風紋(下) 新装版 (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517149

感想・レビュー・書評

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  • あらゆる立場から犯罪に関わってしまった人たちの物語。犯人もそうそうに逮捕され、遅々とした展開の上巻に比べダイナミックに読み進めることができた下巻。細かい心情描写は乃南アサの真髄。つらい思いをした人とそうでない傍観者において時間は平等に流れるのか、と疑問を沸かせる。

  • 癒えることのない心の傷を加害者と被害者双方が抱え、事件から立ち直ることの厳しさと難しさを強く感じました。

    ただ、少し長くも感じてしまいました。

  • 6割位読んで挫折。長すぎた。

  • 思ったよりあっさり終わった。
    被害者の遺族も辛いが、加害者の家族も辛い。結局真相は藪のなかだが、浮気された上、殺人犯の妻になってしまった香織の悲哀はものすごいと思う。
    建部はマスコミの良心のように描かれているが、結局自分の興味のために家族をつけ回しているようにしか見えなかった。

  • 上巻は何度も寝落ちた記憶が有る。
    下巻も・・・とおもいきや
    一気に読了。

    加害者の妻そしてその一族の
    何ともやりきれない気持ちや
    落ちぶれていく様などは
    ドラマじゃないと思える。

    そして被害者家族は
    家族を失う悲しさ寂しさに加えて
    戦っていかなければならない

    守られない死者への攻撃。
    相手は他人やマスコミだけでない。
    身内にまで・・・

    被害者の人生を
    置き去りにされる裁判等々
    本当に最後まで考えさせられた。

  • 下巻は松永の事件公判が主なテーマ。
    被害者・加害者関わらず両者の家族が人生を狂わされていき、苦しみながらも人生を歩んでいかなければならない悲哀が表現されている。人の良い部分だけでなく弱い部分も表現されている点にリアリティを感じる
    人を愛さないと決めてしまった真裕子、事件以来、家族関係と共に人格まで変わってしまった香織。
    両者の悲しみが癒える事はあるのか、このまま辛い人生を歩んでしまうのか。

  • 様々な目線から描写された真実。
    色々と感じる部分があり、被害者、犯人の家族、様々な物が壊れて行く様をありありと見せつけられた様に思う。 
     通常ミステリーは犯人が誰という部分に注目が集まり、真犯人が捕まれば、被害者の周辺は前向きである事が多い。しかし、実際は永遠に心に蟠るものがあるはずだし、犯人の家族や友人などにも心情的な変化が起こる筈だ。
     今作はそういったある意味タブーの部分をフォーカスしたサスペンスが強い作品だったと感じる反面、少し人物や世界観がのっぺりしている様に思ってしまった。

  • 東野圭吾の手紙を思い出させる題材。
    どんな形であれ、主人公真裕子には幸せになってほしいと願う。
    長編ではあったけれど、読み出したら止まらなかった。

  • 上巻はまぁ展開ありでよかったんだけど、下巻は長い…ダラダラと中弛みを感じてなかなか進まなかった。

    短編が苦手な私としては、場面がコロコロ変わるの進まない理由となってしまった。

    加害者側の場面、被害者側の場面、記者の場面〜…といった登場人物それぞれの場面が数ページで切り替わるから、せっかく入り込めていたのに、『え…またこの人のターンか…』となってしまう。

    得に、被害者家族の娘のターンが苦手だった。
    似たような心理描写の繰り返しで飽きてしまって。

    一冊にまとめたほうが面白く読めたかも。

    加害者の奥さん、プライド高くて今で言うSNSに見かける承認欲求強めの主婦なんだけど…
    あそこまでプライド捨てるかなぁ…
    ホステス?下品系な派手な服?
    うーん…
    個人的にはかなり意外な変化でした。

  • 犯人は別にいるの?と疑いながら、事件に関わるそれぞれの人生の変化がとてもよく描かれてました。真裕子の母に対する感情の動きや、描写が良かったです。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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