中国をつくった12人の悪党たち (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569843476

作品紹介・あらすじ

この国の人民は呪われているのか――。西洋が「罪の文化」、日本が「恥の文化」ならば、中国は「欲の文化」だ。中国史を創出してきた最大の原動力は、欲と権力だった。四千年前から天下国家と万民は「権力の僕」であり、この国の民たちは、権力闘争の犠牲となる運命から一度も逃れることができない。二十一世紀になった現在も始皇帝の負の遺産が受け継がれ、毛沢東の幽霊が漂う。悪をめぐる構造は依然、生き延びているのだ。蘇秦から毛沢東、周恩来まで、中国史を形づくる悪党12人を取り上げ、「英雄」の正体と陰謀の数々を解き明かす。

●「悪いやつほど天下を取れる」それを証明する12人
・蘇秦(そしん)……中国流外交術の原点をなす稀代の策士
・李斯(りし)と趙高……利口な愚か者たち
・劉邦と項羽……無頼漢と貴族的英雄の対決
・王莽(おうもう)漢帝国を乗っ取った史上最大の偽善家
・曹操と孔明……陽気な現実主義者と陰気な精神主義者
・則天武后……男たちの権力秩序を覆した天下の「悪女」
・袁世凱……私利私欲のみに動く「裏切り専門男」
・毛沢東と周恩来……中国市場最大の暴君とその忠実な僕


これはある意味では、筆者自身の中国の歴史に対するひとつの独自の解釈である。
このような「一君万民」の権力中心主義こそが中国史の悲劇と人民の不幸の源であり、まさに「諸悪の根源」というべきものであろうと思うが、中国の人民にとってさらに不幸なのは、二十一世紀になった現在でも、秦の始皇帝以来の権力構造は依然生き延びていることだ。
(本書「むすびに代えて」より抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • スカッとするね。中国史を紐解きながら、民族全体を批判している感じが。ここまではっきりとこき下ろすと、逆に日本人に媚売ってるんじゃないかと疑ってしまう。でも書いてあることは面白い。

  • amazon 2019.8.21400

  • 2年前の一時帰国の時に中国関係ということで買ってあった新書。
    元のタイトルは「謀略家たち~」だったところ、「~悪党たち」と改題して新書化されたもの。
    中国政府に批判的な立場の石平さんなので、歴史上の悪党の章も今の政治家を見立ててコメントしているところもあるけれど、単純に中国の歴史の深掘りとしても楽しめた。
    でも、こんな本は、帰国してハンドキャリーでないと持って来れないよな。通関で検閲されたらきっとアウトだな。

  • 20210709読了
    3.4評価で四捨五入☆3つ評価

    覚書
    第一章 蘇秦
         中国流外交術の原点をなす稀代の策士
    第二章 李斯と趙高
         利口な愚か者たち
    第三章 劉邦と項羽
         無頼漢と貴族的英雄の対決
    第四章 王莽 
         漢帝国を乗っ取った史上最大の偽善者
    第五章 曹操と孔明
         陽気な現実主義者と陰気な精神主義者
    第六章 則天武后
         男たちの権力秩序を覆した天下の悪女
    第七章 袁世凱
         私利私欲のみに動く裏切り専門男
    第八章 毛沢東と周恩来
         中国史上最大の暴君とその忠実な僕

    移動する時用に読んでいた本。やっと読みきれた^^
    悪人だったからこそ天下が取れたといふ人物多し。
    孔明の陰気な精神主事者にはちょっと笑ってしまった。

  • 2020.08.10 新書サイト巡回で見つける。魑魅魍魎な中国の世界は何も『三国志』や『史記』、『水滸伝』の世界だけではない。易姓革命とは徳の無い天子に徳のある者がとって替わることだが、とって替わった者に徳があるとは限らなかった。悪徳の為政者列伝を理解すれば、現代中国の権力者達の裏の姿も見えてくるのだろうか?
    https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84347-6

  • いろいろと腑に落ちた。

  •  
    ── 石 平《中国をつくった12人の悪党たち 20190628 PHP新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4569843476
     
    …… 蘇 秦から毛 沢東・周 恩来まで、12人の「英雄の正体」を中国
    研究の泰斗があばき、中国流の外交戦略の原点を探る。
    https://www.php.co.jp
     
     Seki, Hei 国際評論 19620130 China 四川 /2007 日本国籍/山本 七平賞23
    /神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了/200804‥ 拓殖大学客員教授
     
    …… 中国語には、日本語の“優しさ”という熟語がない。その意味を
    伝えるには、“柔和、親しい”など、十種の熟語が必要だ
    ── 《虎ノ門ニュース 20190704 1:36:15 DHC》有本 香
     
    (20190705)
     

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著者プロフィール

評論家。1962年、中国四川省成都市生まれ。1980年、北京大学哲学部に入学後、中国民主化運動に傾倒。1984年、同大学を卒業後、四川大学講師を経て、1988年に来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了し、民間研究機関に勤務。2002年より執筆活動に入り、2007年に日本国籍を取得。2014年『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で第23回山本七平賞を受賞。近著に『漫画でわかった! 習近平と中国』(かや書房)、『世界史に記録される2020年の真実 内患外憂、四面楚歌の習近平独裁』(ビジネス社)、『中国五千年の虚言史』(徳間書店)、『日本共産党 暗黒の百年史』(飛鳥新社)などがある。

「2021年 『中国 vs. 世界 最終戦争論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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