「ウルトラマンA」の葛藤

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 41
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575317275

作品紹介・あらすじ

『帰ってきたウルトラマン』が高視聴率を獲得し、円谷プロの熱望した続編の制作が始まった。『ウルトラマンA』には、市川森一発案による男女合体変身という野心的なアイディアと、〝超獣〟という新たなコンセプト、それに小学館の学習雑誌で展開された〝ウルトラ兄弟〟の設定が正式に取り込まれることとなった。そして1972年4月7日に放送された第1話『輝け!ウルトラ五兄弟』は見事28.8%の高視聴率を獲得した。しかし、自信を付けた制作陣の前に、思わぬ障害が待ち受けていた…。ファン待望のドキュメンタリー第6弾!過去5冊のシリーズで圧倒的評価を得た著者が、今回も現存する資料を精緻に分析。スタッフの多くが共通する宣弘社作品『シルバー仮面』にもスポットを当て、『ウルトラマンA』企画の成立から内容の変遷までを丹念に描く!

感想・レビュー・書評

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  • 円谷作品ドキュメンタリー第6弾。

    実は自分はウルトラマンA(以後A)がそれほど好きではない。

    北斗と南による男女合体変身(ウルトラタッチ)、ウルトラマンやセブンと違いどこか鳥顔のようなAの顔が当時 子供だった自分には受け入れ難かった。
    正直、Aからのウルトラシリーズ(タロウ、レオ)は冷めた目で観ていて 同じ円谷作品でも「ファイヤーマン」「ジャンボーグA」そして東映のヒーロー物が好きだった。
    しかし歳を重ねた今では好きとは言わないまでもそれなりに(あくまでもそれなりに)評価はする様になった。

    これまでAのみの関連本というと「僕らのウルトラマンA」くらいしかなかったので久々にA単独の本が出たというのは喜ぶべき事だと思う。
    が、プロローグで「『ウルトラマンA』に至るスタッフの流れを追う上で欠かせないため」(本書からの引用)という理由があるにしろ他社の作品「シルバー仮面」について書くのはどうなのか?
    それならば「シルバー仮面」のみのドキュメンタリーを出した方が良かったのでは?と思うのだが。

    まあそれでも今回は六名の制作者にインタビューを行ない、「帰ってきたウルトラマン大全」の補足版のイメージの強い「帰ってきたウルトラマンの帰還」に比べて読み応えはあった。

    • darkavengersさん
      本ぶらさん こんにちは。

      ファイヤーマンとジャンボーグAも円谷作品です。
      自分の書き方が悪くて、誤解させてしまいすみません。
      ...
      本ぶらさん こんにちは。

      ファイヤーマンとジャンボーグAも円谷作品です。
      自分の書き方が悪くて、誤解させてしまいすみません。

      自分はジャンボーグAはジャンボーグ9が出て来る中盤からが好きで、ファイヤーマンは中盤までのシリアス路線の頃が好きですね。
      年代は違うけどミラーマンも好きです。
      2022/08/22
    • 本ぶらさん
      ジャンボーグ9は、主人公がトラックの運ちゃんみたいにハンドルを持ってるところがミョーに好きでしたね。
      あと、ジャンボーグ9の行進するみたい...
      ジャンボーグ9は、主人公がトラックの運ちゃんみたいにハンドルを持ってるところがミョーに好きでしたね。
      あと、ジャンボーグ9の行進するみたいな歩き方も(^^ゞ
      2023/02/01
    • darkavengersさん
      本ぶらさん

      9の操縦法、歩く、走るはアクセルで出来るのは理解できるのですが、手と腕はあのハンドルでどうやってやるのか?
      謎でした。
      ...
      本ぶらさん

      9の操縦法、歩く、走るはアクセルで出来るのは理解できるのですが、手と腕はあのハンドルでどうやってやるのか?
      謎でした。
      今でも分かりませんが(笑)
      2023/02/01
  •  全体に「惜しい」という感じ。葛藤に迫っているようであと一歩の感がある。メインライターのはずだった市川のコメントと山際監督の(新規)コメントが多数掲載されているのは資料的に価値が高い。それに特撮シリーズを1年続けることの苦労もよくわかった。
     しかし、プロローグと称して、「シルバー仮面」の「葛藤」まで長々と掲載するのはどうかと思う。また、後半は各エピソードの雑感めいたところもある(それはそれで面白かったが)。
     本書が核心に迫れなかったのは、出演者のインタビューが全然ないところにあると思う。タツミムックの「僕らのウルトラマンA」と併せて読むのがいいかもしれない。

  • 子どもの頃、リアルタイムで観た最後のウルトラマン。不思議なエピソードが多かった理由がよく分かった。

  • 意欲的にあれこれ盛り込みすぎて結局まとまらずとっちらかってしまった、というのがエースのイメージだったのだが、おそらく間違っていないのだろう。空が割れてそこから超獣が出てくるというシーンは当時の私にはなにがどうなってるのかわからなかったし、男女合体変身というのもただ複雑にしただけという印象だった(なぜ男女二人でなければならなかったのか子供にも納得出来る理由が欲しかった)。それでも毎回見せる光線技だったりウルトラ兄弟登場は素直に喜んでいたのだけれど。ベロクロンとバキシムが好きでした。

  • このような時期にスタートした『ウルトラマンA』は、他番組との差別化、視聴年齢層の低下という二つの問題をクリアするために、いくつかの斬新な設定を試みている。男女合体変身、ウルトラ兄弟の登場、怪獣を超える超獣の登場、シリーズ初の共通の敵、ヤプールの存在などがそうである。ヒーロー、ウルトラマンAのデザインも戦闘的で派手になり、多彩な光線技や切断技を繰り出して子供達の目を楽しませた。


    その意味で超獣という発想は、キャラクターのマンネリ化にいち早く対応した新機軸だったと言える。

    三人の脚本家を競わせるという試みには、『帰ってきたウルトラマン』以上の企画を産み出そうという橋本の気迫が感じられる。そして前作の上原正三に代わって、シリーズのメインライターを市川森一に、というのは、橋本洋二の当初からの構想だった。

    脚本かにとって超獣の解釈が違う

    僕は『帰ってきたウルトラマン』の頃から言っていたんだけれども、ウルトラマンより怪獣のおもちゃがよく売れるのはどうして? ということ。でも誰も答えられない。子供は、昆虫とか爬虫類が好きなんですが、それが、怪獣を好きになることとつながっているんだと思います。

    人間が成長するのがテーマ、ドラマの最大の力は想像力

    特撮もので人間ドラマをかくのは好きじゃない

    アニミズムの権化
    男女合体の行き詰まりからの石堂さん自由

    理屈はないけどおもしろけりゃい
    具体せいのあるワンシーンをいかすためにつじつまあわせをする
    テーマじゃなくてワンシーンが妙に具体性があってそれを軸に発展できるものが見つかったら一気に行くスタイル

    自分は張り手で押していく作風

    エースの最後は自分で落とし前をつけろ
    メインライターの面目たもって敗北宣言せずにすんだ
    脚本家の傷になってはならん


    内容の差別化の苦労 
    前半戦での視聴率の低迷
    設定変更
    レギュラーの突然の降板
    メインライターの降板
    最終回での復帰
    かえまんと似たような道筋

    男女合体やヤプールの存在など、初期設定をいかしきれなかったことによる度重なる路線変更は番組のトータルイメージをあいまいなものにした

  • 迷走したウルトラマン。
    ただ、苦悩の新機軸は魅力的でもあった。
    そんなウルトラマンエースの制作裏話。
    初めてこのシリーズを読んだけど読み応えがあって面白かった。
    でもエピローグのシルバー仮面の章は不要だったかな。

  • ウルトラマンシリーズを追い続けるノンフィクションの第6弾。ウルトラマンA、僕らのエース

  • このまま、タロウとレオまで完走するんだろうか、番組同様、このシリーズも右肩下がりなんじゃないかと思うが…

    ウルトラ以外の円谷作品、フジのMJやミラーマン、TBSのトリプルファイターや猿の軍団、NETのジャンボーグや10-4-10-10、日テレのファイヤーマンやスターウルフ、なんかは、やっぱ取り上げ辛いのかな…

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