- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575238440
感想・レビュー・書評
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「凍花」に続いて2作目の作家さん。倉庫の日雇いバイトで生計を立てるカップル蒼太と桃里。二人の気持ちが少しずつずれていき・・・蒼太の心の闇がじわじわと染み出るように描かれていて真綿で首を絞められるような気持ち悪さ。毒母に育てられた悲劇というより、この人はもともとマザコンのサイコパスなんじゃないかと感じてしまった。母親も普通ではないだろうけど、すべてを両親のせいにして、責任逃れの言い訳のようで同情できる要素はないと思った。最後まで何も救われない、終始、陰鬱な雰囲気が漂う本でした。
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怖い話だった。おもしろかった。あの人がああだとは全く気づかなかった…
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昔読んだ「凍花」の作家さんの本を図書館で見つけたのでチョイス。
虐待、無差別通り魔殺人、目標を持たない登場人物たち…。
なかなかに救いどころのないストーリーの本。
虐待の描写にゾッとしながらも、日本のあちこちで起こっている出来事であり、時折明るみになっている現実を思い出す。
通り魔殺人だってそう。
毎日とは言わないけれど、ちょいちょいリアルに起きている。
人は桃里みたいに何気なく殺人者とコミュニケーションをとってるものなのかもしれないな。
小説の中でくらい前向きなラストが用意されていて欲しかった… -
日払い派遣アルバイトの蒼太。ある日、同棲している彼女・桃里(ももり)に、無差別殺傷事件の犯人と似ているといわれ戸惑う。
蒼太と桃里、2人の視点から日々の生活が淡々と語られ、心理描写、回想シーンが続く。
普通の小説なのか、ミステリーなのか、とても面白かった。
(図書館)