続・星守る犬

著者 :
  • 双葉社 (2011年3月16日発売)
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感想 : 168
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575303001

感想・レビュー・書評

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  • 前作は、よい話ではあるにせよ、あまり救われない展開だと感じていました。
    結論に関しては、作品の質を別にしてもやりきれない気持ちが残るものでしたし。
    ですが、「続」を併せて読むと、救われたって感じることができました。
    やはり、生きるということに関して辛らつに描写しているとは思いましたが、こちらは素直に感動することができました。
    前作のように死という結論には至らず、どこかに救いを見出せる内容だったという点で、そう感じたのかもしれません。
    加えて、前作とのリンク、伏線の回収といった補足により、ハッピーとお父さんも若干報われたように思えました。

    犬と生きるということに関して、谷口ジローの『犬を飼う』と並んで、最も真摯に描いた作品だと思います。
    犬好きな方には、前作と併せてオススメします。

  • 星守る犬の続編だけど、さらに切なく、思わず泣けてしまう。でも、最後はただ悲しいだけではなく、小さな希望と暖かな未来を感じさせる、そんな1冊。これは2冊でセットですね。
    映画になったらしいけど、頷けます。
    機会があれば見てみたい。

  • 「私 犬って生まれる前から運命的に飼い主が決まってるんだって思うんですよぉ」(P62)

    独居老人のおばあちゃんも、ネグレクトの少年も、空虚な生活から脱却できたのは、“自分のことを必要としてくれている存在” “自分のことを待っていてくれている存在”との出会いがあったから。

    犬って、どこからか舞い降りてきた使者のような気がする。
    犬だけでもないか…。

    「大丈夫 きっと会えるよ。人でも犬でも本当に必要なら出会えるさ」(P168)

  • 伏線回収
    2冊で完結します。
    ハッピーエンドで良いのかなあ
    僕は良かったと思います。

  • 犬好きなら涙なしには読めない、“21世紀の『ハチ公物語』”ともいうべき作品だった『星守る犬』――。
    続編となる本書は、正編で死んでしまった「おとうさん」と愛犬「ハッピー」とかかわりのある犬と人の物語だ。

    ハッピーの双子の弟犬と、それを拾った老婆の物語「双子星」。
    正編でおとうさんとハッピーが死ぬ間接的な原因を作った「財布泥棒少年」のその後を描く中編「一等星」。
    そして、短い描き下ろしの「エピローグ」が収録されている。

    正編のつけたり・蛇足という印象はない。むしろ、正編と続編を併せて初めて物語が完成した、という趣がある。

    読んで思い出したのは、こうの史代の『夕凪の街 桜の国』だ。周知のとおり、あの作品は「夕凪の街」とその続編「桜の国」という2つの短編からなっていた。
    以前、『夕凪の街 桜の国』のレビューで私は次のように書いた。

    《続編の「桜の国」は、それから半世紀後――つまり現在の物語。ヒロインは、亡き皆実の姪(弟の娘)・七波だ。
    「夕凪の街」はずしりと重い見事な「悲劇」だが、これだけで物語が完結してしまったのでは、あまりに救いがない。皆実に代わって姪の七波が前向きに生きていく続編を描くことで、物語に一条の光が射しこむ。そしてまた、「桜の国」は、「夕凪の街」の悲劇を現在へと結ぶ回路ともなるのだ》

    同じことが、『星守る犬』の正・続編についても言える。
    『星守る犬』も、ある意味「救いのない」物語だった。主人公のおとうさんは職を失い、家庭を失い、最後には犬ともども死んでいくのだから。
    しかし、この『続・星守る犬』に収められた2編と「エピローグ」によって、幾重にも「救い」がもたらされる。

    病気で死にかけていたハッピーの弟犬はおばあさんに救われ、「罪」を背負った泥棒少年は祖父との暮らしの中で救われる。
    そして「エピローグ」では、おとうさんとハッピーを捨てたかに見えた家族がおとうさんを探しているというエピソードによって、死んだおとうさんにも救いがもたらされるのである。

    また、登場人物たちも、それぞれが犬によって「救い」を得る。嫌われ者の因業ばあさんは、拾った犬との暮らしの中で、忘れかけていた人情と生への希望を取り戻す。
    親からの虐待の果てに心を閉ざしていた泥棒少年は、ペットショップから盗んだ売れ残りのパグ犬とのふれあいによって、子どもらしさを取り戻していく。

    そのような「救済」の物語であるから正編ほどには泣けないが、ていねいに作られた上出来の続編だ。

    通俗的といえば通俗的だし、「手塚治虫文化賞」とかを得るような作品ではあるまい。それでも、私は好きだ。正編に感動した人なら一読の価値あり。

  • まさかの続編。ハッピーに一緒に捨てられた兄弟がいたなんて! 体弱い弟や、ショップで売れ残ったパグが結果として幸せになったのはほんとに嬉しいし救われる。・゜・(ノД`)・゜・。無責任な飼い主と産ませるばかりのパピー産業はほんとにどうにか出来ないのかな? 偏屈な婆さんに手を貸してくれる人たちや、売れ残りの犬に想いを寄せるバイトの姉ちゃんにいいことありますように!ハッピーとおとうさん、出来れば生きて幸せになってほしかったよー。・°°・(>_<)・°°・。

  • 前作の続刊となるが、この本だけでも十分面白い。
    作者の犬への愛情を変わらず感じることが出来ます。
    ラストの短編は、前作の悲しい結末を優しい思い出に変えてくれました。
    とても癒された。

  • 前篇は号泣しまくりでしたが、こちらは色々辛いこともあるけど、幸せになった人と犬達の物語で救われました。

  • ひたすらあったかい。
    いいじゃない、こんな底抜けに人のいい話も。

  • 「双子座」大家さんツンデレで可愛い
    「一等星」前作の男の子についての物語
    こういうオムニバス系の暖かい物語めっちゃ好き

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