- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575238044
作品紹介・あらすじ
周三は大手都市銀行で不良債権処理に追われる日々を送った。20年勤務した後に早期自主退職した周三は、長らく封印してきた登山を再開するつもりだった。だが母子家庭支援のNPOバンク設立に関わってほしいと依頼される。周三も父親の顔を知らずに育った身だが、母親とは憎しみの果てに義絶していた。その母親が、いま死に瀕しているという…。元銀行マンが選んだ、新たな道。山に向かって姿勢を正す-。愛する山に恥じぬよう、一度きりの人生を歩んでゆく。共感と静かな感動を呼ぶ傑作長編。
感想・レビュー・書評
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H30/6/30
「山に向かって姿勢を正す」ということは、あっても良いのかもしれないな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
誰にも共感できなかった…。
結局、恵まれた人のお話ですね。 -
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周三は大手都市銀行で不良債権処理に追われる日々を送った。20年勤務した後に早期自主退職した周三は、長らく封印してきた登山を再開するつもりだった。だが母子家庭支援のNPOバンク設立に関わってほしいと依頼される。周三も父親の顔を知らずに育った身だが、母親とは憎しみの果てに義絶していた。その母親が、いま死に瀕しているという…。元銀行マンが選んだ、新たな道。山に向かって姿勢を正す―。愛する山に恥じぬよう、一度きりの人生を歩んでゆく。共感と静かな感動を呼ぶ傑作長編。
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読みはじめは、池井戸作品のような銀行物語かと思ったが、さにあらず。主人公の周三は、成り行きで銀行マンになったが、銀行業務が最後まで好きになれず、早期退職して趣味の山登りを再開する心づもりだった。だが、事は思惑通りには運ばず、恩義のある人に頼まれたNPOにかかわることになるのだった。関係も愛も薄い実の母に対する思いや、家族への思い、山仲間への思いなどが、人生の折々に周三の行動に影響を与えていて、他人あっての自分なのだと思わされる。ただ、焦点を合わせる要素がいくつもあるので、幾分散漫な印象を受けてしまうのが惜しい一冊でもある。 -
彼の生い立ちは複雑かもしれない。
でも、皆に愛され、仕事も大変ながらも順調。
“山あり”って言うほどの山はあったのかがあまり伝わらなかった。
ただ、家族、友達、彼を取り巻く人との絆が気持ちよい。 -
相変わらずの佐川さんらしさ満載のお話。でもラストはちょっと雑かなぁ
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「ガープの世界」と宮本輝をコンパクトにまとめたかんじ。
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人生はいろんな偶然の積み重ねだけど、それをどう受けとめて生かしていくのかは、その人次第なんだと思う。
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思いもかけぬ難題が降りかかって人生の軌道修正を余儀なくされる主人公の奮闘とその私生活の秘密が次第にベールを脱ぐという展開。
「小説推理」連載されたものに修正を加えての単行本化。新たに担う仕事に深く関係する生みの母親との確執も織り込んで、日本におけるシングル・マザーの貧困問題を取り上げるなど、著者らしい社会派としての一面も垣間見える作品。
しかしながら、山登りにふさわしい故郷松本への単身帰還をもくろんでいた主人公が、新しい生き方を決意する動機がいまひとつ。小説的必然ではあるけれど、何重にも交差する人間関係と時間軸、そしてそれらの偶然的つながりといい、ちょっと仕組まれ過ぎていて納得しがたいところも、、、