ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか
- PHP研究所 (2022年1月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569851518
作品紹介・あらすじ
アンパンマンに思いを込めてメッセージを送り続けた著者が、人の優しさ、心の痛み、生き方を綴った心温まるエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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3冊のスクラップブックから編集された、やなせたかしさんのエッセイ。1995年に刊行された『もうひとつのアンパンマン物語』を改題し、新装復刊したもの。
始めに表紙のアンパンマンをみて、とても懐かしくなった。アンパンマンとは、たくさんの思い出がある。
そのアンパンマンが日の目を見るのに、意外にも時間がかかっていたことに驚いた。
やなせたかしさんの色々な思いが書かれていた。私が大好きだった、いちご新聞にも関わっていらっしゃったとは驚きだった。
『手のひらを太陽に』の「みんなみんな生きているんだ、友達なんだ」という歌詞が、今こそみんなに届いてほしいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やなせさん意外と遅咲き、
でも信念変えずやりつづけて、アンパンマンが流行り、名曲「手のひらを太陽に」もうみだし、雑誌も手掛けてる。
毒混ぜずに子供の面白い!をつくること、確かに難易度高い。読んだことある名作もたしかにこのヒーローやってることいいの?過激!って思うことあるなぁ。
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小さい頃アンパンマンが大好きだったので思わず買ってしまったやなせたかしさんのエッセイ本。
アンパンマンは随分商業化されて、コンプライアンス上昔みたいに頭なくなるまで食べられたりとかの描写もなくなった印象だけど、その描写が大事なんだよなぁと。
いくつになっても新しいものにとりあえず挑戦するという先生の姿勢は見習いたいと思った。 -
大好きなアンパンマン。色々な媒体で触れてきたが作者であるやなせ先生の文そのものには触れたことが無かったと気づき拝読。
面白いことがたくさん書かれていたが、まえがきにあるようにとっ散らかっていてまとまりのない本だったのが少し残念(エッセイってそんなものなのかもしれないが)。何度も同じ内容が出てくるしもう少し踏み入って聞きたい内容があと一つ物足りない。32歳で父親が客死、詩とメルヘンはサンリオの社長と〜、覚えてしまった。笑笑。
読了して思うのは先生の文章が思っていたよりも遥かに力強かったこと。優しさ、というよりは活力づいていて乱暴な結論も怖気付かず述べるところ。先生の作詞した曲や(アンパンマンのマーチや夕日に向かって等)アンパンマンの主題を考えると当然っちゃ当然。揺るがない哲学があって、その通りに走り抜けた人生。激動の時代を生きてくにはそれほどのパワーが必要だったのだろう。
今日にこの本を読むに当たって非常に煩わしがられるであろう部分は間違いなく女性への提言の部分。現代の価値観では受け入れ難い内容。ただ、個人的にはそこにも興味深さはあったし、何より目くじらを立てて批判するに値する様な内容でも無いと思っている。幼少の頃から婦人誌を愛読していた先生のただの与太話の域を超えていない。今でいうデートの時に割り勘にする男は〜とか、そんなのとおんなじ。
フランケンシュタインの話と同列に原爆を語ったところ。非常に面白い。戦中世代にはやはり頭が上がらない。 -
アンパンマンは昔から大好き。
特に『アンパンマンマーチ』が好き。
私が大人になってから誕生したアンパンマンだけど、子供達とみてるうちに大ファンになってました。そして、辛い時にアンパンマンマーチに支えられたこともありました。
そんなアンパンマンの生みの親のやなせたかしさんのエッセイは、そんなにへりくだると逆に嫌みだぞ…という部分も含めて人間臭くて面白かったです。 -
やなせさんの温かい人柄が行間から滲み出て来るようなエッセイ集。
2013年に94歳で永眠されたやなせさん。
本作は、1995年に『もうひとつのアンパンマン物語』と題して刊行されたものを新装復刊した作品。
優しいお顔が目に浮かんで来る前書きの後には「アンパンマンのマーチ」の歌詞が掲載されており、改めてこの歌詞の良さを実感する。「手のひらを太陽に」と共にずっと歌い継がれて欲しい楽曲だ。
戦争を経験した著者から紡がれる事は胸に響く。
『いちばんのよろこびはほかのひとをよろこばせること』
読後はやなせさんをもっと好きになる。 -
帯にもある『人生よろこばせごっこ』は、創作する人の究極の答えだと思います。
そんなことを思って手にとりましたが、やっぱり本文でも、このよろこばせごっこのお話がいちばんぐっときました。
引用
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ひとはみんな、よろこばせごっこをして生きています。それが、このいかにもさびしげな人生のささやかなたのしみになります。ボクらはそんなに長生きはしません。星のいのちにくらべれば、瞬時に消え去っていきます。
特にボクは、ひとがうれしそうに笑う笑い声が好きです。ひとが笑うと、ボクもうれしくなります。だから、長い間苦労して、やっと漫画家になりました。ボクは大芸術作品をかきたいと思ったことは一度もありません。『面白いですか。ボクの本は面白かったですか』とそのことばかり心配しています。
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私はベンチャー企業で働きながら、仕事もすべて喜ばせごっこの気持ちでやっていました。自分がやりたいか、どうかは二の次で、大事なのは、相手が喜ぶタイミングで、欲しいものをあげることです。だけど、私の場合、それがちゃんと楽しかったり、面白かったり、笑顔になることでないと、嫌です。ただ、ここにこだわりすぎると、どんどん差し出すタイミングが遅くなってしまいます。
引用
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(環境問題や社会問題)がボクの作品のテーマになりました。しかし、それがはっきりと表にでてしまうとお説教くさくなって子どもは見むきもしなくなるのです。
表面的にはまず面白いお話であること、それから絵が美しいこと、これが必要であって作者の主張はその底にかくれているぐらいがいいのです。
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自分のこだわりと、相手の喜ぶものをイコールにするのは難しいことです。
さらに、今引用した、やなせさんの美学みたいなものも、私も微力ながらとても大切にしたくて、そうなると、やっぱり仕事で満点をとるのはまだまだ難しいんです。
でも、まだまだ、やなせさんがおじいさんになってからも考えて工夫していたことを自分も少しだけ感じられているのなら、これからまだ伸び代があるかもしれません。
お仕事を楽しく、真摯に、いつまでも、取り組みたいなと思わせてもらえました。
(37歳ニート時に読了) -
やなせたかしさんのエッセイ集。
私生活や価値観が端々に散りばめられていて
子どもに対する思いが素敵だと感じた。