タイムスリップしたら、また就職氷河期でした (双葉文庫)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525069

作品紹介・あらすじ

タイムスリップしたら、また就職氷河期だったけど、なぜか世直しに関わることに!?
2019年、アラフォー非正規の凛子は人生に絶望していた。就職氷河期世代のための再就職セミナーに向かうと雷が落ち、1999年にタイムスリップしてしまう。就活中に出会い仲が良かった鶴丸とも再会。二度目なら人生をうまくやり直せるかもしれない、と二人は目論む。

感想・レビュー・書評

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  • 転生もの。

    タイムスリップだから非現実要素多めかと思いきや
    リアルな就職〜仕事〜恋愛〜結婚の話が含まれており
    自分の身にも置き換えてしまうほど深く読んでしまった。

    単なるエンタメ小説ではなく
    自分がこれからどうしたいかも考えさせられる。

  • WebマガジンCOLORFUL2020年8月〜2021年4月連載の氷河期つるりんこ世代-リターンズ-を改題し、加筆修正して2021年10月双葉文庫刊。2019年から20年前の世界へタイムスリップした凛子と鶴丸のお仕事小説。表紙が面白そうで読みました。会話、場面のテンポは心地良いのですが、展開に工夫がなくあまり楽しめませんでした。

  • 就職氷河期世代の人は、やり直しができるのならしたいのかなと思いました。
    登場人物の名前がタイムスリップにあった名前で笑えた。
    こんな事あったよなと思いながら読みました。

  • 題名の通り、人生やり直しを図るお話。何度も成功?失敗を繰り返し、関わる人たちにかき回されたり助けたり。

    その展開の波乱が多く、少し疲れてしまうところもありますが、実際の時代に沿った内容なので説得力があるように感じました。
    自分は経済面に疎いので存分に楽しめなかったところもありますが、なんとか二人の将来が明るい展望に見られたのでホッとしました。

  • 2023.07 モーニングストーリー

    流行りの転生系みたいな題名
    文体は重くなくかなりラフな感じだが、随所でハラスメントや雇用の問題等の話題が散りばめられタイムスリッパーたちの発言からも筆者の思想を感じた

    こういうの見てると令和元年度採用で働いてる自分は昔より恵まれた(自身を大切にすることが許され、推奨されるような)環境だなと感じた

  • 1999年の様相描写の参考にしたくて読んでみたが、主題は「時代の差」ではなく「就職氷河期世代の20代」であるため、2000年代の話がメインだった。そのため期待した内容ではなかったが、それでも参考になるところはあった。



    ■就職氷河期世代について/女性の社会進出について

    制度や論点についてかなり厚く描かれていた。主題なだけに。

    就職状況や婚活話について、決して一面的ではなく、主人公が経営者になったり、婚活を支援する側として男女それぞれの様相を書いたり、公平な記載だったのは好感が持てた。

    氷河期世代とはいったい何だったのか、というも、主人公たちが迷いながら様々な視点を加えている。本人が悪いのか、社会が悪いのか、どうすればいいのか、どうしようものないのに。色々な考え方が混とんとしたまま描かれていて、決して答えがあるわけではなく、そこにリアリティがあった。

    「若さを武器にする女」についても、立場の交換による平等な描写がされていた。


    ■文章について/構成について

    文章は下手。説明的だったり視点がブレていたり。
    というか文章に全体に加齢臭を感じた。
    地の文でネットスラングが使われてるのは滑ってたと思う。

    行き当たりばったり的に物語が展開するため、構成の面白さやカタルシスは感じない。タイムスリップも一回だけで本当にただのマクガフィン。

    もとは連載だったようで、そもそも本当に行き当たりばったりに書いていた可能性は高い。
    ただし、行き当たりばったり感は、人生の紆余曲折を描くにあたってはリアリティの演出に寄与していたとは思う。文芸に関わりたいといいながら、アパレル、食品メーカー、婚活相談で起業、等々全く違う人生に転がっていく。とはいえテーマのブレも感じた。結局何が言いたいのかわかりにくい作品だった。


    ■登場人物について

    パワハラ男なり、仲間なり、マルチにハマる女なり、様々な人物がめまぐるしく登場するのは(節操なくも感じたが)よく描かれていた。

    主人公二人にはあまり共感できなかったが、本作の主人公としてはよい造形だったと思った。


    ■時代描写について

    時代感の描写が薄めなので、読んでいてノスタルジーを楽しめる感じはなかった。

    一応、iPhoneやガラケー等のガジェットや、ファッションや、それぞれ描写はあるので、小ネタとして最低限楽しめはするが、決して主題ではない感じ。

    2019年の言葉を使って理解されない(パワハラ、塩対応、ワンオペ)ところはおもしろかった。

    時代感の演出に当たっては、政策の変化や政治スキャンダルに触れられたほか、芸能人や音楽グループなどの、いわゆるゴシップ話がそれなりに多かった。著者の趣味によるものか、それとも読者層に合わせたのかはわからない。が、イベント描写としてはこのあたりが大事かもしれない。

    近過去タイムスリップで思いつく「株で儲ければいい」は、「詳しく覚えていない」と棚上げされつつ、ラストではちゃっかり買っていたことが示されていて、ここは仕掛けとしてうまいと思った。

  • 素晴らしいあの時代ではなく、もう二度と体験したくない地獄へ再び舞い戻る話。

  • タイトルから明るい展開を想像したが、そうではなかった。氷河期世代の苦しみと結局は他人からの評価から抜け出せない葛藤が伝わってくる。落とし穴のない人生を自分はこれから歩めるのかとても不安になった。普通に生きるって難しい、、、、。

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