「不連続な変化の時代」を生き抜く リーダーの「挫折力」

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569849003

作品紹介・あらすじ

「いい人」から脱却し「打たれ強いリーダー」になるために。「抵抗勢力の排除」「失敗の克服法」など、あまりにリアルなリーダー論。

感想・レビュー・書評

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  • 挫折と挑戦を繰り返していくことで、自ら打たれ強いリーダーとなろう、がメッセージではないかと思いました。
    本書の中で、言いたいであろうことが分散していて、まとまってないように思えてちょっと残念でした。
    どちらかというと、ロジカルではなく、著者の精神論、思い込みのようにも感じたところ、散見されました。

    気になったところは以下です。

    ・どんな大企業であってもイノベーションのジレンマ、すなわち、破壊的イノベーションの時代においては古くて大きい会社ほど破壊されるリスクが高く、結局、ユートピアなどどこにもない。
    ・中間管理職という仕事が急速に消滅していっている。従来の中間管理職の仕事はいわば、監視、モニタリングだだった。もう一つは、組織内、組織間の調整、根回しである。
    ・いい人ほど、多くの人を不幸に追い込む。倒産や起業における失敗を余儀なくされた企業のリーダーの多くは、皆人間的にいい人である。
    ・いい人から脱却し、マキャベリズムを身につけよ

    ・明治維新は、倒幕までは革命と言えず、同じ士族階級同士の権力闘争に過ぎない。士族の反乱をすべて平らげることによって、はじめて明治国家は、江戸時代のシステムからわかれることができた。
    ・うまい撤退、三つのコツ ①撤退基準を持つこと ②退路と撤退の道筋をあらかじめ用意しておくこと ③決断を速めない、あえて「決めない」のも一つの手
    ・成功の要因の5割は「運」である。天の時、地の利、人の和が結果的に作用したもの。
    ・忙しければ悩まない。悩んでいる暇があれば、とにかく働け
    ・抵抗勢力を切り崩す。正攻法だけでなく、外堀を埋めるように徐々に、相手を追い詰めるコツを習得する。①固有名詞を敵にしない。②孫子・君主論をテキストにする
    ・信頼できる関係とは、何度も修羅場をくぐりながらも壊れなかった関係である。
    ・リーダーに問われる「悪いことを伝える技術
    ・すぐに役に立つものは、すぐに役にたたなくなる。 慶應義塾大学 小泉信三氏
    ・リーダは、「捨てる」を選択しなくてはならないのだ。⇒これって集中と選択では?
    ・「魚は頭から腐る」、破綻した会社の多くはトップから腐っていくものだ。逆に言えば、現場の社員一人ひとりは、総じて高いスキルをもっているものだ。
    ・中間管理層の悲哀は、部長でも、課長でも同じ、役職についたら、「トップリーダ」の心構えで仕事をする

    目次は以下の通りです

    はじめに 厳しい時代を楽しく生き抜くリーダーになろう

    序章 「修羅場」の時代のリーダーシップ
    第1章 リーダーは「挫折力」を手に入れよ
    第2章 ストレス耐性を高め、失敗を笑い飛ばせ
    第3章「人間関係の泥沼」を楽しみ、糧にする
    第4章 リーダーに仕事は「捨てる」ことである
    第5章 強力かつ危険な「権力」をリアルに使いこなす

  • 『感想』
    〇挫折が成長につながるということは、よほどの天才でない限り実体験からわかっていることだと思う。問題は、挫折の程度と自分のプライベートな状況の波が合ってしまうと、乗り越えられず沈んでいく可能性があること、挫折がいい経験だということは後の成功が手に入った時に思うことで、そのタイムラグを耐えることが必要なことだ。

    〇この本は著者の実体験と抽象的な概念で話が進み、読者がどういう風に挫折から立ち直るのかが載っていない。ストレス耐性を高めよう、失敗を笑い飛ばそう、泥沼を楽しもうは答えになっていないと思う。

    〇序章と5章立てで構成されているが、序章(リーダーシップ)と第1章(挫折力)で半分のページが割かれている。このことからも答えが少ないことが感じられる。

    〇リーダーに必要なものとして、挫折力の他に非情さを挙げている。だがこの2つの関連がいまいちわからない。

    『フレーズ』
    ・挫折とは、ある意味、能力以上のことに挑戦した結果である。それが人としての伸びしろとなる。挫折すれば、反省し、学習もする。けなされ、叩かれ、厭味をいわれるし、人間同士のヒリヒリした場にも身を置くことになる。それは一時的にはつらい経験であっても、長い目で見れば悪い経験ではない。むしろ、難所を切り抜ける貴重な経験になる。(p.55)

    ・知識を単なるうんちくに留めず、自分の思考や行動に応用できるようになるレベルまで自己言語化するには、相当の訓練が必要だ。(略)本来の教養とは学ぶものというより、鍛錬に鍛錬を重ねて習得するものというほうが実態に合っている。(p.195)

    ・真のリベラルアーツ、より良く生きていくための知的技法は、知的な学習作業と、実践による鍛錬とを行ったり来たりしないと習得できず、身体化された言語にはならない。(p.197)

  • 自分はまだいい人で止まっている。
    ここからさらに殻を突き破り、真のリーダーになる必要がある。
    最高の組織にしていくためにも自分の人生の目的を成し遂げためにも、妥協しない。

  • 勇気づけたり覚悟を迫る目的の本と理解。目的は一定果していると感じた。

  • この本を読むことで、新しい時代のリーダーシップについての深い洞察を得ることができます。
    これからの時代を生き抜くための、新しいリーダーシップの形を学びたいすべての人に、この本を心からおすすめする本です。

    詳しくは以下で紹介しています。
    https://takamyu.com/?p=15976&preview=true&_thumbnail_id=16067

  • 挫折は大なり小なり、色んなレベルで誰しも味わうもの。その経験に向き合って何を感じ、何を得られるか?
    加速度的に時代の変化が増す中で、こういうマインドを持つことは、これからの時代、益々大切だと思います。
    そんな思いを胸に秘めつつ長女にそっと本を渡してみたが読んでくれるかなぁ(^^)。

  • 順風満帆で挫折を経験しないことには、成長に繋がらないとの話。

    挫折=能力以上のことに挑戦した結果であって、それが伸び代になる。
    また、打たれ強くなる+敗因分析で、次の戦に活かせる。

    常に非主流-人間が野党的。
    ラインから外れた彼のことだ…口を開けば否定。
    自らが能動的、建設的に考える力、現実的で実行可能な提案を行う能力が身につかない。

    成長の一例…どうしたら、あの意見に反論できる?自分の考えを補強するには何が必要?
    →結局、逃げずに考えないことには、成長できない。

    果敢な決断と平然と先送りの使い分け。
    →即決しなくてもいい判断も、立派な判断。

  • 読書会の歴代レポート(1冊がA4用紙2枚+αにまとまっています)は、PortalⅣの電子ファイルサイトから誰でも閲覧できます。
    「この本に興味はある!けど、読む時間はない…」という方は、ぜひそちらにアクセスしてみてください。
    KC>経営企画室>全グループ会社>05.読書会

  • 著者の経験の中での「挫折」はなかなか高いレベルのものなので、読者が身近に感じる経験ではないが、
    著書から、仕事をする上での覚悟と取捨選択の重要性を意識されられた
    特に大企業に所属している人に刺さる本だと思う。
    著書の中にもあったが、「著名な本を読んで内容を知っているだけではダメ。自分の生活の中で体現できるようにならなければ自分の知識とは呼べない」ので、この本で学んだことをしっかり体現できるように意識したい

    備忘用メモ:
    ・リーダーの思いや危機感はなかなか伝わらない→とにかく耐えること。今期強く「お願い」をすること
    (日本はシーソー式/49が51になれば一気に改革は進む)
    ・味方作り、敵減らし→固有名詞を的にしないこと、敵を分断し個別攻撃すること
    ・きれいごとだけを語る人は信用されない→リーダーの危機感は社員もうすうす気づいている、悪いニュースを伝えないは保身でしかない(上の立場になればなるほど悪いニュースは耳に届きづらい)
    ・「多くの人が気づかないうちに捨てる」が一番難しい→危機的な状況の前に対処する方がダメージが小さいが、抵抗勢力も強い、徹底的にやり切ることが必要

  • 日本橋

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長、パナソニック社外取締役、経済同友会政策審議委員会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、国土交通省インフラメンテナンス国民会議議長、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)、『コロナショック・サバイバル』『コーポレート・トランスフォーメーション』(いずれも文藝春秋)などがある。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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