- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575233377
感想・レビュー・書評
-
三部作の2作目にあたる、現代版仕置人ではあるが、事件の解決方法は地味だ、「歌舞伎町セブン」のように切った張ったはない、まあ実際の捜査とはこんなものだろうけど。今回フィーチャーされたのは虚無僧の武藤で、武藤自身が関わってしまった誘拐事件と別件で起こっている誘拐事件が交錯する。物語は終始貫井徳郎独特のタッチで描かれており、なんとなくモヤモヤとした読後感が残るが、面白くないわけではないのでついつい引き込まれてしまう。次作で完結になると思うが、順番としては倉持の話になるのかな、そして環の終焉もあるのか?
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
症候群シリーズ2作目。
前作は、環と共に仕事をする三人の男達の内、私立探偵をしている原田の裡に触れていましたが、
今回は托鉢をしている武藤の個性を描き出しています。
少額の身代金を要求する小口誘拐が連続発生。
子供が無事に戻ること、身代金が少ないことからなかなか警察へ通報されず表沙汰になりにくかったが、環達が事件を追うことに。
一方武藤は、偶然知り合った男の子供が被害者となる誘拐の身代金運搬役として指名される。
同じ誘拐ながらも手口が異なる二つの事件。それぞれが徐々に犯人を追い詰めていくー。
前作もそうでしたが、環達が追う事件の犯人についてはあまり詳細がはっきりと描かれません。
よく練られた事件なので、もう少し動機等についても詳しく書いてほしいのですが、そういうことに主眼を置いていないのかも。
特に武藤が関わった誘拐事件は、とても巧妙な手口だったのに犯人に知性が備わっているようには思えず拍子抜けしました。
面白いんだけど、何か一つ足りないのが残念です。
3作目も読む予定ですが。
2017年3冊目。 -
警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チーム。そのメンバーのある者は私立探偵であり、托鉢僧であり、また肉体労働者である。今回の彼らの任務は、警察組織が解明し得なかった、自称・ジーニアスが企てた巧妙な誘拐事件。再び現代の必殺仕置人が鮮やかに悪を葬る。
-
読後に解説で知ったのですが、貫井氏「必殺」ファンなんですね。まあ普通に面白かったのですが、現代の日本でのこの設定は無理があるし、感情移入できないです。私はこういう小説を貫井氏に期待してないので評価3で。
-
「失踪症候群」「誘拐症候群」「殺人症候群」三部作の第2作目。二種類の異なる誘拐が起こる中、それを追っていく警察の特命を帯びたメンバーたちの物語である。私は1作目の次に3作目を読み、最後にこの2作目を読んだのだが、順番を変えても面白さは変わらないと感じた。
しかし1作目から順番に犯罪の重さ、複雑に伏線をはったストーリーの面白さは順に増していく。また犯罪捜査を行うメンバーたちの個人的なストーリーも絡められ、単なるエンターテイメントミステリーではなく人間模様も伴う重厚なミステリーとなっている。20年以上前に書かれた作品でありながらそのような古さを感じさせず、表沙汰にならないような事件を超法規的手段で解決へと導くストーリーは読者を爽快にさせてくれる。 -
2017_04_01-029
-
このところ、貫井作品を読んでいるが、これは、1998年の作品。
ダブル誘拐の話し。解説にあったが、貫井氏は、(必殺)の大フアンとか。
それを、現代版にしたようなものとの事、確かに(環さん)の捜査手法は、悪を処罰するには、このような事もありと、私は思う。
この前作の(失踪症候群)を見つけて読む。 -
ラストはどう解決するのかとおもったけど、どんでん返しは無かったなぁ
-
後半に向かう展開に偶然の多さを感じてしまいました。
著者の作品には引き込まれるものがあるのですが、今作は少し見劣りしてしまいました。
他の方のレビューを読んで、シリーズ物だと知ったので、関連作品も読んでみようとは思います。 -
「一の悲劇」でも思ったけど、誘拐ものってのは意外とワンパターンなのだな……。
面白かったけど、携帯がない時代の話だからか、ちょっと古く感じてしまったのが残念です。