日本人の賃金を上げる唯一の方法 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569856575

作品紹介・あらすじ

インフレでも賃金が増えない原因を徹底分析。生産性上昇への道と正しい政策をした際の給与増、無策の際の給与減をシミュレーション。

感想・レビュー・書評

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  • 原田先生からご恵送賜りました。一番、刺さったのはやはり日本が1980年代に日本は最先端に行ってしまったからもはや追いつき型の経済成長はできないと皆が思ってしまったことが躓きのもとであったという指摘(p.48)、実際にはアメリカの8割(一人当たり購買力平価GDP)しかいっていなかったのに……。

    資本ストックはその伸びだけではなく、新しい資本には新しい技術が体化されていてそれが生産性を高めるというソローを引用しながらの主張も絶妙(第1章第6節)。

    第3章「人手不足でなければ経済は効率化しない」は本書の肝(「高圧経済」論)であるが、池田勇人の所得倍増もアベノミクスも松方デフレ後の松方財政もすべて「高圧経済」政策だったという。わかりやすくて腑に落ちる説明であった。

    もちろん第4章「財政赤字と経済成長」も大事。借金を減らしてドイツに敗れたフランスの例とか相変わらず原田先生は例示の仕方など上手いなぁ。

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著者プロフィール

1950年生まれ。東京大学農学部卒業。学習院大学博士(経済学)。経済企画庁国民生活調査課長、海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経て、現在、名古屋商科大学ビジネススクール教授。著書『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(日経ビジネス人文庫、石橋湛山賞受賞)、『若者を見殺しにする日本経済』(ちくま新書)、『ベーシック・インカム』(中公新書)、『デフレと闘う』(中央公論新社)など多数。

「2021年 『コロナ政策の費用対効果』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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