魔将軍: くじ引き将軍・足利義教の生涯 (双葉文庫 お 25-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575663860

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  • つい先日平岩弓枝作「獅子の座-足利義満伝」を読了した勢いを駆って、義満の子である六代将軍義教の生涯を描いた本作を手にとった。この小説は一般の歴史小説と異なり、独特の趣向を凝らしている。本作者の作品は初めて読むのだが、これまでに時代ミステリをいくつか出しているようだ。その作風を活かしてか、推理小説の要素を織り込み、意外な仕掛けを演出している。その分、歴史小説としてはやや不満が残る読者もいるかも知れない。私は娯楽性も含めて、最後まで面白く読むことができたが。

    15代にわたる足利将軍の中で義教は注目度の高いほうとは云えないが、その生涯はドラマ性に富んでいる。義満の嫡子・義持と、父に溺愛され、あと一歩で帝に即位するはずだった義嗣のふたりの兄の陰に隠れていた義教は34の歳まで天台座主、つまり僧侶であった。先代義持のこだわりにより、くじ引きで将軍に即位したあとは厳格かつ苛烈な施政で恐れられる。巧みな策略と計算で、宿敵の関東公方・持氏を討ち果たすなど独裁権力を確立するが、最期は忠臣に討たれるといったところは信長と酷似している。義教の時代が続いていたなら、歴史はどう推移しただろうかと考えると興味深い。

  • この時代の歴史小説はあまり読んだことがなかったので、楽しく読めた。

  • 『くじ引き将軍』この言葉に惹かれて手に取った。足利義教、全く覚えていなかった。義満時代、金閣寺などを作って栄えていた室町幕府がなんかよく解らんけれど弱体化して応仁の乱が起こった?応仁の乱って誰と誰が戦ったんだっけ?みたいな私にも楽しめた。まさにその、なんかよく解らんところを実に興味深く、そして小説としてもとても面白く描いてくれていた。

  • あまりクローズアップされない人物であるが、くじ引きで選ばれたうえに暗殺された将軍という負のイメージのみあった。この小説を読んで、なかなか実力派の人であったことを知ることができた。
    話の前半は推理小説のようであり、後半はアクション映画的な場面あり、いろんな要素で楽しめる。
    小説の終わりのあっけなさは、暗殺という不意の出来事を絶妙に伝えている。今まで読んだ小説にはなかった斬新な構成で面白かった。

  •  ずっと感想を書き忘れていた。のでちょっとうろ覚えなのだけど、最初のほうのちょっとミステリー風味なところとか、坊主の策略とかが面白かった。義教が将軍になってからはちょっと落ち着いちゃった感じはある。最後あっさり暗殺されたなぁ。部下二人が、あああ……。

  • 足利義教について、日本の教育で触れなさ過ぎる
    嘉吉の乱だけでしか登場しないが
    足利将軍家の中でも最強の将軍だ

    あっさり書きすぎていたので7/26追記

    明石散人の二人の天魔王って作品にでてくる
    義教にそっくり(着想はソコだろうね)
    家康の行った「大名の力をそぐ」諸策の根源
    は義教にあるといえます
    後継者が不在で、大大名(守護)の力で税収も
    無い状況で、たった一人で天下統一し、宗教界
    まで弾圧して天下の基盤を作った「無類の上」
    の武将ですよ!
    暗殺されて、天下の騒乱は100年続きました

  • 足利義教関連本は二冊目です。この本は物語なので大変読みやすかった。しかし、この人ももっと評価されてもいいような気がする。義満もそうだったけど、あともう少しってところで死んで(殺されて)しまう。なぜ天は彼らにもっと仕事をさせなかったのだろう?とても残念だ。

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