テロリストの家

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575243116

作品紹介・あらすじ

公安部のエリート刑事・幣原は、イスラム国関連の極秘捜査から突然外された。間もなく、息子の秀樹がテロリストに志願したとして逮捕された。妻や娘からは息子を売ったと疑われ、組織や世間には身内から犯罪者を出したと非難される。公安刑事は家庭と仕事の危機を乗りきれるのか!? 衝撃の社会派長編ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 国際テロを担当する警視庁公安部のエリート刑事・幣原勇一郎は、公安畑一筋で、対象者の尾行、盗聴、盗撮に明け暮れていた。
    ところがある日突然、イスラム国関連の極秘捜査から外された。
    間もなく、長男秀樹が、テロリストに志願したとして、私戦予備及び陰謀罪容疑で逮捕された。

    態度を豹変する同僚。
    トゲトゲ、ギスギスする家族。
    群がるマスコミ。

    父親として、家族を守るか、公安刑事としての矜持を守るか。

    窮地に陥った、幣原が選択したのは?

  • 息子テロリスト、おとーさん公安刑事エリートのお話。
    ムスコ逮捕されてさあ大変、家族ぐちゃぐちゃ、同僚からも白い目、マスコミ大騒ぎ。
    真実はちと意外、面白かったです。

  • 公安の捜査から突然外された、エリート刑事の幣原。
    さらに、イスラム国の兵士に応募した容疑で、息子が逮捕されて……。

    よりによって公安の家族が思想犯と疑われるのは、大問題。

    タイトルから、テロリストを出した家として受けるバッシングがメインかと思ったら、違った。

    公安の刑事として、家庭の父親として、揺れ動く主人公と家族の物語。

    事件がおこる前から、軋みを感じる家族で、最後ももっともだと感じる。

  •  公安部の刑事の息子がテロリスト志願者という、衝撃的なシュチェーションで展開されるお話。ミステリー要素もあり、先が気になりほぼ一気に読みました。ラストで明かされる兄妹の兄弟愛に熱いものを感じずにいられませんでした。

  • いつものことながら、事前情報なく、勝手にテロリストの家族の話かと思いきや、真面目な公安もの。なかなか重厚な内容で、いつもならば他のシリーズものに出てくる登場人物も出て来ない。
    主人公は自他共に認める公安のエリート刑事の幣原。
    仕事も出来、家庭でも完璧な父親だと思っていたが、ある日突然通常業務から外され、定時で家に帰れば、子供達にウザがられる。
    数日後、息子がイスラム国のテロ組織に応募したことから、テロリストの疑いをかけられ、同僚に逮捕されてしまう。
    容疑不十分で釈放されるも、単なる囮の息子には公安の監視が。そして、官舎の前にはマスコミが毎日毎日押しかける。
    何とか息子の無実を信じようとするが、どんどん幣原の知らない家族の心情が明らかになってくる。
    そして、監査の目を掻い潜り、家を抜け出した息子は何者かに殺害されてしまう。
    300ページ近くになっても、どんな展開になるのか、全然分からない。
    息子がイスラム国のテロ組織に応募した理由もいまいち分からず、無駄に癖の強い妹の存在も何だかなぁ、と言う感じ。
    どんでん返しもそこまででもなく、幣原の自己愛が強過ぎて、最後までのめり込むことなく、終わった感じ。

  • 毎月出版はまだ続いているらしい、今回はスターたちは使わず新たに公安警察を扱ったものだ、最近公安の外事を強化したところだから実にタイムリーとも言える、最近委託殺人事件もあり作者はちょっと神がかってるかも。しかしイスラム相手の派手な立ち回りでもあるのかと予想したら、なんと家族の問題だった、それも兄妹愛が絡んでおり真相は予想もできないものになった、この辺は流石だ。でも作中でイスラムに加担する者をただ子供っぽいだけだなんて言って大丈夫だろうか、これからイスラムの攻撃対象にならないとも限らない、無事を祈りたい。

  • タイトルのパンチ力もさることながら、とにかく面白かった。最後まで気が抜けないし、最後まで真相が分からない。イスラム国の兵士に志願したとして逮捕された息子。その日から周囲を取り巻く環境が一変する。警察庁舎に住む家族にとって、テロリストの家として世間から白い目でみられることになるが、なぜ息子は兵士に志願したのか。もうページをめくる手が止まらなくなり一気読みした。直接関係の無い第三者から向けられる非難とマスコミの執拗なまでの追及、正義感ぶった的外れな質問など現実にもあるのだろうと思う描写もあり、複雑な気持ちになった。

  • テロリストの関係者を追っていたらまさか自分の家族にテロリストがいて家族一家を狂わせる物語。
    難しい話しかなと思ったけど読み進めていくうちに内容に入り込んでいけておもしろかった! 

  • 途中から、ちょっと中弛みかなぁと思ったけど、最後にそうかーというエンディング。面白かった。

  • 公安刑事がテロリストの家族になってしまう警察小説。

    一 見知らぬ同僚
    二 見知らぬ妻
    三 見知らぬ息子
    四 見知らぬ娘
    五 見知らぬ明日

    警視庁外事三課の公安刑事である幣原の息子・秀樹が、イスラム国の志願兵に応募したとして逮捕される。

    釈放されてもしつこい公安に、自分が息子の監視を申し出た幣原だったが、秀樹は何者かに殺されてしまう。

    捜査一課と公安を手玉に取る命がけの作戦に出で、秀樹の無念を晴らそうとする幣原。しかし公安刑事としての意地も見せる。

    密室的公安の中で生きる一人の男の奮闘。


    作者初めての公安モノではないかと思います。

    秀樹の思惑は、もう少しひねりが欲しかったかな。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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