- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575520972
作品紹介・あらすじ
母は死に、父は人を殺した――。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!? 衝撃のラストが心を抉る傑作長編。
感想・レビュー・書評
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タイトルにある光って、どこ?どこにあんねん?底にもないわ!って思ってしまう。
こんな酷い幼少期を過せば、普通の人と違った考え方、価値観が発生する可能性はあるんやろうけど。
その価値観で、主人公が動くので、こちらの予想を裏切られまくり…(ーー;)
(貫井さんマジックにかかるとも言う)
自身の生涯をかけての復讐劇。そんな復讐とかしても何にもならんよ!とは言えないしね。
で、最後にまた、裏切られる予想…_| ̄|○詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
話は十四歳の峰岸晄から始まる。
その頃の晄は苛められていた。
そして、話は晄の十六歳、十九歳、二十一歳、二十五歳、二十九歳と続く。
その中の回想で、晄が四歳の頃に死の淵をさ迷うような壮絶な暮らしをしていたことがわかる。
そして母は亡くなり、父は人殺しという状況で、五歳の時には母の兄である伯父に引き取られた。
そして、その後の晄は高校、就職と進んでいくが、正直まともな人生とは思えない。
何事にも感情を表さず、人との付き合いも淡々としたものだった。
だけど、晄の生き方には晄の考えがあった。
ラストは衝撃だったが、晄の人生にも何度も衝撃を受けた。
2024.2.15 -
あまりにもムゴイ幼少期を過ごした主人公が復讐をする。復讐の仕方にグロさはあまり感じなかった。
しかし、最後、玲奈を助けない所が、主人公の目的が徹底しているなと感じた。 -
旅の時間つぶしにと本屋で購入。淡々と現代の犯罪を描いている点では平成史を語る作品として読める。解説を読んでなるほどと思わないでもないが、動機がこれでいいのか。どこに光があったのかと思わざるを得ない。
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貫井徳郎『我が心の底の光』双葉文庫。
悲惨な幼少期を過ごした主人公・晄の復讐の物語。余りにもスムーズに進む復讐劇と呆気ない幕切れのギャップに評価は半減。
前半の展開から、もっと深い重い作品かと思ったのだが…
幼少期に両親を失い、伯父夫婦に引き取られた主人公の晄は学校での陰湿ないじめと伯父夫婦の冷たい仕打ちに耐えながら、孤独の中を生き抜いていく。数年後、社会に出た晄は復讐の計画を実行に移す。 -
読みやすくて一気読みしたけど最後まで共感できずに終わった。何かモヤモヤする( ̄^ ̄)
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2023.05.27
予定調和を吹き飛ばす終盤。
いろいろ考えて読み進めてきた読者を良い意味で裏切ることができるのは、著者の強みだと改めて思う。 -
父は殺人を犯し、母は死んだ。5歳で伯父夫婦に引き取られ、中華料理店を手伝いながら、空腹とともに生きた。学校ではいじめに遭った。孤独の晄が向かう先にはいったい何があるのか…。