[新訳]正法眼蔵 迷いのなかに悟りがあり、悟りのなかに迷いがある

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569812700

作品紹介・あらすじ

曹洞宗の開祖・道元が、長い年月をかけ、多くの人々に仏教を正しく読み取るための智慧(眼)をまとめた書。

感想・レビュー・書評

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  • 『正法眼蔵』道元著 新訳
    1.購読動機
    僕は無宗教です。しかしながら、人間だから身体と心の修養が必要と考えています。
    心については2020年からインプットを増やしています。
    目的は、外界と自己の内部を対比したいためです。

    2.学び
    鎌倉時代の原書です。
    貴族出身の道元が庶民に仏道を伝える目的の本書は、初心者の僕に読みやすかっです。
    ①仏道を知る目的
    己をしること。自我を知り、切り離すこと。 
    布施とは金銭でなく、奉行のこころ。
    ②身心脱落
    自我を捨てること。
    僕が、私が→私たちは の概念。
    ③知足
    足りるを知る。→物含め欲がない→憂いが少ない。
    ④少欲
    ③に類似。
    ⑤直観
    みたままを感じる。そう、主観で評価しない。
    花は咲き、そして枯れる。それだけ。
    ⑥楽寂静
    孤独の時間をつくる。自己をみつめる。
    関係を少なくする。それが、わずらわしさを減らす。
    ⑦奉行
    自然に善ができるようになること。

    すべてを理解するのではなく、僕の心に残る言葉を取り出す読み方をしました。

    只管打座。
    著名な言葉。
    意義は、ただひたすらに。
    800年の時を経て、只管の言葉が残る理由。
    なんとなくわかります。

  • 道元禅師の正法眼蔵のエッセンスにあたる部分を約した一冊。やはり、これだけでは真意を知ることにはつながりませんので、しっかりと全訳に挑戦したいと思います。

  • 親が亡くなって初めて、実家が曹洞宗だと知らされ、買って読んでみました。

    ひろさちやが書いてもこれほど難解とは。
    仏教というのは宗教というより思想だともともと思っていましたが、正法眼蔵を読んでその思いを強くしました。

    「身心脱落」=悟りを求めようとしている自分のほうを消滅させる、悟りを対象化しない
    「一切衆生、悉有仏性」=一切の衆生は悉有なり、そして悉有が仏性なり
    はすんなり入りましたが、
    「諸悪莫作」
    は結局、何が善で何が悪なのか理解できませんでした。

    「布施」「愛語」「利行」「同事」の四摂法、
    「小欲」「知足」「楽寂静」「勤精進」「不忘念」「修禅定」「修智慧」「不戯論」の八大人覚、
    を実践していれば、自ずと善いことをなし、悪いことをしなくなると説いているのでしょうか?

  • 感動した。何度も読み返すことになるだろう。
    読後、2007年のひろさちや著「すらすら読める正法眼蔵」と比べてみた。とりあげられている、本書で取り上げられている8巻のうち、現成公案、生死、仏性、唯物与仏、菩提薩埵四摂法の5巻が「すらすら」と被っている。
    が、同じではない。かなり言葉を補ったりして、全体に訳だけで意味が(すくなくとも ひろ さんの解釈が)とりやすくなっている。上下二段に原文現代語訳で一巻分が一続きの「すらすら」に対して、「新訳」は段落ごとに解説が入って、解釈が取りやすくなっている。全体に哲学としての側面を強めに出した正法眼蔵入門としているので、在家の私などには大変とっつきやすい。菩提薩埵四摂法や八大人覚あたりも実践として心にのこる。新訳には「諸悪莫作」があるのもうれしいところ。
    正法眼蔵の解釈として正しいか、と言われると、私には判断しようがないけど、私の心にはとても響いた。(現成公案は石井版も増谷版も読んでるはずなのだが)。
    正法眼蔵を読んだことがないけど道元という日本を代表する哲学者、宗教者がいた、ということを知りたい人には(つまりそれは、私)、大お勧めです。

    このシリーズあんまり書店でも前面に出してる感ないけど、この一冊は(と菜根譚は(他読んでないの多いけど))、お勧めします。あと言志四録たのみます。

  • 曹洞宗開祖道元の未完の大著『正法眼蔵』。
    難解といわれる本書を、分かりやすく解説してくれます。
    たとえば「身心脱落」については、「角砂糖が湯の中に溶け込んだとき、角砂糖が消滅したのではないのです。ただ角砂糖という状態―それが<俺が、俺が……>といった自我意識です―でなくなっただけです。砂糖は湯の中に溶け込んでいるように、自己は悟りの世界に溶け込んでいるのです。身心脱落とはそういうことです。」と解説してくれます。

    仏性というものは、なにも非日常的なものではない。賢い人は賢いなりに仏性であり、阿呆は阿呆のままで仏性です。病気になれば病気が仏性。死ぬときは死ぬのが仏性。人間のそのときそのときのあり方がそのまま仏性なんです。道元はそう言っています。
    だからあなたが落ち込んでいるときは、そのまま落ち込んでいればいいのです。苦しいときは苦しめばいい。悩むときは悩めばいい。苦しみから逃れようとすれば、よけいに苦しくなるだけです。わたしがいまあるあり方を、しっかり大事に生きる。そういう生き方を私は道元から学びました。 ー 127ページ

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著者プロフィール

Eihei Dogen (1200-1253) was the founder of the Soto Zen school in Japan. A prolific writer, his masterwork, the 95-chapter Treasure of the True Dharma Eye (Shobogenzo)—of which Bendowa comprises the opening chapter—is considered one of the seminal works in Buddhist literature and a classic among religious and spiritual writings.

「2022年 『Master Dogen's Zazen Meditation Handbook』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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