小説 星守る犬 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516814

感想・レビュー・書評

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  • ある日のニュース

    原生林に打ち捨てられた車。その中で息絶えた男。
    そのそばでうずくまっていた、一匹の犬。
    どういう理由からか、男は車の中で人生を終えた。
    どういう末路をたどったのだろうか。
    なぜその場所だったのか。
    そしてなぜ、犬が一緒にいたのだろうか。
    男と同じ場所で、どうして犬が息絶えたのだろうか。
    男は死後一年以上、それなのに、犬は死後三カ月。
    つまり男が死んでから少なくとも、九カ月ものあいだ、犬は生き延びて、男の「遺体」とともに過ごしたことになる。


    ぼくは、知っている。人間は犬の前では正直になるんだ、ってこと。
    どんなにつっぱっていても、意地を張っていても、強がりを言っていても。自分と犬だけになったとき、人間は、すなおになるんだ。
    うれしいときは、ほおずりをする。
    泣きたいときは、涙をこぼす。
    そして、さびしいとき、いとしいときは、ぎゅっと抱きしめる。



    犬の素直な心と「お父さん」の犬を思う気持ちが伝わって、泣けました。
    どうしようもなく、泣けて泣けて…。
    家族と別れて、ひとりになった「お父さん」を最後まで見守った犬のハッピー。
    「お父さん」のことを忘れなかったハッピー。

    犬は飼ったことはないのですが、この物語のハッピーも捨て犬でしたが、以前うちでも元ノラ猫を飼っていました。
    その子のことを思い出しました。いたずらもしたけど、とてもおりこうな、いい子でした。

    • まことさん
      やまさん♪おはようございます!

      字がそんなに小さくなかったみたいでよかったです。
      こちらこそ、ありがとうございました(*^^*)
      やまさん♪おはようございます!

      字がそんなに小さくなかったみたいでよかったです。
      こちらこそ、ありがとうございました(*^^*)
      2020/02/15
    • 土瓶さん
      まことさん、こんにちは。
       
      ご存じでしょうが、村上たかしさんのマンガ版もあります。
      マンガ版の「続・星守る犬」もよかったですよ。
      まことさん、こんにちは。
       
      ご存じでしょうが、村上たかしさんのマンガ版もあります。
      マンガ版の「続・星守る犬」もよかったですよ。
      2022/01/23
    • まことさん
      土瓶さん。こんばんは。

      「続 星守る犬」は知らなかったです。近隣の図書館にはマンガは置いていないので、もし、入手可能であれば、読んでみます...
      土瓶さん。こんばんは。

      「続 星守る犬」は知らなかったです。近隣の図書館にはマンガは置いていないので、もし、入手可能であれば、読んでみます。(絶版になっているようなので)

      先日のレビューも、もし本当にお役に立てれば私も嬉しいです。
      こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
      2022/01/23
  • 日本人は忠犬の話に弱い…まさにそれ!涙涙…。
    山の中で発見された車の中の男性の遺体と犬の死骸。その顛末が描かれている。
    ハッピー(犬)は、優しいお父さんとずっと一緒にいれて、その名の通りハッピーだったんだなぁ。そしてお父さんもハッピーと共に歩めて幸せだった。死んでしまう結果にはなったけれど、お互い思いやれて幸せだった。生涯を共にするペットと飼い主はみんなそういう関係でいて欲しいよね。

  • お父さんは言った。
    「この犬はな 、ペットじゃない 。これからは家族の一員になるんだぞ」「ずうっと 、一緒にいてやってくれ」
    家族の中で 、おとうさんだけが 最初からちっとも変わらなかった。ずっと、一緒にいてくれた。

    冒頭でお父さんとハッピーがどうなるのかがわかっていたので、ずっと泣きながら読んだ。
    おとうさんとハッピーの優しさ、健気さ、哀しさが辛かった。
    彼らの旅は波乱万丈。それが彼らの絆をさらに強くする。
    彼らは幸せだったのだ。それは、間違いない。
    ずっとずっと一緒にいられたのだから。

    だけど、おとうさん、私は、どうしてもこれが最善の策だったとは思えないのです。
    もっと、もっと、どうにかならなかったのでしょうか…そう考えると涙が止まらない。

    だけど、その後の物語『ひまわり』を読んで、これでよかったのかなと少しずつ思えてきた。
    奥津さんがしてくれた事でさらに彼らは幸せになれたに違いない。

  • 以前、ノベライズ版を読んでいたので
    内容は知っていましたがこちらの作品についても
    機会があったので読んでみました
    犬のハッピーとお父さんの車での旅物語
    犬目線で語られ、さくっと読めてしまう作品でした

  • いやあ〜凄くよかった、凄く読みやすかった。漫画であるとは知らなかったです、管窮を知らずですね。バンよバンそのものよ。振り返る旅なのかな、愛することを恥ずかしく思った後悔か、とにかく同じ道を辿ったのも良いし、ひまわりの花を捧げにもう一度キャンプ場に行くのも肯定する。状況だけで2人の関係性を読み切るって凄いし、1人でも想う人がいたらお父さんも報われる。家族だから一緒に死んでいったのだね。お母さんにバカ娘に一方的な非を向けたいけど、お父さんも甘かった、気づいて欲しかったなお母さんの悩み事全部に。漫画版買おう

  • 私自身犬が大好きだし優しいお話だとは思ったけど、あまり心惹かれるタイプの作品ではなかった

  • 道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。ぼくの新しい生活がはじまった。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思ってた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだ…。日本中が涙した大ヒットコミック、その感動が小説になって蘇る!

  • さらっと読める。
    原田マハ読むの初めてが漫画のノベライズ。
    漫画の方も読みたいな。

    おかあさん、と、みくちゃん、少年がクズ。
    犬視点は泣ける。

  • 泣くために買った、一冊です。

  • こんなふうに、犬と信頼関係が築けたらなぁ・・・
    そして、こんなふうに、私は終わりたくは・・・

    幸せってなんだ?

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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