- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575508444
感想・レビュー・書評
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とても奥が深く、考え込むことが多かった小説。
人間の行動や思考の表と裏というか、内面をさらけ出すとこうなるのか。。といった感じでじっくり読みました。
他の作家さんの小説でも、もちろん考える事や気付かせてもらえる事は多いのですが、僕にとって、本多孝好さんの小説はより深く考えることが多い気がします。
そもそも普段何も考えずに、ぼーっと生きているので、時々刺激を与えてくれる作家さんの本を読む事は大事です!!
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規則や常識が一律に設定されている社会からはじきだされた人はどうやって生きていけるのか。
登場人物は皆ある意味で異世界に住んでいる人で、主人公の「僕」はその心の葛藤から彼らを解放する力を持っている。
しかしその力は結果的に彼らを呪ってしまうことになる。
最後の場面の意味はよく分からなかったけれど、またもう一度読んでみたい作品。 -
相変わらずちょっと難解。
熊谷さんと幸せになってほしい -
★★★☆☆
ワンパターンの呪い
【内容】
ミステリーというよりファンタジーなお話。相手の心がわかる男の話。
【感想】
なんというかワンパターンだった。
"力"をコントロールしていたはずの主人公がためらうことなくバンバン"力"を使います。
そしてその入り方がワンパターン。
(もうすこしためらうとか、違う入り方はなかったのだろうか。。)
呪いの概念を逆手にとっている部分は秀逸。
wikiを見る限り、本多孝好さん初の長編なのが今作。
それを考えるとずいぶん成長したものだ。(完全制覇したぞ!) -
人の心の波長を感じ取ることができる特殊能力(代々受け継がれるその能力をこの親子は呪いと呼ぶ)を持った主人公の柳瀬君が、社会に不適合感を感じている若者たちや悩みを抱える人々に向き合い、寄り添いながら自らの心の内にも対峙していく物語。とても感想が難しいお話でしたが、悪魔の合わせ鏡のようなその能力に見つめられたとき、良二くんとその母親や、ミカの父親や渡さんのように、自分の中の醜さや空虚さに嫌でも気が付かされてしまいそうで怖くなる。静かな雰囲気で淡々としたなかにも、心の奥底に鋭く食い込む柳瀬君の言葉が胸に残る。
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村上春樹の小説の雰囲気に少し似ている。
いろいろな人の出会いは、楽しいこともあるし、嫌なこともある。
でもそこに、この小説のようなストーリーがある。
人生の醍醐味は人と関わっていくこと。これに尽きる。
“「子供は三歳までで、あらかたの親孝行を済ませているという考え方もあるそうです」
「つまり?」
「つまり、三つまでの可愛さで、親は十分に喜びを得ている。だから、その後、どんなに子供に苦労をさせられても、その記憶を頼りに子供を愛することができる」” -
とりあえず読み終えた。
他人の本心に寄り添えるからこそ、ふかく人に立ち入れない主人公の青年に哀しみをみた。心に同調してもらうこと、完璧な理解を求めるけれど、鏡のように自分の心を見てしまうことは誰も耐えられないように思う。
主人公をはじめとして、登場人物は他人を理解してしまうことで苦しんでいるところがこの小説の面白さだと感じた。わからないことよりも、交われないことよりも、わかり過ぎて苦しい。
タイトルは「alone together」ひとりきりを、一緒に。潔くひとりでいる事を呪いでなく、祈りだと呼んでみせた青年に幸福を願いたい。理解されないことで駄々をこねる若年者にもこんな静かな「祈り」を知ってほしいものだと思う。 -
主人公は不登校の小中学生専門塾の講師。
彼は特殊な能力“他人のココロとシンクロすることにより、本心を明かさせる”を持っている。
物語は、複雑な年頃の中学生やその親の本心を暴きながら進んでいきます。
でも“本心”の正体は何なのでしょう?
本能に任せた気持ち・・・?
僕には、自分自身の本心も分かりません。
まして、他人の本心なんて論外です。
とりあえずは、自分の本心も他人の本心も、自分の好きなように解釈して、心安らかに過ごせていれればいいや!