ダブル・ダブルスター

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 104
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575244397

作品紹介・あらすじ

真知子は、息子・怜の中学受験失敗を理由に、夫と義母から母親失格の烙印を押されたあげく息子から引き離され、ひとりつましい生活を送っている。一方の怜は、義母が信仰する新興宗教に巻き込まれつつあった。そんな折、母子は長野の国立天文台へと束の間の旅に出る――。子を想う母の情愛と信念を描いた長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 息子の中学受験という時期に病気で倒れた真知子。
    その日以降、突然息子と引き離されて別居生活に…。

    理不尽な夫と義母の仕打ちに呆れ果てると同時にまだこんな親がいるんだなと思った。
    すべてが自分中心で、思いやりのかけらもない夫に自分のいうことがすべて正しいと信じて差別的ことばを躊躇なく発する義母。

    誰が心から息子のことを想っているのか…
    それでも息子だってバカじゃない、よく義母のことも見ている。
    そしてほんとうに一緒にいたいのが誰かってことを息子は、わかっている。

    母と子の再出発を応援したくなる。

  • 等身大で、嘘やてらいのない小説でした。
    ロマンスやドラマチックな見せ場はないけれど。でも、だからこそ、自分のことのように勇気づけられました。

  • 読むのがしんどくなるところもあったけど、面白かった。穂高作品はストーリーの良さはもちろん、文章の相性が良いようでちょっとしんどいところがあっても読み進められる。やはり注目し続けたい作家さんの一人です。
    天文や鉄道の話も興味深く読めました。
    天文のほうは知ってたけど、鉄道にも詳しいんですね。

  • 冒頭から、率直に言って「クソだな」という展開を見せる。

    自身にはなんの非もない病気になり、倒れて入院している間に夫は勝手に子供を連れて実家に帰ってしまって会うこともできない、って、義母も義実家も夫も、「クソだな」。
    真知子、なんでそんなろくでもない男と結婚しちゃったんだよ、と読んでいて嘆きたくなる。

    信じがたい酷い状況の中で、息子を案じ、なんとか生きていこうとする真知子の日々と思いが静かに語られた一冊。

  • 有りえない。
    メルヘンな装丁からイメージしていた物語とは真逆で、自己中な夫と姑にハラワタ煮えくりまくり。

    子宮筋腫と卵巣嚢腫を併発した妻の真知子に対し無神経極まりない言葉をぶつける夫。
    妻を労わる事もなく自分の食事を心配。
    あげく、三週間入院して戻った自宅はもぬけの殻。
    夫は妻に見切りを付け一人息子を連れて自分の母親の元へ。

    この姑もまた曲者。
    怪しい宗教にハマり息子と孫を支配する。

    一人頑張る真知子を応援しながら、夫とこの姑に天罰が下る事を祈りながら読み進めた。

    妻を家政婦&介護要員だとしか思わない人達に心底嫌気が差す。

  • 義母と夫にひたすらイライラさせられた。
    物語とは言え、こんな旦那離婚だー
    o(`ω´ )o
    息子の怜がいい子だったのが救い。
    価値観、考え方、まったく同じとはいえずとも、根本的に違うのは一緒に生活出来ないなと思った。

  • 真知子と怜、ふたりの門出をお祝いしたいです。
    二人には、自分のために、自分の幸せのために生きてほしい。

  • 義母、夫からのひどい扱い。よく我慢してこれたもんだ。
    これ、結婚する前にちょっとでも違和感を感じたら引き返したほうがいいよね。
    息子が自分の気持ちを汲んでくれるので、頑張れるんだろうけど。

  • 読むのが結構しんどかった。

    嫌な奴が出てくるが、最後まで嫌な奴。


    真知子は強いけれど、一人で強くいられている訳ではなくて、職場の人や、友達や、理解のある身内、様々な人との関わりの中で、強くいられているのだと思う。
    やっぱり人との関わりって大事。

    そして、話の通じない人とは距離を置くのも大事。

    いちおうハッピーエンド?のような終わり方だけど、怜君はこれからも色々と悩む事もあるだろう。
    色々な人と関わって、成長していって欲しいと思った。

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著者プロフィール

一九七五年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。二〇〇七年『月のうた』で第二回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。同作は、傑出した筆力を書評家などから絶賛された。他の著書に『かなりや』(ポプラ社)、『これからの誕生日』『むすびや』(双葉社)、『夜明けのカノープス』(実業之日本社)がある。

「2019年 『青と白と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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