[新訳]方丈記

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569803418

作品紹介・あらすじ

『方丈記』には、全篇に無常の思想が、通奏低音のように流れている。小品だが、その内容は熱くて重く、美しく多彩である。災害文学、隠遁文学、清貧の文学、風変わりな中世人の貴重な回想録…。さまざまな角度から読める作品である。分かりやすい新薬で読む古典の名著。

感想・レビュー・書評

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  • "ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。。。”の方丈記を読みました。短い内容ですが、
    二つの構成からなっており、その前半は火災・竜巻・
    飢餓・地震・遷都の京の都の災害ルポであり、
    その中で人と棲家の無常さがテーマ。
    もうひとつの後半は草庵の楽しみ・閑居の文学である
    ことは知りませんでした。
    特に後半の部分の文書や内容はとても美しく、
    私の好きな梨木果歩さんの『家守奇談』によく似た
    雰囲気の内容でした。

  • 養老先生のお薦めです。あらゆる災害と花鳥風月が描かれています。

  • とても読みやすい解説書です。
    原文のきれいな表現もしっかり味わえて、
    持ち運びもしやすい書物です。

  • これは読みやすかったです。まず現代語訳文、そして書きくだし文、解説が段落ごとに紹介されている。

    出だしの「ゆく川の流れは絶えずして…」の壮大さ、無常観、哲学観に惹かれて読んでみると…
    あれれ?なんだか鴨長明ってグチっぽい?!と学生時代に思ったのですが、
    まぁ今回もおおむね似たような感想しか抱けず。すみません…。

    この本は現代語訳に解説までついていて読みやすい、とっつき易いので、初めての方にもおすすめ。
    ただ解説は…少々、長明びいき過ぎる…気がしますが。

  • ゆく川の流れは絶えずして、しかしもとの水にあらず・・・の名文で始まる方丈記は無常観がテーマの古典として有名だが、しかし同時に災害文学の側面ももっている。

    昨年の東日本大震災も記憶に新しいが、過去の歴史をひも解いてみれば日本は災害の連続であったことが分かる。

    方丈記にも大火や竜巻、飢饉に疫病、そして大地震と平安末期に起きたこれらの災害が記されている。

    仏教に大きく影響を受けた鴨長明は、地位や名誉、金品や家などに執着する空しさを語るが、末法の世といわれた時代背景も影響を受けているのかもしれない。
    彼の生きた時代は平家が栄華を誇り、そして壇ノ浦で滅亡した。彼ならずともこの世の無常を感じただろう。

    現代に生きる我々を取り巻く環境も常なる物ではない。しかしその無常の中にあって変わらない何かを人々は探し続けている。
    鴨長明も波乱に満ちた人生の中で、常に心の平安と安らぎを求めていたように・・・。

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著者プロフィール

平安時代末期から鎌倉時代にかけての日本の歌人・随筆家。建暦2(1212)年に成立した『方丈記』は和漢混淆文による文芸の祖、日本の三大随筆の一つとして名高い。下鴨神社の正禰宜の子として生まれるが、出家して京都郊外の日野に閑居し、『方丈記』を執筆。著作に『無名抄』『発心集』などがある。

「2022年 『超約版 方丈記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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