ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569841250

作品紹介・あらすじ

カメラマン、猟師、35歳、がん、余命3年宣告を受ける、息子はまだ2歳。父として男として息子に伝えたい言葉は、多くの人の心に刺さる。

感想・レビュー・書評

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  • この本は正に今、自分が出会う必要があった本でした。出会えて本当に良かったです。子育てをしている人は勿論、全ての人におすすめしたい一冊です。

    ☆優しい子に育てるには、優しい親でいなくちゃいけない。

    こういう、当たり前のことが書かれています。でも、親でいることの多忙さや難しさに気を取られて、本当に大切な根本的な事がいつの間にか抜けて行っていたことにハッとさせられます。

    著者は、まだ若いのに、癌で近いうちにこの世を去る可能性が高いそうです。幼い息子に伝えておきたいという強い思いで書かれた、純粋で無駄のない文章によって、思いがダイレクトに胸に染みてきます。

    ☆学校とは、理不尽さを学ぶ場所なのだ。

    ☆仕事=自分ではない。職業を夢にしてもあんまり意味がない。

    ☆いくら好きなことでも、自分の全てを注ぎ込むのはやめた方がいい。趣味を1つにしてしまうと、それがアイデンティティーになるから、自分のアイデンティティーを守るために人を攻撃したり、足を引っ張ったりするようになる。

    など、書かれています。
    似たような専門的な本は沢山ありますが、私にとっては今までで一番しっくり来て、読んで良かった!と思える素晴らしい本でした。

  • 今の、未来の息子さんに向けた幡野さんのメッセージ。

    目線の先に息子さんがいて、その息子さんのことを愛しんでいらっしゃる、そのあたたかさが、情感が伝わってくる一冊でした。

    嫌な人たちがたくさんいるこの世の中で、優しい虐待をする人たちもたくさんいるこの世の中で、それでもなお優しい人であるためにはどうしたらいいのか。

    自分が子どものころほしかった親になること。

    私は、私が子どものころほしかった親になれているだろうか。

  • 優しさについて生と死について…
    息子さんに伝えたいことを書いた本。


    心に響く言葉がたくさんあった。

    幡野さんはなんて優しくて強い人なんだろう。
    子は親の鏡。息子さんもきっと優しい人になるんだろうなと思う。

  • 幡野広志さんの著書2冊目
    タイトルに惹かれて、幡野さんの欲しかった親ってどんなのだろう、果たして私は子供が望んだような親だったのだろうか考えたいなと思って、この本を手にした

    余命三年と宣告された著者が成長を見届けられない息子さんに、今考えられる最高の言葉を残そうと記された本

    最初から最後まで息子さんへの愛情が溢れている
    優しい子になって欲しいから『優』と名付けられた幡野さんご夫妻
    子供が優しい子に育つためには、親が優しくなければと
    無償の愛を注いでおられる姿に感動する

    「人より早く父をなくすであろう息子にたくさんの自信をプレゼントしてあげたい

    子育てする上で乗って奥さんとのルールは
    何でも褒める。叱らなければならない時は、二人共が叱り役にならない。片方は必ず寄り添う
    頼られる強さがなければ、少なくとも子どもの最大の味方にならなければならない。それが子供を安心させるし、安心は自信を育む土壌でもある」

    幡野さんの心中を察すると胸が苦しくなるが
    気の毒にと思うことが幡野さんに対してどれだけ失礼で傲慢なことか、くれぐれもそんな捉え方をしないようにしなければ
    誰しも明日が来ることが当たり前と思っているけれど、明日のことは分からないのだから

  • 幡野氏の考え方にすごく共感しました。 

    私にも息子がいます。
    息子にはしっかりと人の話や行動を見、自分で考えて発言や行動ができる人になって欲しいと思いました。
    私も息子の灯台でありたいと思います。

  • 著者がどこまで意識したか定かでないが、科学的知見に基づく育児本のエッセンスが散りばめられている。それでいて、自分事として、ご子息に向けて語られていて、非常に説得力がある。何より、タイトルに共感できる。子供ができて数多くの育児本に目を通して来たが、つまるところ、子供になってほしいと思うなら、まず親がそうなれ、が育児の鉄則だと理解してきたからだ。その思いをさらに強くすると同時に、子育ては親育てだなと再認識するきっかけをもらえた。

  • 最後の話のなかの一文。
    「どんなに僕が自慢のお父さんになろうと奮闘しても、息子はいつか僕を否定してほしい」

    この
    「否定してほしい」に、感動した。
    子は親を否定してはいけない、
    親は子を否定してはいけない、
    そう、思っていたけれど

    続く一文
    「親も初めての人生で、初めての子育てをしていて、それで間違えないなんてありえない。」

    そう、間違えるのが当たり前なのだ。
    なんでこんなに
    「間違えちゃいけない」と思っていることが多いんだろう。

  • 読みやすかった。

    お子さんが大きくなったら100万円渡すというプラン、とても良いと思いました。

    猟をされるということで、その描写が生々しかったです。

    あと、癌になった人に対する「優しい虐待」という言葉。私も自分の振る舞いがそうならないようにしたいです。

  • 余命3年と診断された写真家が、2歳の息子に残すために書いた本。シンプルで本質的な考え方、端的な言葉で読みやすい。2022年現在も存命とのことで安心した。

    ・優しい子に育てるには、優しい親でいなくちゃいけない

    ・学校は、理不尽さを学ぶ場所

    ・人の目を気にせず、自分の経験を。それが自信につながる。

    ・夢は職業の先にあるもの。職業を夢にしても意味がない。夢を叶えるためにお金と仕事というツールがある。

    ・子供が何を選ぼうと、その答えを受け入れて、ずっと背中を押してあげる

    ・親は灯台のような存在。明るい時は見えなくても、暗い海で不安になった時に遠くでぼんやり光り安心感を与える。

  • 恨み言が全く出てこなくてすごいなと思う。この人は自分がほしかった大人になったんだな

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著者プロフィール

1983年 東京生まれ。写真家。元狩猟家、血液がん患者。2004年日本写真芸術専門学校中退。2010年広告写真家高崎勉氏に師事。2011年独立、結婚。2012年狩猟免許取得。2016年息子誕生。2017年多発性骨髄腫を発病。著書に『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP)、『なんで僕に聞くんだろう。』『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。』(ともに幻冬舎)がある。

「2022年 『ラブレター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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