- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575237795
感想・レビュー・書評
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自分の手で言葉を綴るのは、なんとなく特別なこと。
だれにも邪魔されず、嘘も誠も思うがままの空間。
だれかのそんな世界を覗いてみたら?
最後のからくりにどきっとする。
”夫婦”が怖かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4つの短編、どれもがなるほどなあ、そうきたかと思わずにやりとしてしまう展開。もう読めないと思うととても残念だ。
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永井するみさんの、遺作となってしまった短編集。イヤミスが流行してる今、永井するみさんが更に活躍出来ただろうに、本当に残念でたまらない。連載途中で亡くなられてしまったけど、少しづつリンクさせてるので、やっぱり最後に合体させようと考えてらしたんだろうな。読めないのが本当に残念。
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父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」、母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」、姉妹で同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」、熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繋がりがあった……。急逝した著者の絶筆となった最後の作品。著者は一体、どんな秘密を作品の中に隠したのか……。その謎を解くのはあなたです。
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日記がキーになる連作短編集である。だがそれだけではなく、それぞれの物語の登場人物たちに緩く微かなつながりがあるので、物語同士がより親しみのあるものになっている。これが絶筆になったなんて、信じたくないが、物語は途中で終わり、著者の意図を想像してみようとするが、到底叶わない。ある点を境に、がらりと世界が変わる瞬間はぞくぞくするような快感であり、著者の巧さが際立つ場面でもある。この先を読むことが絶対にできないとは、残念でならない。味わい尽くしたい一冊である。