我が心の底の光 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.21
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本棚登録 : 779
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575520972

作品紹介・あらすじ

母は死に、父は人を殺した――。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!? 衝撃のラストが心を抉る傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルにある光って、どこ?どこにあんねん?底にもないわ!って思ってしまう。
    こんな酷い幼少期を過せば、普通の人と違った考え方、価値観が発生する可能性はあるんやろうけど。
    その価値観で、主人公が動くので、こちらの予想を裏切られまくり…(ーー;)
    (貫井さんマジックにかかるとも言う)
    自身の生涯をかけての復讐劇。そんな復讐とかしても何にもならんよ!とは言えないしね。
    で、最後にまた、裏切られる予想…_| ̄|○

  • 話は十四歳の峰岸晄から始まる。
    その頃の晄は苛められていた。
    そして、話は晄の十六歳、十九歳、二十一歳、二十五歳、二十九歳と続く。
    その中の回想で、晄が四歳の頃に死の淵をさ迷うような壮絶な暮らしをしていたことがわかる。
    そして母は亡くなり、父は人殺しという状況で、五歳の時には母の兄である伯父に引き取られた。
    そして、その後の晄は高校、就職と進んでいくが、正直まともな人生とは思えない。
    何事にも感情を表さず、人との付き合いも淡々としたものだった。
    だけど、晄の生き方には晄の考えがあった。
    ラストは衝撃だったが、晄の人生にも何度も衝撃を受けた。

    2024.2.15

  • めちゃくちゃ辛かった。
    苦しかった。
    明かされるまで、一体何が目的の復讐なのか分からなかった。
    タイトルにある、心の底の光も、怜菜のことだと思ってた。
    子供心に大切にしていたもの。
    救って癒してくれたもの。
    その復讐のために生きていくというのは、苦しいけれど、生きがいにはなる。生きる目的があるのは強い。
    結末は明るくはないと思っていたが、こうも残念とは。でも目的が達成できたから、いいのかな。
    慎司への思いも意外だった。
    でも、良かった。

    子どもを大切にしなきゃと改めて思った。
    不幸な子を生み出すのは、とにかく親だ。

    颯太、好きだったなあ。

  • 『崩れる』に続き、貫井作品28作目。読む前から著者のHPでこの作品の特徴を見知っていたから、余計にコイツは何をしているんだ?と——まさか仔猫の復讐劇だとは!?しかも最重要人物で、最後に晄に何らかの訓示を授けるであろう怜菜が殺されるとは…言葉を失いました。
    えっ!?どういうこと!!解説を読んで、漸く納得(?)しました。あ〜そういう風に読むのか、と。

  • あまりにもムゴイ幼少期を過ごした主人公が復讐をする。復讐の仕方にグロさはあまり感じなかった。
    しかし、最後、玲奈を助けない所が、主人公の目的が徹底しているなと感じた。

  • 旅の時間つぶしにと本屋で購入。淡々と現代の犯罪を描いている点では平成史を語る作品として読める。解説を読んでなるほどと思わないでもないが、動機がこれでいいのか。どこに光があったのかと思わざるを得ない。

  • 貫井徳郎『我が心の底の光』双葉文庫。

    悲惨な幼少期を過ごした主人公・晄の復讐の物語。余りにもスムーズに進む復讐劇と呆気ない幕切れのギャップに評価は半減。

    前半の展開から、もっと深い重い作品かと思ったのだが…

    幼少期に両親を失い、伯父夫婦に引き取られた主人公の晄は学校での陰湿ないじめと伯父夫婦の冷たい仕打ちに耐えながら、孤独の中を生き抜いていく。数年後、社会に出た晄は復讐の計画を実行に移す。

  • 読みやすくて一気読みしたけど最後まで共感できずに終わった。何かモヤモヤする( ̄^ ̄)

  • 2023.05.27
    予定調和を吹き飛ばす終盤。
    いろいろ考えて読み進めてきた読者を良い意味で裏切ることができるのは、著者の強みだと改めて思う。

  • 父は殺人を犯し、母は死んだ。5歳で伯父夫婦に引き取られ、中華料理店を手伝いながら、空腹とともに生きた。学校ではいじめに遭った。孤独の晄が向かう先にはいったい何があるのか…。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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