- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569902418
作品紹介・あらすじ
簡単に人と付き合うけれど「好きなひとができた」とすぐに別
れる男。彼に翻弄される人々の悲劇を描く傑作サスペンス。
感想・レビュー・書評
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いつも「ほかに好きな人ができた」と言って恋人をフッてしまう神崎登吾。
何が彼をそうさせるのか気になって、つい手に取った作品です。
帯に釣られたと言うか……(笑)
天性の美貌でまあモテるモテる!
軽くつきあってるのかと思いきや、そういう訳でもなく、彼の過去を知っていく度に、「顔が良すぎるってのも生きづらいものだな」と哀れに思ったりして……(とは言え、得もいっぱいあるんだろうけど)
彼を好ましく思う女性たちも、「好きだから何をしても許される」と怖い感情をぶつけてくるし。
結局、相手のことより自分のことを優先してるから、そういう論理になってしまうんですよねぇ。
気をつけなきゃな……と考えさせられました(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
別れからスタートし、神崎登吾という男の人生を坦々と遡っていくお話。登場人物それぞれの捻くれた心情がわかりやすく描かれているとこと、場面がコロコロ変わるので、飽きずに読めるとこがよかったけど、ややオチが物足りなかったかな。
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最初1/3くらいは、「あ、ちょっと失敗だった??」って思うけど読み進めたらちゃんとおもしろくなった。
「好き」ってなんだろ??
他人が変わることを望むな。自分が変えられるのは自分だけ。
を、なるべく意識して生きるようにしてる私には、「恋人だから」とかいう理由で、相手を「変える」なんなら「変えてあげる」という思想が、どうにも……受け入れられないというか、気にくわないというか。
なので、神崎を「好き」になった人々が、自分の尺度で彼を「より良い(と、本人は信じている)」方向に変えようと働きかける様が、腹立たしい。どっちかというと、神埼に共感してしまった。
まぁ、でも結婚も考えてるような彼氏がフリーターとかだったら、定職についてよ……とは思うけど。
でもその点も「定職についてほしいとは思っている」って自分の希望は伝えるけど、その後どうするかは相手次第だしなぁ。相手が変わることを期待するよりは、自分が変わることのほうが現実的 建設的だとおもうなぁ。
「好き」っていう感情の「醜さ」を見せられた気分…
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神崎登吾という人物は
とても危うく、妖しい魅力があります。
そんな彼に人生を狂わされていく。
神崎登吾は決まって最後には
「ほかに好きな人ができた」と言って、
付き合っていた女性に別れを告げる。
その「好き」はどこかおかしい。
そしてその彼を追いかける仁村萠の
「好き」もどこかおかしい…。
好きという感情は暴走してしまうと
恐ろしいことになりますね。
愛と憎しみは紙一重。
口裂け女やのっぺらぼう、かまいたちなど
妖怪の名がついた章のタイトルですが、
ホラーではありません。
ある意味ホラーかもしれませんが…。
人間のほうがよっぽど怖いです。
最後まで読み終わったとき、
実態が分かってゾッとしました。
神崎登吾くん、幸せになってほしい。
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個人的には結構好きだったな
当たり前のことだけど改めて
好きだからや良かれと思ってって言葉は
相手の受け取り方ひとつで
有り難くも嫌悪感にも変わるもんなんだな〜と。
神崎くんには心から救われてほしいと思ったな
大介とか川藤ウザすぎて無理だった(笑) -
図書館の本⑤
「好き」の種類は多いし、どんどん相手を支配したくなるのは自然の原理。でも支配されたくないのは共感できる。好きが深くなるほど、終わりは儚いし、その瞬間に虚無感に陥ることを知っているから怖くなる。しかし一定の距離を置いていると「好き」ってなんなのかわからなくなる、「好き」という感情について改めて考えさせられる本。
ホラー要素あり。感情の在り方について思考したくなるので、スラスラ読めます。 -
「ほかに好きなひとができた」
そう言って離れていく、彼には幼少期からのトラウマがあった。
彼の「好き」がいつか叶って、彼の望む「好きなひと」と幸せになれますように。