ゆえに、警官は見護る

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241280

作品紹介・あらすじ

明け方の港区芝浦のマンション前で焼死体が発見された。重ねられた自動車タイヤの中に立たせた人体を燃やすという残忍な手口は世間の耳目を集める。さらには、西新宿、幡ヶ谷のビル前で同様の手口の事件が発生。新宿署の留置管理課に異動となった武本と、警視庁刑事総務課刑事企画第一係の潮崎警視は、それぞれの立場から犯人を追う。人気シリーズ第四弾!

感想・レビュー・書評

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  • 自由人のエリートお坊ちゃま〈警視庁の治外法権〉潮崎警視。
    空気を読まない〈屁理屈大王〉宇佐見。
    お目付け役の星里花巡査。
    なぜか潮崎に好かれる、無口な武本。

    個性的なキャラクターが、警察組織の枠にとらわれず、自由に活動する姿が、痛快。

    留置担当官という、本来捜査に直接かかわれない立場ならではの、武本の特殊な視点もおもしろかった。

    潮崎警視の過保護な家族との攻防や、潮崎らに振りまわされる星里花巡査とのやりとりも、楽しい。

    被害者が冷凍されたり、冷蔵されたり。
    事件そのものも謎があり、最後まで興味を引く物語。

    シリーズ第4弾。

  • シリーズ第4弾。
    第4弾と言っても、前作から随分経っており、遅筆な作家さんと分かっていつつも、「やっと続編が…」となってしまうぐらい、前作の内容が思い出せない。
    多分前作の絡みで、新宿署の留置管理課に異動になった武本。12月上旬に新宿で暴行事件を起こした、ある一人の留置人が気になっていた。
    それと同時に、芝浦、新宿でタイヤの中に入れられた焼死体が相次いで発見される。
    捜査本部が新宿署に設置され、捜査本部にお荷物ながら、配属になった塩崎と武本は再会する。
    寡黙な武本と、無駄に行動的な塩崎の名コンビ再び!
    と思いきや、今回、武本はあくまでの留置管理官なので、登場シーンは少なめ。しかし、塩崎のお目付け役として、今作から登場する、元レスリング選手の星里香と、財務捜査官の宇佐美のキャラがまた濃い!
    事件の真相にあるものは、震災の被害と言う重たいものだが、新しく加わった2人も含めて、登場人物のキャラが楽しく、捜査の過程も軽く読んでしまいがち。
    しかし、ラストの重要な場面で武本が登場し、物語の本筋もきちんとまとまる。タイトルの意味も納得。
    やっぱり、このシリーズ、面白いんだけどなぁ。
    もう少し早く、出版してくれないかなぁ。

  • 好きなシリーズ4作目。
    今回は、前作の結果の異動により武本が留置担当になっており、捜査にあたる潮崎とチームになるのは、女性捜査員の正木と屁理屈財務捜査官の宇佐見。
    武本があまり登場しないのは残念だったが、宇佐見もなかなか面白い人物で気に入りました。
    見護るというタイトルは「みまもる」かと思ったら「みつめる」だったのが意外。でも読み終えたときに、武本の警官としての芯を表していて良いと思いました。

  • 寡作な方と言う印象の作家さんのシリーズもの4作目
    インパクトのある主人公二人なので「あーあの刑事ものの」という
    おしゃべりなおぼっちゃま刑事と寡黙な刑事のコンビが難事件を解決する訳だけれど爽快感よりも鬱々とした人々の背景に目が行く
    東日本大震災で損した人、得した人
    突然の自然災害で心が生活が歪んで行ってしまった人たちの悲劇
    見護るというタイトルにはいろいろ含まれているのかなと思う

  • お気に入りのシリーズ。今回は奇人の宇佐見と普通の正木が加わったことでより多角的な視点で読めて楽しめた。ミステリーとしても濃度が濃かったように思う。武本の事情聴取には震えた。それにしてももうちょっと短いスパンで続編を出して欲しい。キャラを忘れてしまう。

  • 話し出すと止まらないお坊ちゃま警視潮崎と、無口で武骨な巡査部長武本というユニークな二人が繰り広げる痛快警察小説、シリーズ第4弾。
    前作までダディだった武本は、留置管理官。捜査活動ができない武本に代わって、潮崎とチームを組むのが、財務捜査官宇佐見。さらに、警視庁の変人奇人と並び称される彼らを監視する役目を命じられた正木星里花。
    この三人が、難解な連続殺人事件の解明に挑む。
    おして、そんな彼らの捜査活動を支え、武本はアームチェアディテクティブ的な役割を果たす。
    まだまだ、続編が期待される。

  • 宇佐美のキャラが一番いい。

  • シリーズ四作目。留置場勤務となった武本の気にかかる留置人。一方で起こった事件の捜査に駆り出された潮崎。またしてもこのコンビの活躍が! というところだけれど。今回は武本の活躍が少なめ? でも彼の着眼点というか観察眼は実に見事です。職務に対する姿勢が立派過ぎて、これは警察官は見習うべきことですよねえ。
    一方で潮崎のお目付け役として行動を共にする体育会系の女性警官と屁理屈大王の財務捜査官。このキャラたちがまた最高です。ううむ、武本といい宇佐見といいたしかにこのぶれなさは素晴らしいのだけれど。付き合い方を理解するまではかなり大変そう。しかし潮崎の暴走を止めるのもまた大変。ある意味彼もぶれてませんね。いくら事件が解決すればいいとはいえ、上層部も苦労するよなあ(苦笑)。
    ラストの取り調べにもじんと来ました。事件だけではなくあくまでも人間を見続ける武本の温かさが胸に迫る印象です。事件の根っこにあるものは実に悲しいのだけれど、それでも温かいものがしっかりと残る読後感でした。
    武本は嫌がってるけど(笑)。このコンビの活躍はまた読みたいです。

  • 今回の武本さんは留置管理課。前作での捜査でとばされた?しかし、そこは武本さん愚直なまでの真面目さで事件解決に貢献するあたりがいいですね。潮崎さんのお目付け役の二人がだんだんと潮崎さん寄りになっていくのが面白い(^^)事件の内容は武本さんの言う通り「やりきれない」重いものだが潮崎、宇佐見、星里花の三人が良い味で読んでいて救われた。ところで、前作のお見合いはもうオジャンなのかなぁ?次作に期待!

  • 62随分待ちました。前作思い出すのに時間かかったわ!シックでプロットもちゃんとしてて、優しい水みたいな作品より、消防と警察に絞って量産してください。

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