- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575526028
作品紹介・あらすじ
マジックは今日も〝迷い犬〟として誰かのもとを訪れる。マジックと一緒にいると、これまではまったく接点のなかった人との会話が生まれて気持ちが変わったり、自然と未来に光が差してきたりする。みんな、「マジックに出会った瞬間」から奇跡が起きている!? 大人気のワンダフル・ストーリー、待望の第2弾。
感想・レビュー・書評
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シリーズ第二弾
前向きな気持ちになり、元気の出る一冊です。
少しだけ毎日が楽しくなりそう。
迷い犬として突然現れるマジック。
(赤い首輪にうっすらマジックと書いてある)
毎日が上手くいかず、ネガティブになっている人の前にスッと現れ、勝手に付いてくるのです。
そして寄り添い、時には導き、励ましてくれる不思議な犬。
ツンデレな感じもクスッと笑えて良い。
話の展開はお決まりのパターンでテンポよく進み、安心して読める心地良さ。
春夏秋冬の4編からなる連作で、登場人物たちが次々に繋がる感じが前作よりずっと濃くて面白い。
人生って、ちょっとしたキッカケから違う方向に転がるものだなぁ、と思う。
毎日つまらない事ばかりでも、顔を上げて周りを見れば、今まで気付かなかった何かが目に入るかもしれない。
話した事のない近所の人にも、挨拶するだけでちょっと気持ちが上がったりするだろう。
私の元にはマジックが来なくても、毎日を楽しく生きるヒントを見付けてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
迷犬マジックが孤独な人、少しやさぐれてる人たちに、人との交流のきっかけをくれる不思議なストーリーの第2段。まさに、マジックワールド。
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シリーズ第2弾!
おもしろかった。
著者の作品は「ひかりの魔女 」シリーズが切っ掛けで読むようになりましたが、こちらも好き。
モヤモヤした気持ちを抱え、日々を過ごしている人の前に、突如現れる黒柴・マジック。
まるで人間の言葉を理解しているような行動や表情で、一時的に迷犬を預かるだけのはずがみんないつの間にかマジックのペースに!
でも、そこからの変化が明るく好ましくて嬉しい。
『マジックがいるだけで日常に変化が起こり、人々の気持ちがなごみ、世界がちょっと違って見えてくる。』
本当にそうだと思う。
犬がいるってだけで周囲の反応は変わるし、自然と人が集まってくる。
その愛らしさで、今まであった心理的距離も壁も一気に取り払ってくれる力がありますよね~。
(私も犬に寄っていきたくなる人)
さまざまな境遇の登場人物がいて、マジックに出会ったことで違った景色が見えてくるようになる。視界が広がれば新たな道も開けてくる。
小さな変化が、大きな変化へとつながっていく。
マジックに癒され、励まされ、元気をもらえる人生の応援小説です。 -
2022年9月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。春、夏、秋、冬、の4つの連作短編。マジックが寄り添う人は、1)何かを見失っている2)それに気づいていないというパターンで、その二つが解決するとマジックは次の人のところへ行くパターンになっています(笑)。
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幸せを呼ぶ犬、幸せを運ぶ犬。
シリーズ第2段。
読めば読んだ人も幸せな気分になれる。
ちょっと犬を美化し過ぎかな。 -
私の実家の母も、黒柴犬を飼っている。
一人暮らしの母はクロちゃんが居ないと寂しくて
うちにいられないと常々語る。
一冊目、普段小説を読まない遠方に住む弟がこの本、アネキにあげる、と照れくさそうに手渡してくれた。実家のクロちゃんを大切に思ってくれているのだなぁとその時感じた。
そして二冊目、こちらにはまた何かと驚かされたり泣かされたり。弟に私の方から手渡しなければならない。クロちゃんはマジックのように魔法はみせてくれないし、吠えて走りまわってやんちゃのかぎりだけれど、老いた母にとって私達遠くに住まう子供にとってもかけがえないのない黒柴犬だ。
3冊目もあるようなのでこれもまた読まなければ!
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迷える人たちをよき方向に導くという不思議な能力を持つ犬・マジックの1年を描くハッピーファンタジー。
春夏秋冬の4編からなる連作短編集。シリーズ2作目。
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各話の登場人物にうまく関係性を持たせるなどよくできた構成で、1作目よりさらにおもしろかった。
個人的に気に入ったのは「夏」編。ヤンキー崩れの不器用な男がマジックの絶妙なレッスン( 調教⁉ )によって次第に人間ができてくる話で、マジックの賢さがよくわかります。
自分を客観視して適性を知ること。そしてその適性を活かした仕事に力を尽くすこと。それらは自立するための大切な要素です。
それらができて初めて人から信頼されるようになり、信頼されるとその信頼に応えようと努めるようになるのです。
この好循環が軽快なタッチで描かれていました。このテンポよくことが運んでいく心地よさこそ山本甲士ファンタジーの真髄でしょう。
ひとつ気になるのは、最終話のラストシーンです。
本話の「迷える人」であるチヨが孤独から解放されて前向きに生きられるようになっても、マジックはチヨの元を去らないまま話が結ばれています。これは1作目から続いてきたエンディングパターンと大きく異なります。
もしかしてマジックは、チヨの古家を自分の終の棲家と定めたということなのでしょうか。(マジックもいいおトシみたいなので。)
特定の飼い主を持たず、神懸かり的な賢さで迷える人を救い助ける犬・マジックの活躍。まだまだ読みたく思うので、この見立てがどうか外れますように……。 -
春夏秋冬とは4人が登場するだろうと思ったら、親子にそれぞれの過去の関係性があり、あーこれこそ山本甲士さんだって嬉しいって事。マジックの噂はどんなふうに広がるのだろうかな、朝晩の散歩をするだろう犬の生活に合わせてとか答えが待っててくれる。寝酒も無くなった早起きして身体が軽くなるとか、神経痛が出なくなったとか自分が老いて動けなくなって松島さんが後の事はしてくれると諦めたチヨさんが2階部屋の掃除して困っている親子を引き取る 孫の親友に会えるのと孫の本心を知る。結末が幸せな前向きな所が好きです
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今回もマックスは安定の活躍です。それぞれの人もちょっとかぶってたりして良いです。マジックは魔法使いかミラクルを起こす犬とも言えるがちょっとしたキッカケを与えてくれたり背中を押してくれたりしてるにすぎず、本来その人が持ってるものを引き出してくれてる名プロデューサー、名監督、名上司のような存在なのかもしれませんね。
名と迷をかけてるんですかね(笑)
続きも有ったら是非読みたい作品です。 -
迷い犬マジックは希望を与えてくれる。前作と同じく、春夏秋冬の4つのお話。愛着が湧いてきた頃に別れが来るのが寂しい。