乙霧村の七人 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575520392

感想・レビュー・書評

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  • 完全に横溝正史な表紙とタイトルが怖すぎて伊岡瞬ブームに便乗できなかった本書。八つ墓村じゃん、オカルト ダメ ゼッタイ 。(((( ˙-˙ ))))プルプルプル
    と言いつつ、数ヶ月に一度発動する厄介な特殊能力「必殺 怖いもの見たさ」で手に取ってしまった。

    主な語り手は友里さん。地味系と謳っているが怪しさを隠すことの無いモロキーパーソン的なお方である。
    文学オタクの友里さんは大学の教授、ノンフィクション作家の泉蓮が顧問をしている文学サークル ヴェリテ のイベントにてあの「乙霧村」へ仲間5人と共に向かっていた。仲間とは言うが、これがめちゃくちゃギスギスしている。大学生独特の  自分の世界がこの世界  精神が激しく、苦笑いが止まらない。

    「乙霧村の五人殺し」あるいは「松浦一家惨殺事件」とも呼ばれるこの凄惨な内容については自身の目で文を追い、脳内にて現場を再生していただきたい。トラウマレベルの映像が生産されることだろう。

    さて、そんな曰く付きの「乙霧村」では黄色の可憐な花をつける野草「オトギリソウ」が至る所で咲き誇っている。これが村の名の所以と言われている。これを手折ってよく見ると花弁には茶色い小さなシミが確認出来るらしいのだが....、これは「門外不出の薬草の秘密を漏らした弟を、怒った兄が斬り殺した時に飛び散った血の痕」と語られているらしい。(wiki調べ)
    「オトギリソウ」とはとどのつまり「弟斬り」が由来となっていると言う事だ。漢字で書くと「弟切草」なのが生々しい。
    因みに花言葉は作中では「恨み」そして「秘密」と記されていたが、更に「怨念」「迷信」の意味合いもあるらしい。
    そしてオトギリソウの花の勢いが良い年は、乙霧村に悲劇が起きると言い伝えられている。
    うーん、都市伝説の様な話だがここに唆られた同志は少なくないと断言出来る。

    話を物語に戻すが、内容としてはベタである。想像通りの展開が待ち受けている。
    廃墟と化した曰く付きの村に若者が集結、あの日を彷彿とさせるゲリラ豪雨は当然の如く、謎の大男が現れ過去の「乙霧村の五人殺し」が再現されるーーーーといったものだ。
    とは言え流石、ベタで終わることは無く終着点は個人的には意外な結末に感じた。何より小さな仕掛けが多くて楽しい。文章を使ったトリックに振り回されたのは久々で心地が良かった。
    ただ、「伊岡瞬」から入った場合は拍子抜けを食らうであろう内容でもある。ハードルが爆上がりの状態から手に取られた可能性の高い作品なのだろう、少々同情してしまう。

    おさえてもらいたいのは、
    過去の事件は「乙霧村の五人殺し」
    現在、野次馬として村に踏み入れた者は「友里さんと五人の仲間の計六人」
    そしてタイトルは「乙霧村の七人」であると言う事だろうか。...おっと、これ以上はミッフィーを憑依(・×・)

    短い作品なのでサクッと読めるし、オカルト大嫌いマンの私が涼しい顔をしてレビューを書けている事から、ホラー要素は少なめだったとお察しいただけるだろう。罪があるとすれば表紙のおどろおどろしさのみだ。未だにカバーを外せていない自分がいる。

    問題定義もしっかりしている。
    語り手によって加害者と被害者の印象は悪意などなくとも簡単に操作されてしまうと言う事だろう。己を信じるのは勿論だが、形ないモノを見極める時、これを信じるべきか決めるのに、結局はここでも自分を信じなければならないのやもしれない。

    殺人事件と村の響きは完全にホラーですが、メンタル的要素で言うなら弱酸性です( *´•ω•`*)ホッ

    • あゆみりんさん
      こんばんは。

      表紙が怖すぎです。
      廃村…
      ガタブル_:(´ཀ`」 ∠):です。
      こんばんは。

      表紙が怖すぎです。
      廃村…
      ガタブル_:(´ཀ`」 ∠):です。
      2022/09/04
    • NORAxxさん
      あゆみりんさん、こんばんは★コメントありがとうございます。

      表紙怖すぎますよねー!間違えても面展は出来ない代物です...:(´◦ω◦`):...
      あゆみりんさん、こんばんは★コメントありがとうございます。

      表紙怖すぎますよねー!間違えても面展は出来ない代物です...:(´◦ω◦`): でも中身は結構マイルドやも...???です^ ^
      2022/09/05
  • かつて凄惨な事件があった集落を訪れた大学生たちが、恐怖体験をする前編と、そのメンバーの一人が関係者を取材して真相が暴かれていく後編の二部構成作品。

    率直に陳腐なホラーゲームのシナリオを見せられ、特段のひねりも驚きもなく終わってしまった印象。

    他作の著者らしい魅了ポイントを見出せなかったのが残念。

    好きな作家なので他の積読本に期待しよう。

  • 今まで読んだ伊岡さんのとは、何か作風が違うな。
    何か八つ墓村みたいって思ってたら、当たらずしも遠からず。
    カバー絵も横溝さんファンの漫画家さんやし!
    過去に殺人事件があった場所に、学生らが観光気分で見学旅行へ!
    ゼミの先生が、その事に関して本書いてるし、成績に影響しないかと淡い期待もあって…
    で、過去の再現か!斧で追いかけ回されて、死ぬとこやった(ーー;)
    雨の中、斧持って追いかけられたら、死んでまう…
    ◯◯村とかいうタイトルになるとやっぱり…こんな感じを連想させる。
    過去の殺人事件の真相は…彼らは…?
    この作風もなかなかでした。

  • 単純にホラーかと思ってたら違った\(^o^)/笑
    まさかの結末に大満足☆

    グロい描写とかもないけど、どうなるの…!?
    というホラーならではのドキドキとヒヤヒヤがたまらなくて、隙間時間に読んでたから気になりすぎてちょっと数ページ捲って無事かどうか確認してしまった…笑
    面白かった♪

    なかなかのグロ描写も平気な自分にはちょっと物足りないかな?と思ったけど、スリルは十分だったし、これならホラー苦手な方でも読めるのでは?

    ホラー、ミステリー初心者の方にもオススメしたい1冊☆

    こちらの1冊と出会わせてくださったブクトモ様\( ´ω` )/
    本当にありがとうございます☆

    • NORAxxさん
      みたらし娘さん、こんばんは☆読まれたのですね!!レビュー嬉しいです( ˊᵕˋ*)

      仰る通り、著者は一言もグロいと言ってないのに何故かそれを...
      みたらし娘さん、こんばんは☆読まれたのですね!!レビュー嬉しいです( ˊᵕˋ*)

      仰る通り、著者は一言もグロいと言ってないのに何故かそれを求めてしまう内容でしたね。やはり表紙のせいなのでしょうか...笑

      みたらし娘さんが楽しんでいる様子が伝わる素敵なレビューでした。ありがとうございます♪
      2022/09/23
    • みたらし娘さん
      NORAxxさん
      コメントありがとうございます☆
      読みましたよ読みましたよ〜!!!
      すみません、私とした事が読後直後のテンション高めでレビュ...
      NORAxxさん
      コメントありがとうございます☆
      読みましたよ読みましたよ〜!!!
      すみません、私とした事が読後直後のテンション高めでレビューを書いてしまい、お礼言いそびれてましたm(*_ _)m
      とても楽しい読書の時間でした!
      ありがとうございました(*´ω`*)

      すっっごく面白かったです!!
      結末が…笑 ミステリー大好きなので終わり方最高でした!

      あの表紙から、もう何が起こるか大体想像つく怖さありますね笑

      またNORAxxさんのレビュー楽しみにしています♪

      ありがとうございました☆
      2022/09/23
  • ちょっと残念
    ホラーミステリーなんですが、最後の最後がいただけない(笑)

    ストーリとしては、
    22年前に乙霧村で起きた一家五人惨殺事件。
    その村をサークルメンバの大学生男女6人が興味本位で訪れます。しかし、そこで、斧を持った大男に襲われるというもの。
    大雨、暗闇の中、襲ってくる男。
    脱出もままならず、彼らは生き延びることができるのか?
    ハラハラドキドキの展開の前半。
    男の正体は?
    ってなんとなくわかるけど...

    しかし、この学生たちのくずっぷりもまた、面白い(笑)

    そして、後半はその学生含めたインタビュー形式の独白で、今回の事件の真相が語られていきます。
    さらに明らかになる22年前の事件の真相

    最後に明かされる叙述トリック
    これが余計だった...
    そういう設定にしておく必要がないと思います。
    これのせいで、なんか、興ざめってな感じになってしまった。

    とはいうものの、そこそこ楽しめました!

  • 面白かった。
    思いがけない展開に大満足。
    読者を良い意味で裏切ってくれました。
    大満足(^^)

  • 久々にスプラッタホラー系きたかー?とワクワクしていたら中盤からの怒涛の展開にビックリ!
    表紙によらず残虐な描写は少しだけなので安心してください。
    ハラハラドキドキが味わいたい方特におすすめ。

    解説も面白いので是非最後まで読んでください。

  • あらすじを読んで、金田一耕助の八つ墓村や犬神家みたいなものか?!なんて、ちょっとワクワクして読み始めたがー。

    第1部がやたらと長い。
    長くても面白かったら別に構わないのだけれど正直、面白くはなかった。個人的に。
    謎の男と学生達がずっと殺人事件の舞台となった村で、鬼ごっこしてる。
    某バラエティー番組で芸能人とハンターと称した鬼が出てくる、あの番組みたいに。。。そこに、金田一耕助シリーズの要素をちょっと取り入れた。という印象。

    もう、いい加減読むのやめようかと思っていたら第2部まできたので、とりあえず読了はしようと思って読み続けた。
    第1部よりは面白かった(ネタバレの章なので)けれど、何となくネタの部分も分かってしまって、あぁやっぱりか、と。

    著者の書いた別作品の代償が強烈な印象で、しかも読む側をぐいぐいと物語の世界に引きずり込ませる作品だっただけに、こっちがB級ホラー過ぎて残念だった。


  • 1.おすすめする人
    →ハラハラしたい、怖いものが好き

    2.内容
    →序盤は斧を持った男に
     ひたすら追いかけられる話。
     とてつもなく怖い。
     言うなれば、ジョイポリスの「マーダーロッジ」
     というアトラクションを小説にした感じ。
     ハラハラドキドキ感はかなり似てる。
     その後、関係者への取材をもとに
     真相が明らかになるが、
     最後の教授の話からは、
     「だから何?」と思うような内容。
     よくわからない。

  • かつて家族五人殺しの惨劇があった場所を訪れた、大学生のサークル仲間六人。そこに斧を持った男が現れ、追い回される。

    怖いっ、はずなのだが、初めからどうにも嘘くさい感じがして、実はあまり怖くない。かつての事件の真相も、今回の事件も想像がついてしまう。標的の「被害者」は、狙われてむべなるかなといったところで、巻き添えになった人たちが気の毒。
    まあ陰惨な話でなくてよい。
    おそらくキモの一つは、語り手の正体なんだろうけれども、(そしてそこまでは読めなかったのだけれど)わかったところで、ふーん、という感じだった。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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