家族の言い訳

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 161
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235456

作品紹介・あらすじ

夫が蒸発した妻、妻に別れを切り出された夫、母に捨てられた息子、死期が迫る母…家族に悩み、家族に喜ぶ。数々のヒット曲であなたを熱くさせた名作詞家がつむぐ、ハートに響く初短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 8話からなる短編集で、親子夫婦いろんな人生模様、景色があって、浸ってしまいました。
    中でも「乾いた声でも」は、家庭、夫婦間での味方になる思いやり、優しさの大切さにハッとさせられました。
    「ホタルの熱」「星空への寄り道」「おばあちゃんの口紅」「イブのクレヨン」「粉雪のキャッチポール」は、親子の切なさに、涙腺緩みました。
    「カレーの匂い」の中での『賢い女は負けてあげる余裕』が印象的でした。
    「柿の代わり」はちょっとコミカルで、それぞれに楽しめました。

  • 家族をテーマに書かれた短編集。
    ホタルの熱/乾いた声でも/星空への寄り道/カレーの匂い/柿の代わり/おかあちゃんの口紅/イブのクレヨン/粉雪のキャッチボール/の8編。放送作家を経てヒット曲を多数残された作詞家さんでもある著者。僅か数十ページのストーリーにも、その場の言い訳で家族と向き合ってこず、後に気づかされる家族の大切さがつまっていた。
    すごく読みやすかったのですが、1話1話がもう少し深ければ良かったかな。
    その中でも、おかあちゃんの口紅は入試問題にも掲載されたとか?涙されながら受験生は解かれたのかなと思う位、涙誘われた。

  • 「言い訳をいちばん必要とするのは家族です。」と、冒頭に記されている。...そのように思う。

     8編からなる話はどれもフィクションであろうが、どれもが身近で、そのうちのいくつかは自分の思いでもあり、経験であり、同調できる内容でした。家族や恋人や友人は大切であればあるほど、近くに感じる存在である故に、当たり前になり過ぎ、見えなくなってしまう事がある。「今」がある事、それ自体がどんなに幸せな事なのかに気付かせてくれる物語でした。

     「よく夫婦を戦友に例える人がいるでしょう。....妻は一緒に戦ってくれなくてもいいんです。....せめて味方でいてほしいんですよ。....絶対的な味方です」(乾いた声でも) 今の私の琴線に触れ、グッグッときました。

  • 「おかあちゃんの口紅」、これはたまらない。まるきり自分が親に思う感情そのまま。

  • 一部センシティブな内容が出てくるけど
    あくまでもフィクション、目くじら立てなさんなよ。

    ある女子高の教諭のお話だけは
    響かなかったかな。
    され側のお話だったし、なあなあで終わるからね。

    ただしほかの作品はかなり来るわよ。
    夫婦の対話がなかった結果
    そのまんま夫だけが去っていた物語とか。

    確かに夫も悪いけれども
    そこで面と向かわなければ何もね。
    そして知人男性の言葉が…

    性差というのは考えたくないけど
    こういうところに違いがあるんだよな…

  • 本当に賢い女は負けてあげられる余裕を持ってるの。それはね、小さくてもしあわせに繋がる急所の摑み方を心得てるってことなのよ

    人生にはふたつの寄り道があると思います、私の場合のような、余生という寄り道と、休息という寄り道です・・・・・・何も分からない私のような者が申し上げるのも大変失礼かと存じますが、お客様のお仕事のこと、休息という寄り道に入られたと思えば、多少、心持ちも穏やかになられるのではないかと・・・・・・

  • それぞれ家族や自分にも過去があって今があって 思うように行かなかったり。
    あとがきにもあるように「家族の絆は深く重くて、やっかいで面倒なものである」と、家族がテーマ。

    ふとひとの優しさに触れ、荒んでいた心がふっと柔らかくなるようなお話はあと味がよくもっと読んでみたくなった。

  • 過去に思い残した後悔を解きほぐしていく、家族の絆がテーマの短編集。それぞれの登場人物が流す涙につられるように、読んでいる側までうるっとさせられる、ストレートに良い話は私の大好きなジャンルでもあります。中には不倫を扱ったドロッとしたものもありますが、感動でフニャフニャになりそうな気分をピリッとさせれくれました。「星空への寄り道」「おかあちゃんの口紅」「イブのクレヨン」がお気に入り。

  • さらっと読めちゃう印象。

  • 小説短編集。
    一つ一つの文章が綺麗な印象を受ける。
    あまり小説を読まない僕だけど、いつもと違った読みが新鮮だった。
    情景を想像したり、叙情詩な一部が聞こえてきたり。
    小説もいいね。
    少し温かく、少し秋風が涼しくもあり、涙腺が緩んでしまった。
    またこの作者の本読んでみよ。
    いい出会いに感謝です。

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著者プロフィール

作詞家、小説家。放送作家を経て1983年より作詞家を始める。作家・脚本家としても活動。

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