- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591137352
作品紹介・あらすじ
正義とは何か。絶対的な正義なんてないし、正義はある日逆転する。
正義のためには悪人がいなくちゃいけないし、悪人の中にも正義がある。
正義を生きるのは大変だけれども、その中で僕たちが目指すべき正義とは――。
私たちの絶対的なヒーロー「アンパンマン」の作者が作中に込めた正義への熱い思い!
感想・レビュー・書評
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直近で好きな2つのチャンネル(「積読チャンネル」と「コテンラジオ」)でやなせたかしが紹介されていたので、気になって手に取った本。
うん、読んで良かった。内容は上記のチャンネルで紹介されていたことが大半だったけど、アンパンマンの解像度が上がった。
なぜ、「愛と勇気だけがともだち」なのか。
やなせたかしは「なんのために生まれて なにをして生きる」と考えていたのか。
アンパンマンの誕生に影響を与えた作品は。
その答えが詰まっている本。
やなせたかしの他の絵本『チリンのすず』『さよならジャンボ』も読んでみたくなった。
アンパンマン好きの娘がいつか大きくなったらこの本を手に取って欲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アンパンマンの作者であるやなせたかし先生が、「正義について」語る本。
アンパンマンができたのはやなせ先生が50代の時とは知らなかった。スーパーマンやウルトラマンは目の前で飢えてる子がいても食べ物をあげるわけではないからアンパンマンは自分を犠牲にして子供達を助ける、というのは、正義の名の下に行われる暴力的な破壊行為を戦争という形で経験したやなせ先生ならではの思いなんだろうな。
こんなに色々なことをされていたとは知らなかった。手のひらを太陽にの作詞もやなせ先生だったとは。
善も悪もいきすぎるといいことはない、正義は絶対的なものではなく、日本の敗戦時のように1日でひっくり返ることもある。
子供がアンパンマンにハマりだしたタイミングで読めて良かった。 -
『正義はある日突然逆転する。
逆転しない正義は献身と愛です。』
やなせたかしの考える正義について語られたもの。半世紀近く正義の味方を描いてきた90歳の話は実に深い。
やなせたかしが戦争で1番辛かったのは、「飢え」だそうだ。世の中に完全無欠のヒーローはたくさんいるが、飢えた子供は救ってくれない。アンパンマンが自分の身をけずって顔を差し出す理由を初めて知った。やなせさんの生立ちや影響を受けた作品、アンパンマンに出てくるキャラクターたちが何故その個性を持つのか等々、結果論ではあるものの全てのことに意味がある。
戦う時は友達を、まきこんじゃいけない、戦う時は自分一人だと思わなくちゃいけない。愛にはいさましさが、勇気にはやさしさが含まれている。
最後に「アンパンマンマーチ」の歌詞を読んで泣きそうになった。
しかしながら、文章の読み易さは然り、冒頭に『あんぱんまん』のあとがきを抜粋し最後に「アンパンマンマーチ」の歌詞を集大成として載せた構成は、さすが放送作家をされていた方だなと思った。 -
2013年に亡くなられたやなせたかし氏が、「未来のおとなたちへ」として思春期を迎える児童向けに執筆した“正義”論。生い立ちや実体験を通して学んだ“正義”とは、そして自身の行き着いた“正義”がどのように『アンパンマン』に反映されていったのかを説く。
正義のための戦いなんてどこにもないのです。
正義はある日突然逆転する。
逆転しない正義は献身と愛です。
本文から引用した上記がやなせ氏の不動の姿勢なのだと思う。読めば読むほど、ものすごく多面的に物事を捉えられる方だなという印象。一概には言えない立場や考え方を持つ人がいると知っているだけでなく、受け止める大きさがあるからこそ数多くキャラクターが登場する「アンパンマン」という作品が生まれたんだと思う。
優しい柔らかい文体のなかに、強い意志を感じる作品。 -
アンパンマンの生みの親ということしか知らなかったけれども、幼少期の苦労、多種多様な仕事の経験、見知らぬ人から仕事を任される事も多く、運が強かった(?)ことなど、やなせたかしさんについて知れる本でした。
様々な体験の中で培われた絵本・マンガに対する仕事観は参考になる部分が多かったし、アンパンマンに込めたメッセージ「正義とは何か。傷つくことなしに正義は行えない」(P.99)が印象に残った。 -
私は昔からアンパンマンのマーチの歌詞がとても好きです。
どうして好きなのか、この本を読んでわかった気がします。正義と悪は紙一重。
そして
人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある -
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2022/11/22
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2022/11/29
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