東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569819624

作品紹介・あらすじ

東大卒プロゲーマー「ときど」初の著作。なぜ彼は最大の武器である論理や効率を捨てたのか。優勝回数世界一の男が語る勝利への執念。

感想・レビュー・書評

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  • 正直期待外れ。ときどさん本人に興味のあるマニアしか楽しめない。

    目の前のことに夢中になって周りが見えず慢心から失敗して反省する、というのがときどさんの気質らしくこの出来事の繰り返しが見受けられる。
    本書もそのサイクルの過程の中だろう。格ゲー界の未来やらその他のことに関しても驚くほど楽観的だ。

    自伝としても面白くない。好きなことだけやって生きてきたときどさんの人生に対して参考になる箇所はない。

    格ゲーの話は面白い。ときどさんが己の事前研究と対策を過信して対戦相手がその上を行くことを想像できていないところは彼の視野の狭さが見て取れる。具体的な人名・キャラ名が頻発するのも格ゲーマーには親しみやすいところだ。

    しかしながら本書の目的は一部マニアが喜ぶ舞台裏の打ち明け話ではなく格ゲーの裾野を広げることであると本人がインタビューで語っている。果たせているかと問われればNOだ。

  • プロゲーマーときどの自叙伝

    子供の頃からどれだけゲームが好きだったか
    東大に行った理由
    そして大学院を中退した理由
    プロゲーマーになった経緯
    ゲームを通して学んだ事
    ゲームに取り組む姿勢
    などなど

    「東大を卒業したのにプロゲーマーになった人」ではなく「ゲームに情熱を持って挑んでいる人」なんだな

    なぜ東大を出たのにプロゲーマーに?とよく聞かれる質問に対して

    「もし東大を出ていたら、あなたは何になりますか?」
    という回答

    確かに、東大を出たから何かになれるわけでもなく、自分が何になりたいのかですよね
    もし私が東大に入学出来るくらいの学力があったとして、ハードにバリバリ仕事をするような職業を選んでなさそうと思い至る

    ってか、父親がすげぇな
    こんなフラットな考えができる親だからこそ、ときどは育ったのかもしれない

    プロゲーマーになるかを梅原大吾に相談したとき、緩やかに反対意見を一通り述べられた後の言葉
    「本当に好きなことなら、チャレンジしてみるのも悪くないと思うよ。一回しかない人生なんだから」

    これで飛び込める程の情熱を持っているのがときどですね

    私にここまで情熱を傾けられる対象はいまののところないなぁ


    ときどの得意なものは、最速で80点まで持っていく論理性
    ただ、それだけだと80点以上の相手には勝てなくなり
    また、ただ単に勝てば良いのではなく「魅せる」勝負というものに移行していくというのも、業界を考えての事なのだとわかる

    ロジックや合理性は、情熱があってこそ生きるもので
    情熱なしにそれらを振り回したところで何も生み出すことはできないという気づき


    要は、情熱というか、物事に取り組む原動力が何かに向き合えという事なのだろう


    「ときど」の名前の由来
    KOFの八神庵で、飛んでキックからの闇払い(CV:どうしたぁ!)を使ってたら、それだけでいいじゃんという友人の言葉かららしい

  • なによりも情熱がなければ物事はうまくいかないよという話を東大卒のプロゲーマーという特殊な経歴を持つときどさんが語る本。決して論理がいらないという話ではなくて情熱あってこその論理みたいな理論。情熱をどうやって持つのか、その情熱をどうやって利用するのかみたいな話はゲームや大学での研究などジャンル関係なく同じでそれこそが大事っていう、そういう熱い話でした。
    ウメハラさんやももちさんなど有名なプロゲーマーのエピソードがいろいろ出てきて格ゲー好きなら普通に楽しい。

  • ネット動画配信の普及により格ゲー界の規模は年々拡大している。プロゲーマーとして業界の発展に貢献しようとする人が日本各地で立ち上がり、いまひとつの志のもと力を合わせている。まるで幕末志士のようだ、といったら格好付けすぎたろうか。

  • 中学校時代から世界大会で優勝するなど有数のゲーマーだった筆者の、プロゲーマーになるまで、そしてなってからの紆余曲折を描いた作品。

    自分の好きなことを続けて行く時に起こる障害と葛藤がありありと描かれていて、とてもおもしろく読めました。

    特に、自分を成長させるための大切な要素として、情熱の火、面倒だけど戦略をコツコツ積み上げて行くこと、そして仲間との切磋琢磨、という3点を挙げており、いまも世界クラスのプロとして成長を続けている筆者の言葉として、とても説得力があり、共感できました。

    ゲームに興味のある人もない人も、読み物として楽しめる本だと思います。

  • 2024.2.22読了。

  • いつでも時代の先頭集団に多くいてますます多くなっている東大的努力の限界とその突破。
    個人的で冷めた感じになりやすいそれらの限界を知り突破する軌跡は今の時代特に学ぶところがあるん様に思う。

  • タイトル買い!後悔なし。

    一見すると「?」なタイトルが、本文のエピソードなどで腑に落ちていくのって楽しい。

    あたらしい世界とか業界とかを切り拓いて行く人たちは覚悟や情熱が格好いい。

  • 頭が良いんだなぁってヒシヒシと伝わってくるねぇ

  • 東大卒、プロゲーマー ときどさんによる
    自伝であり、情熱について語られた一冊

    『論理は結局、情熱にかなわない』

    「東大出身なのに、なぜプロゲーマーに?」と何度となく、そう尋ねられた。
    その答えがこの1冊に書かれている

    ときどさんのゲームは「遊び」じゃない
    気分転換や暇つぶし、ただわいわいと楽しみたいからやっているのではなく、
    自分の持てる時間をほぼ費やして行って練習をしている
    ときどさんがゲームに勝つために、いかにストイックに真剣に日々行動してきているのかは本書でぜひ読んで欲しい。

    読み終わると、「情熱」を持つこと、それがどんなに凄いことなのか分かる
    誰しも何かの「情熱」を持っているだろうけれど、そこまで情熱を燃やし続けられる人はおらず、燃やし続けられる人だったからこそ、プロゲーマーという、稀有な存在になったのだと思う。

    ちなみにときどさんは東京の御三家麻布のご出身
    自由な校風で知られる麻布だったからこれだけのびのびとゲームをすることが出来たと語っている。しかも歴史的に見ても群を抜いてゲーマーが多かったそう。
    『ゲーマーの生徒たちは、昼休みになると学校を抜け出して、近所の商店街にあるゲームセンターへ通っていた。』とあるのが…(笑)



    以下は心に残った文章などの備忘録

    『僕は、僕のすべてをゲームに捧げている。
    ゲームをしていないとすれば、食事をするか、フィットネスジムで身体を動かすか、くらいの生活だ。ジムにしたって、仕事=ゲームのために続けている』

    『試合が近づくと、自分に言い聞かせるようになる。
    より多く練習しているのは自分だ。
    より深く考えているのは自分だ。
    勝利の方程式を編み出すことにかけて、僕の右に出る者はいない。
    だから絶対に勝てるんだ、と。』

    ・就職の際、プロゲーマーと公務員と迷っていることを相談した際のこと
    『それから、親。ゲーム業界のことを話したうえで、プロゲーマー、公務員、ふたつの選択肢をテーブルにのせ、僕がやりたいのはプロゲーマーなんだけど、と伝えると、父は一言「好きにやれ」といった。そして続けて面白いアドバイスをくれた。「分かっていないかもしれないけれど、この業界が、お前の考えるとおりに発展していったとしたら、『東大卒』の肩書きもきっと、そこで役立てられるはずだよ」』

    『何もプレイヤーだけが格ゲーで食べていく道ではないのだ。この業界がもっともっと発展して、大きな運営組織が必要になったら、ぼくはその前面にもたてるかもしれない。東大を出た僕なりの、貢献の仕方が見つけられるかもしれない』

    多くの友人がプロゲーマーの道をやんわりと否定する中、研究員の先輩が「東大を出て普通のことをやってもそれは『あなたにしかできないこと』ではまずないだろう」と言い、父親が更に後押しをしてくれたこと。ときどがプロゲーマーになる時にはまだeスポーツの認知度は低く、ときどのことをよく知っているこの二人が応援してくれたというのは大変心強かったと思う。


    『東大を出たからって、何か情熱を持っていなければ、別に何にもなりたくなどないのだ』

    『情熱は、論理を凌駕する』

    『自分のなかに情熱の火種が見つけられない人は、情熱をもつ人のそばに行ってみるのだ。自分だけの情熱を見つけたいと思ったとき、とるべき最短ルートは、既に自分だけの情熱を持っている人のそばにいくこと』

    ゲームという、一人だけでも出来ることであっても
    やはりそこにはともに戦う、支えてくれる人が必要だと
    ときどさんは言う

    情熱の炎は誰かと燃やすことで強くなるし、続いていく
    全く違う話なのにこの間読んだ「らんたん」にもつながる話だったなと思う

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著者プロフィール

東大卒プロゲーマー

「2014年 『東大卒プロゲーマー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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