- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575514414
感想・レビュー・書評
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文芸コンクールで受賞するなど、小説を書く才能がある黒羽比奈子。しかし彼女は暗く、痩せ細った身体に黒い長い髪というなんとも不気味な雰囲気でクラスメイト達から敬遠されていた。クラス委員長の園田詩織はそんな黒羽を目障りに感じ、文化祭でやるクラスの劇のシナリオ執筆を押し付ける。そして、難癖つけようと園田の取り巻きがシナリオを読んだところ、呼吸がおかしくなって倒れてしまう。
元はケータイ小説だったが、話題になって書籍化されたという本作。確かにテーマが“呪い”で、女子中高生が好んで読んだり、話題にしたりしそうだなぁという感じではある。でも、カタカナと感じの意味不明な羅列がこんなに不気味なものであるとは思っていなかったことや、呼吸を意識させられると、「あれ?どうやって普段呼吸してたっけ?」と思わされてしまったところなど、なるほどなぁとうなる部分もあり。なぜ作中に出てくる名前がそのまま作者名なのかも、最後まで読めばわかるようになっている仕掛けもうまいなぁと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかくサクサク読める。一番最初の章が秀逸だっただけに、残り三編が薄く感じてしまった。
一番最後まで読んでから、著者を見てちょっぴりサプライズされてしまった。夢中に読めないと、その効果は薄まってしまいそう。
呪いの着眼点は魅力的で、不意をつかれた感じ。 -
リングに似ているとの評価が多いけれど、私はリング未履修なので新しく感じた。
怖すぎないホラー、文字で情景が浮かぶホラー。
まずもって全くあらすじを見ずに本を読み始めるタイプなので、この本がホラーとも知らず、最初の意味不明な文字の羅列にこれがずっと続くのか、、、?と思った。笑 -
呪いとか、そういう怖い系は苦手なんだけど、つい最後まで読んじゃった。
読みやすかったからかな。
怖いー。 -
書店にて映画化したなどオススメの書棚に置いてあり、興味を持ち完読。ストーリーとしてはシンプルだが、文体としては読みやすく、難しくはない。設定も文字や文章で人を呪うという、今までにない設定で面白いところもあった。ただ少し書店の、映画化告知の広告でヨイショしすぎてちょっと思った感じのと違った。それでも普通に読みやすい本だと思った。
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面白くなかった。
小学生とかは面白いと感じるかもしれない。 -
数多くのケータイ小説が書籍化され世に出ている。
とくに、恋愛小説とホラー小説が多いように思う。
この作品は構成・展開ともにとてもよく出来ていて、他のケータイ小説とは一線をかくしているように思う。
もちろん、ケータイ小説としては・・・だけれど。
他者への妬み。ちっぽけなプライド。容赦のない残酷さ。連鎖していく悪意。呪い。そして自己保身・・・。
大切な何かが壊れてしまった比那子。いや、もしかしたら最初から比那子には大切な何かなどなかったのかもしれない。
自分を守るためには手段を選ばない。
何の関係もない者を犠牲にしても、それで自分が守れるならば躊躇はしない。
まして顔もわからないネット回線だけがつなぐ人間など、犠牲にしても少しも胸は痛まない。
パソコンの向こう側にも血の通った人間がいることを、つい忘れてしまいがちな毎日・・・。
ラストのひと言が怖さの余韻を強く引きずる。 -
現代版チェーンメールもしくは不幸の手紙とも言える作品?
ホラーらしいという一言に尽きる。
複雑な物語性も無いため、サクッと読むことができる。
元は携帯小説だったらしいが、納得がいく。
確かに人に「オススメ」せざるを得なくなる作品笑
最初読み終わった時、母親に号泣して読んで!って頼んだなぁ…笑 -
この本は誰にも勧めたくない。
特にメンタルの弱い人、感情移入しやすい人。
私はフィーリングで本を手に取る。
この本を手に取った時は何かの罪悪感があったのだと思う。
なぜならタイトルが『ゴメンナサイ』というものだったから。
読み進めて行くにつれ、呼吸が、気分に変化が起きた。表現や内容にグロテスクな部分がある。
読んでいて気持ちの良いものではない。
気になって読みたいと思う気持ちは高まるが気分、具合が悪くなるだけだった。
第六感が人よりはある自分には恐ろしい本だった。読み始めてから感覚が増したのである。
また、邪気に巻かれ、自分自身が壊れて行った。
そして登場する人物のように『文字』を使い、行動を起こそうと読んでいるうちに思うようになった。
だがそれはとてつもなく恐ろしいことだと読み切って自分自身が怖くなった。
読み終えた今でも呼吸が、動悸が…。
体にだるさが残っている。
オススメはしたくない一冊。
2度と忘れることのできないくらい強烈な一冊。
私はこの本を捨てることにする。 -
『これは、僕のロマン』
読む人の生命を伸ばす文字があるのならば、読んだ人を殺すような文字があってもいいって。ただし、新しさはない。