たそがれ大食堂

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 1646
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575244410

作品紹介・あらすじ

伝統あるマルヨシ百貨店に勤める美由起は、大食堂のマネージャーに就任した。しかし、長年愛されていた大食堂は時代の変化とともに廃れ、存続の危機に直面していた。その上、若社長が引き抜いてきた料理人の智子は、大食堂の味を片っ端から変えようとして……!? 古き良き大食堂の未来はいかに? 美味しい料理と懸命な奮闘が奇跡を起こす、お仕事グルメ小説!

感想・レビュー・書評

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  • 百貨店最上階の大食堂。懐かしいなぁ、子どもの頃よく連れて行ってもらいました。和洋中いろんなメニューから選べる楽しさ。食べる前からワクワクするんですよねー。

    クライマックスの大食堂のシーン。梅雨が明け夏の入道雲が浮かぶ青空。まさにその青空のように爽快で、思わず「やったー!」と。

    著者の登場人物への愛があふれた作品。
    気持ちのいい読後感でした♪

  • 地方デパート「マルヨシ百貨店」
    その最上階の大食堂が閉店の危機に!?

    オムライス、プリン、クリームソーダ、エビフライ、ナポリタン、ちゃんぽん麺、お子様ランチ
    もうどれも美味しそう
    あ、でもかっちりお仕事小説です
    スカッとします
    中園くんが良い味出してる

    図書館本

  • 物語の舞台はマルヨシ百貨店内の大食堂…長年利用客に親しまれていたが、時代の流れとともに売り上げは減少していた…。そんな大食堂のマネージャーを勤めることになった美由起と、若社長が他店から引き抜き料理長に抜擢された智子をはじめ、大食堂に関わるスタッフと利用客が繰り広げるお仕事小説…。

    この作品の装丁、目を惹きますよね~デパートには必ずと言っていいほど、この手の大食堂、ありましたよねぇ~!プリンもそうそう、この銀の器~!クリームソーダにナポリタン、お子様ランチっ!たまりませんっ(^^)

    ストーリー的には、寺地はるな先生の「ほたるいしマジカルランド」のような感じでした。涙をさそうような場面はなかったけれど、それぞれの立場で大好きな大食堂と盛り上げるために奮闘する内容で、登場人物みんなを応援したい気持ちになりました!読んでいて楽しくなりました♪

  • お仕事➕グルメのハートフル小説ですね。
    マルヨシ百貨店に勤める美由起は店舗売り場で上客を怒らせて、大食堂のマネージャーに左遷させれてしまう。
    慣れない食堂の仕事に四苦八苦しているところに、新しい料理長として前場智子が赴任してくる。
    ゴタゴタの大食堂が、智子の言動でさらに混迷に陥る。美由起の奮闘とスタッフの底力が次第に発揮されていく。新たな謎の人物カンナが加わってさらに盛り上がっていく。
    坂井さんの物語構成は実に巧妙でユーモアとペーソスを巧みに駆使してぐいぐい読みごたえのある作品でした。
    「昭和レトロのメニュー」のコンセプトで登場するレシピが実に良いですね。懐かしく、食べてみたくなりました。
    様々な問題提議もそれとなくされていて、坂井さんの小説家としてのポリシーも感じられました。
    読みやすい文章なので、他の作品も注目したいですね。

  • 皆さんの本棚で見かけて気になった一冊。忖度抜きで面白かったです。登場人物たちのキャラがしっかり立っていて、それぞれの心情に「わかるわかる」と共感。感情移入できて、ホロッとくるハッピーエンド。好みです。文句なしの★5でした

  • 坂井希久子さん2冊目。東京近郊の川越(と思われる)にある百貨店最上階の創業から続く大食堂が舞台の話。マネージャー、料理長、副料理長、各調理部門長、ホールスタッフなどそれぞれの場所を守る個性豊かな従業員が、百貨店上層部の思惑に立ち向かう。オムライス、プリンやソーダ、エビフライ、お子様ランチなど、具体的な大食堂定番料理のひとつひとつが美味しく変身する様子も読んでいてたまらなかった。衝突がありながらも徐々に互いのことを知り、良いチームになっていくのが清々しく、主人公であるマネージャーの美由起の仕事に家庭に奮闘する姿に声援を送りたくなった。受付嬢や外商のお得意様も出てきたりと、百貨店の世界に浸れて面白かった。

  • 面白くて、テンポも良く、食べ物のひとつひとつに愛情も込められている。

    そして大食堂で働く人たちそれぞれの個性がとても良い。

    ある意味、バラバラで…衝突することもあるんだが、そうすることで良いものが仕上がるという。
    ちょっと笑えるところもあり、ホロリと涙するとこもありで大満足だった。

    百貨店の大食堂という懐かしさも昭和世代の私にはジャストな設定。
    メンバーもドラマにでできそうな面々が浮かんでくるので楽しめる。
    美味しい食べ物のわくわく感にお仕事事情のドキドキ感満載。

  •  デパートの大食堂で食事をしなくなったのはいつごろからだろう。

     子供の頃はあの場所はきらきらしていた。家では絶対に食べることができないお子様ランチやパフェ。

     懐かしくて、おなかが空いて(いまだにお粥が中心なので(ノД`)・゜・。)

     楽しい時間を味わいました。ああ、オムライス食べたい!

  • 子供の頃、駅前のデパートの食堂でお子様ランチを食べた。窓からは新幹線が駅に出入りするのが見えた。ランチのプレートは新幹線だった。チキンライスにミートボール、エビフライ、缶詰めのフルーツもついていた。もう少し大きくなったら、大人が食べていたラーメンを食べようと思っていた。
    時は流れ建物は建て替えられた後、食堂はなくなりチェーン店の飲食店ばかりになった。

    懐かしさから、私も大食堂を訪れてみたくなった。
    硬めのプリン。絶対美味しいと思う。

  • スカッと爽快なのに、胸が熱くなってジーンとする。
    最初はどうなることかとハラハラしたし、揉め事が起きた時は胃が痛くなりそうだけど、こんな仲間と一緒に働けるってステキだ。
    一気に読んでしまったけど、飽きるどころか最後までどんな工夫やアイデアが出てくるんだろうとワクワクな気持ちのままの読了となった。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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