世界は「」を秘めている (カラフルノベル)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569880976

作品紹介・あらすじ

全部、全部「ウソ」だった。
【あらすじ】
自分の好きなものがわからず、身近な人たちが作り上げた「かっこいい女子」を演じ続けてきた玉川つばさ(たまがわ なぎら)は、「かわいいもの」や「きれいなもの」を身につける男子・雨宮凪良(あめみや なぎら)と出会い、少しずつ「自分の本当の気持ち」を見つけていく。

「自分が本当に好きなものは何か?」
「相手に自分のことを全部理解してもらう必要はあるのか?」
悩みもがきながらも、自分なりの答えを探していく――。胸が締めつけられる青春小説、完結巻。

【目次】
1:世界は「モノ」が多すぎる
2:世界は「スキ」で彩られる
3:世界は「キミ」を見てくれない
4:世界は「ウソ」を隠している
5:世界は「アイ」で重ねていく

■イラスト:げみ

感想・レビュー・書評

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  • いいよさんの児童書新刊だよー!
    三冊並べると表紙がとってもきれいだよね。

    主人公のつばさちゃんは、とても『櫻いいよ』らしさの詰まった女の子だとおもう。
    みんな違っていい。個性は大事。
    女の子だから、男の子だから。
    女の子だからといって、男の子だからといって。
    あーもう、ぜんぶうるせえよ!好きにさせろよ!!
    という、友の叫びが終始聞こえるような一冊。

    好きなものがあるなら、それを自分なりに大事にすればいいし、好きなものがまだないなら、これから見つければいいし、見つからなくてもそれならそれでいい。誰の言葉を信じて、誰と時間を過ごし、どんな自分で日々を過ごすか。
    それって子どもとか大人とか関係なく人生ずっと続く命題のようなもの。

    つばさちゃんも凪良くんも、みんなみんな好きなように生きてほしいと思うけども、好きなように生きられないのがこの世界だから、せめて好きな自分で一秒でも長く過ごせるように。
    わたしたち大人はそんな世界を残してあげないとな、などと思ってみたり。

    良くも悪くも他人を気にしすぎなこの世界で、他人よりも自分を気にかけて生きていけるようになればいいなぁ。

    そんな『世界』にしていきたいものです。

  • 大人っぽくてかっこいいと見られたまま中学生になったつばさ
    ワンピースを着て化粧をした雨宮くんと出会い、仲良くなる

    周囲につくられたイメージと自分の思いとのギャップに悩むつばさは、とらわれずに堂々としている雨宮くんに憧れるが……

    ケータイ小説から出た人気作家 櫻いいよ の“胸が締め付けられるリアルな青春小説”

    「 」は章ごとに「モノ」「スキ」「キミ」「ウソ」「アイ」が充てられて、展開を暗示する

    『世界は「 」で〜』の3冊目続編
    げみ のイラストでジャケ買いしたくなる一冊

    無理しなくてもいい
    我慢しなくてもいい
    強くならなくてもいい
    あなたがあなたでいるために

    高学年から楽しめるコンパクトで読みやすい物語がラインナップされているPHPの“カラフルノベル”レーベルから、2023年2月刊

    [既刊情報]
    『世界は「 」で満ちている』2019年5月
    『世界は「 」で沈んでいく』2022年2月

    ※p.34〈同じくクラスに〉⇒〈同じクラスに〉

  • Amazonの紹介より
    自分の好きなものがわからず、身近な人たちが作り上げた「かっこいい女子」を演じ続けてきた玉川つばさは、「かわいいもの」や「きれいなもの」を身につける男子・雨宮凪良と出会い、少しずつ「自分の本当の気持ち」を見つけていく。
    「自分が本当に好きなものは何か?」
    「相手に自分のことを全部理解してもらう必要はあるのか?」
    悩みもがきながらも、自分なりの答えを探していく――。胸が締めつけられる青春小説、完結巻。



    完結巻ということですが、他のシリーズは読んでいないので、初参加です。
    ルビが多く振られているので、幅広い方に読みやすくされています。

    友達以上恋人未満の関係であるつばさと凪良の青春物語を通じて、普通と個性の狭間での苦悩が繊細に描かれていて、今後も大変ですが、頑張ってほしいと思いました。

    大人になって読むと、「自由でいなさい」「自分の思うように生きなさい」といった励ましを言いたくなりますが、当時の学生時代を振り返ってみると、それが仇となって、いじめや無視に繋がることになんとも複雑な気持ちになりました。

    好きなように生きてほしいと思う反面、学生時代だと普通でいなきゃいけない現実に難しいなと考えさせられました。

    色んな人がいるということで受け入れる一方で、もしも自分の周りに「ジェンダーレス男子」がいたとしたら?
    自分だったら、その人にどう話をすればいいかわからないかもしれませんし、「変な人」として認識するかもしれません。
    そういう人がいるということはわかっても、実際に目の前にいたとしたら?初めてのことだらけで、戸惑ってしまうので、事前に勉強を通じて「理解」をする姿勢が大切かなと思いました。

    それでも、世の中そう上手くはいきません。結局、他の人と「普通」に生きなければいけないと思うと、どうしたらいいのか考えなければいけないなと思いました。

    話の内容に着目すると、二人の心理描写が読み応えがありました。今まで無色だった世界が、凪良達によって色が広がり心が豊かになっていく描写は、青春を感じさせました。
    凪良の方は、普通でいることの心の葛藤とつばさと会うときの喜びが、瑞々しく描かれていて、総括して青春だなと思いました。

    小学6年生から中学生までを描いているのですが、それにしても二人が大人っぽく視えて、中学生・高校生でも通じるくらいでした。今の小学生って、こうなの!?と思うくらい驚きでした。

    この先も。幾多の困難に遭うかと思います。でも、一人ではなく、理解してくれる人が一人でもいれば、心は強くなれると思います。世界は広いです。
    凪良の場合は、理解してくれる身内の人達がいて、良かったねと思いました。

  • 「」シリーズ3作目
    『世界は「」で満ちている』に出てきたつばさが主人公
    その時のつばさは中2だったけれど、小学校時代、そして中1にこんなことがあったんだなぁと思うと『「」で満ちている』のつばさともう一度会いたくなる
    「みんな違ってみんないい」って言うのは簡単だけど、実際に行うのは難しい

  • 自由で、個性的。よく聞く言葉で、特に最近世の中で大事とされていることな気がする。
    つばさが感じる自由であることのしんどさ、わかるなあ。好きなのでいいよって言葉が相手にとって親切じゃないこともある。好きがわからない、っていうのも少しわかる。嫌なものとか苦手なものはあるけど、これ!って好きだと言えるもの、あるかなぁ。これが好き!ってハッキリ言える人ってキラキラしてみえるよね。羨ましいなぁとも思う。
    たとえウソが隠れていても、それでいい。それでも楽しく生きていく。素敵な終わり方。
    「世界は「」で沈んでいく」とリンク?してるのも嬉しかった。

  • 私の周りの人達も噂を結構気にする人が多いため、私も周囲からの評価を気にしすぎて自分をしっかり出せないことが多いので、自分の好きなこと、ものを表に出すのも大事なことだと気付かされるような本でした。

  • 面白かった!友達に借りて読みました~★このシリーズの中で1番好きかも!!最高でした!

  • 「世界は「モノ」が多すぎる」
    周りが"らしい"と言う物。
    普段から身につけることが無かったからといって、勝手な想像で気持ちを押し付けるのは違うだろう。
    好きなことをしているだけなのに、周りの目を気にしなければいけないのは窮屈過ぎるだろうな。

    「世界は「スキ」で彩られる」
    探しても見つからないが。
    迷う要素があるのであれば真剣になるのも分かるが、気になってもいないのに見るのは時間の無駄だろ。
    一度その感情に気付く事が出来たら、同じような気持ちになれるものを見つける旅の始まりだな。

    「世界は「キミ」を見てくれない」
    悪い噂話があるからこそ。
    友達だからこそ心配するのだとしても、話も聞かずに無理に変わったと決めつけるのはどうなのだろう。
    幻影を見ていた訳ではなくとも、特別な人なんだと理想を描きすぎていたのは否めないだろうな。

    「世界は「ウソ」を隠している」
    周りの目は変えられない。
    ただ好きなことをしているだけなのに、それを好奇の目に晒されたら耐え抜くのは凄く大変なことだろ。
    平行線にしか進まない会話の終着点は、全てを諦めるか意見を変える以外ないのかもしれないな。

    「世界は「アイ」で重ねていく」
    新たな噂はいつまでも。
    全てを受け入れてくれるからこそ、本来の自分を見せる事ができるし気楽に過ごすことが出来るのだろ。
    今更という気持ちになりそうだが、その言葉を素直に口に出来るまでに必要な時間だったのだろ。

  • 児童書なので読みやすかった。
    ジェンダーレスになってきて、ランドセルの色が選べる。制服のスカート、パンツが選べるようになってきた。
    選べるようになったばかりだと、自分だけ違うのはちょっと…。って誰しも思うけど、それが当たり前になると、自然と好きなものが選べるようになる。今では、女の子で赤いランドセルの子はほとんど見なくなった。
    絶対変わっていく。堂々とできなくても、今は自分の好きなもの選べなくて我慢していても、好きなもの選べるようになる。って、悩んでる学生さんにエールを送りたいなと思った。

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著者プロフィール

2015年、スターツ出版文庫創刊を飾った『君が落とした青空』が22年に実写映画化。また17年からロングヒットの「交換ウソ日記」シリーズは累計40万部を突破し、10代女子を中心に人気を博している。他著に『わたしは告白ができない。』『世界は「」で沈んでいく』『世界は「」で満ちている』など人気作多数。

「2023年 『小戸森さんちはこの坂道の上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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