三兄弟の僕らは

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569846590

作品紹介・あらすじ

両親がいなくなったその日から、僕らは「普通」じゃなくなった――。家族の秘密に向き合いながら成長する兄弟達の絆を描いた感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 235ページ
    1600円
    10月11日〜10月13日

    突然、事故で両親を失った稲野家の三兄弟、朗、昭、幸。三兄弟のもとに駆けつけた母方の祖母、栄枝。4人で生活する中で、母と祖母の確執や、父の隠された過去が見えてくる。

    微笑ましい三兄弟の話かと思いきや、ラストは父には別の家庭があったという衝撃の事実が判明する。それでも、三兄弟のほっこりした感じと、血のつながりのある妹を大切にしていく感じが、衝撃を和らげて、はじめから最後まで、結構重い内容の話なのに、そう感じさせない不思議さがあった。

  • それぞれの視点がおもしろかった。
    ただ、話としてはできすぎかなと思った。

    優しい物語なので心はぽかぽかしました。

  • 小路幸也さんの作品らしい、ほっこり温かいお話でした。
    両親が事故で急死し、子供達が遺された話っていうのは、そこから運命が狂ったように重たい展開になる場合が多いけど、この作品は、遺された3兄弟が両親の死から始まり、今まで隠されてきた母と祖母の関係やダークな祖父の事、父が秘密にしていた事が発覚するなど、本来なら『不幸』ととらえてしまいそうな事を冷静に受け入れ、なんてないように 前向きに楽しく仲良く生活していく物語。だから読んでいるのも楽しいです。
    一見上手く行き過ぎているように思うけど、それがいいんだって思える物語!「不幸」ととるか「不運」ととらえるかって所が面白くもありなるほどって思えるお話。もちろんこの3兄弟は両親を失くした状況を不幸とは思わない。なんでも不幸だなんて思わないで、明るく生きていこうっていうお手本となるような物語かな。実際、自分が似たような状況になったとき、果たしてそう思えるかどうか自信はないけれど・・・
    ともあれ、登場人物がみんないい人達なので、読んでいて気持ちがいい、笑顔でいられる作品です。

  • 大学高校中学生3兄弟の両親が事故死した。
    母方祖母が家事等手伝いに来てくれる事になった。
    死のショックからの束の間、次々と父と母の新事実が明らかになっていく。
    誰1人憎むべく悪者が登場する事なく、ドロドロ感もなくラストまですんなりスッキリと進んでいく。

  • 横浜に住む大学生の朗(長男)、高校生の昭(次男)、中学生の幸(三男)の三兄弟は、結婚二十五周年のドライブ旅行に出かけた両親を事故で亡くしてしまう。家族5人は仲が良かったが、両親ともに親・兄弟がほとんどは無く、唯一の親戚である母方の祖母が北海道から駆けつけてくれた。住む家があり、生命保険などで兄弟3人がこれから先暮らしていくのに困らないようなお金も残った。唯一の親戚である祖母と母は、何故か疎遠だった。3人それぞれの視線で、両親が抱えていた秘密を少しづつ見つけていく。

    3人が知り合う大人たちは、みな優しく手を差し伸べてくれる。驚くような父親の秘密も、抵抗なく受け入れていく。そんなもんなのだろうか、と思わなくもないが読後はホッとした気持ちになった。
    祖母が語る母の子ども時代の生活ぶりは、ちょっと時代がズレているような気がするのだが…?

  • 途中まではとても良い家族の話だなぁ…なんて思ってたらお父さんの真実。
    いや、三兄弟懐デカすぎない?普通は無理でない?と思ってしまった。人間出来すぎてる。

  • +++
    平凡で幸せな家庭に育ちながらも、突然の交通事故で両親を一度に失ってしまった、稲野朗・昭・幸の三兄弟。そんな彼らを助けるべく、ほとんど面識がなかった母方の祖母が家にやってくる。その暮らしの中で兄弟たちは、祖母と母の不仲の理由や父の出生の秘密など、これまで知らなかった家族の裏側を少しずつ知っていくのだが…。中・高・大学生の三兄弟の成長と、家族の絆を描いた、感涙必至のハートフルストーリー。
    +++

    一般的に見えれば、ものすごく不幸でありながら、まったくそうは見えない三兄弟ではある。著者の作品には、基本的には善人しか出てこないが、本作もまた然り。三兄弟(小学生の末の弟までも)も、周りの人たちも、あまりにも人間ができすぎていて、ともすると白けてしまいそうなのだが、著者の物語はなぜかそうはならず、応援したくなってしまうのが不思議である。これ以上不運に見舞われないように、というよりも、どんな状況に置かれても、いいことを探しているような彼らなので、末永くそのまま穏やかに、と願わずにはいられない一冊である。

  • 三兄弟の両親が事故で亡くなり、その後のあれこれの話。
    小路幸也さんらしい穏やかに幸せな物語。

    だけど個人的には腑に落ちないところもあって、あまり好きな方ではなかったかな。
    祖母がけっこう年寄りに描かれているけど、今の70歳ってもっと若い感じじゃないのかなとか。東京バンドワゴンの我南人さんは極端かもだけど、栄枝ばあちゃんは昔のおばあちゃんの雰囲気。
    あと、父の不倫がそんな美談になっていいのか。娘には何の罪もないし、手を差し伸べて仲良くなれるのは素晴らしい。けど、あまりに美しすぎる展開で、若干、これはやりすぎでは、と感じてしまった。私の心が狭いのか?

  • 3兄妹が両親の死をきっかけに、自分たちの家族や両親の過去を知っていく話。
    中々ハードな設定だなぁ。。 主人公?の3兄妹の大人っぷりもなかなか。。

  • 三兄弟
    長男 稲野朗
    次男 稲野昭
    三男 稲野幸

    祖母 
    坂橋栄枝


    杉下優衣

    三兄弟の父親の不倫、物語の中では別の家族と言われていたが、三兄弟が父親の愛人の子供を妹と受け入れ、その後の関係性も良好、三兄弟がとても優しく広い心を持っている事を感じさせるためには必要だったのだろうか。その兄弟を育てた両親の愛情深さも含め。

    父親の不倫は同情が愛情に、やがて…のパターンなのかもしれないけれど、賢明な人だったら不倫になどならないだろうし、理由は何であれ不誠実。別の家族などという言い方も言い訳がましい。

    三兄弟の祖母、しっかり者の栄枝ばあちゃんが、罪を犯して逃亡するような男(三兄弟の祖父)と結婚していたというのも不自然。

    事故で両親を一度に亡くすというだけでかなり重いはずなのに、何だかはぐらかされた感じ。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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