中国人はつらいよ (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569823461

作品紹介・あらすじ

中国人は生きづらい。その反面、彼らは人生を愉しむ達人でもある――。中国人のタフさや洗練された享楽主義の根源を歴史的に辿る。

感想・レビュー・書評

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  • 儒教、中華思想は、要は下には下を作るシステム。
    科挙は確かに身分を超えた出世の道を作ったが、これが色んなものを歪ませて来たのも事実。

    その辺は面白かったが、文学とか趣味とかになって来ると途端に興味がなくなったのも真実。

  • 伝統中国での儒教と科挙制度に縛られての苦悩と文人趣味への傾倒による精神安定のありようから現代の中国人の性向を解説する。 「宗族」という制度が社会のベースとなっていたことで親疎によって中国人が他人にとる態度の振り幅が大きいという説が印象的。

  • 共産党になろととも、本質的な部分は変わらないんだという感覚。科挙ではなくて共産党。女性が対象から外れなくなったのが最大の変化か。ともかく変わってないと思えばそれなりに納得がいく。

  • 昨今の中国共産党の態度を見るにつれて理解が出来ないと嘆くのではなく、理解しようと努めるようと本書を取った。
    結果、本書の前半までは非常に有益であった。中国共産党と市民の関係や家族の付き合い方など日々触れ合う中国人とも、その本質は一緒のように感じた。つまり中国では遥か昔から官以外はただの奴隷であって、市民に文化はあらず、その過酷な生活を助ける為に家族制度を深化させてきたのである。
    本書の後半は著者のオナニーのため、読み飛ばしを推奨する。著者の中では読める、理解出来ると思っている漢詩の書き下し文など中学以来漢詩を見てもいない理系には読めるわけがない。また、その時代の著名な文筆家など知る由もない。新書で書くにあたってどの程度の読者層に読んでもらうか、その見当が浅いと言わざるを得ない。

  • 中国史上の知識人階級の文化を解説した書。1~3章は官僚、4章は宗族、5章以降はそれぞれ文学、コレクション、食、庭園などについて述べており、表層的とも言えるが、それだけに気軽に読める。サブタイトル「伝統から彼らの実像を知る」とは異なり、本書でその実像が分かるとは軽々に言えないが、文化の根底を知る一助にはなる。中国史とは切り離せない科挙と官僚制について、官僚の腐敗は周知であるものの、科挙に合格するための苦労は並大抵ではなく、またそうして高級官僚になったとしても弾劾や左遷が身近であったことが分かる。

  • 内容は悪くないんだけど、文章が冗長で読みづらく、読んでておもしろいと思わなかった。
    中国文化・文学をやってる人には常識かもしれないけど、普通の人はわからないよねという単語が突然使われていることが多い。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授(中国文学)。『冒襄と『影梅庵憶語』の研究』 (汲古書院、二〇一〇年)、『明末江南の出版文化』(研文出版、二〇〇四年)、『馮夢龍『 山歌』の研究 中国明代の通俗歌謡』(勁草書房、二〇〇三年)

「2015年 『日本人は日本をどうみてきたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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