昭和史の明暗 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569856261

作品紹介・あらすじ

二・二六事件での天皇の決意、山本五十六の畏友・堀悌吉の失脚、駆逐艦・雪風のチームワーク…。昭和日本の明暗両面が語るものとは。

感想・レビュー・書評

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  • 多くのことを知っておかなければならない!人間はまた愚かな行為をするものだから!

  • 戦前から終戦までの昭和史における決断の明暗が、生々しい会話の記録として残されていて、緊迫感を伴う重い決断と結果を見ての無念さなどが迫ってくる。記録を割り引かずにそのまま史実として読んではいけないのだろうと思うものの、個人に判断を預けられた事案の責任の重さを考えると、厳しい時代であったのだろうと実感する。さて自分がその立場だったらと考えてみたものの、想像もつかないという答えが正直なところです。

  • 1 揺るがなかった意思 昭和天皇と二・二六事件―歴史に刻印される叛乱の真相(惨烈をきわめた暁の襲撃により幕を開けた「日本を震撼させた四日間」;「とうとうやったか。自分の不徳のいたすところだ」―そのつぶやきと目に光るものを認めた侍従 ほか)
    2 名誉と覚悟と責任と 昭和陸軍と阿南惟幾―八月一五日に自決した陸軍大将の本心(陸軍大臣阿南惟幾は、なぜ「米内を斬れ」と言ったのか;歴史とは人がつくるものだが、歴史もまた人を生む― ほか)
    3 人事の悲劇 日本海軍と堀悌吉―山本五十六の畏友、生かされなかった偉材(「海軍自体の慢心に斃るる」ほかに「立直す」途はないと記した山本五十六;露わになった対米英強硬派の軍令部側と対米英不戦派の海軍省側との対立 ほか)
    4 在りし日の栄光の結末 連合艦隊と参謀・神重徳―大和特攻をめぐる真実(小説『海戦』で印象的に描出された第八艦隊先任参謀の神重徳大佐;第一次ソロモン海戦における「殴り込み戦術」の作戦立案とその勲功 ほか)
    5 国破れて「駆逐艦」あり 太平洋戦争と「雪風」―最後まで闘い抜いた「消耗品」(海軍きっての劣等珍記録をもつネジリ鉢巻の大入道・寺内正道艦長;「たとえ大和を失っても沖縄突入はわれわれの任務だ。雪風一艦でもかまわん、沖縄へ突撃するぞ」 ほか)

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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