は毒であったということもあり、やはり気をつけなければならないと思った。
     内容とは直接関係ないが、冒頭に凡例、巻末に参考文献一覧、本文中には引用元の併記と正しい論文の書き方で構成されているので、論文を書く参考にもなると思う。凡例や本文中の引用元の省略はある程度仕方がないと思うが、学術的な内容にもかかわらず参考文献すら省略することが多い中、ここまでしっかりとした構成になっているのは却って新鮮だった。

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著者プロフィール

日本薬科大学教授,薬学博士,薬剤師。
1951年生まれ。東北大学薬学部卒業,東北大学大学院薬学研究科博士課程修了。天然物化学専攻。米国イリノイ大学薬学部博士研究員,北里研究所室長補佐,東北大学薬学部専任講師,青森大学工学部教授などを経て現職。日本薬史学会常任理事。著書は,『アルカロイド』(共立出版),『アミノ酸』(東京電機大学出版局),『毒と薬の科学』(朝倉書店),『毒と薬の世界史』(中央公論新社),『〈麻薬〉のすべて』(講談社),『カラー図解 毒の科学』(ナツメ社),『民間薬の科学』(SBサイエンス・アイ新書),『毒! 生と死を惑乱』(さくら舎)など多数。

「2017年 『毒と薬の文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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