新・知らぬが半兵衛手控帖(15)-埋蔵金 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670950

作品紹介・あらすじ

鳥越明神の境内から野良犬が泥だらけの小判をくわえて出てきたという噂が広まり、市中では埋蔵金騒ぎで持ちきりになった。そんな中、神社仏閣を統括する寺社方の役人が何者かに殺され、死体で発見される。その探索に半兵衛らが乗り出すが……。書き下ろし人気シリーズ第十五弾。

感想・レビュー・書評

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  • 白縫半兵衛がいい味を出しています。
    知らぬが半兵衛手控帖シリーズの35作目
    埋蔵金ー新・知らぬが半兵衛手控帖シリーズ(第二期)の15作目
    2022.02発行。字の大きさは…中。2022.03.31~04.03読了。★★★☆☆
    邪魔者、埋蔵金、御礼参り、質流れ、の短編4話。
    北町奉行所臨時廻り同心・白縫半兵衛の人情味のある裁きが見所の物語です。

    【邪魔者】
    北町奉行所例繰方与力の堀田兵庫は、屋敷に奉公していた女中に手を付けて子を生した事と、神田須田町の筆屋「秀筆堂」の主人・藤三郎が卒中で倒れ寝たきりになったので、お内儀・おつたに囲い者になれと口説いたが断られた事を知っている父の旧友で吟味方与力の大久保忠左衛門を邪魔に思い濡れ衣を着せようとして。大久保の信頼厚い白縫半兵衛に「大久保が多額の賂を受け取って事件を握り潰している」ので調べるように命じる。半兵衛が調べて行くと…。
    ーーー 堀田兵庫は、父・重蔵に知られて手打ちになる所を半兵衛が助ける。
    【埋蔵金】
    鳥越明神の境内から出てきた犬が泥の付いた小判をくわえていた。盗賊が隠した埋蔵金ではと騒ぎだす。そこへ寺社奉行配下の者たちが出て来るが。埋蔵金探しの者から袖の下を貰う寺社役同心・桑原秀一郎と埋蔵金探しの浪人・大原軍兵衛が殺される。潔癖な桑原の同僚・島田敬之助が、桑原を殺し、脅してきた浪人を殺すが。己の出世しか考えない上司の寺社役が、島田を斬る。
    ーーー あまりにも非情で自己本位な寺社役に半兵衛が痛烈に仕返しをすると…。
    【御礼参り】
    半年前に伊太郎が、お店の旦那を殺すところを見た大工の清七が、伊太郎の舎弟の伊之助に御礼参りを掛けられて。女房のおきくが、奉行所に相談に来るが、事件を担当した大沢同心が二か月前に病気で亡くなっていた。このため当番同心の風間が、事件が起きなければ何もできないと。それを聞いた半兵衛が、清七を守っておきくを拐した伊之助を捕まえる。
    ーーー 清七は、御礼参りが怖くて証言しなかったが、大沢同心が必ず守ると約束した。が、人が変わるとこんなものか…。
    【質流れ】
    質屋「萬屋」喜左衛門は、期限までに借りた金を返せなければ質草を流すように、借金を返せないものを思いのままにする。質草のように…。おさきの両親が、喜左衛門から借りた金が返せなかったために、喜左衛門の妾とされた。おさきは、私は、質流れの質草ですと。それを知った半兵衛がそれでは御法度で禁じている人の売り買いではないかと…。
    ーーー 喜左衛門のあまりの横暴に半兵衛の怒りが爆発する。

    【読後】
    長く読んでいるせいか安定した読み物となっています。

  • いつものように白縫半兵衛さんが事件を解決して、知らないことにした方が良いことには知らん顔をするワンパターンだけど人情味溢れるお話し4編。
    上司である与力、大久保忠左衛門が罪を着せられどうになる「邪魔者」。
    犬が咥えてきた一両小判が発端となる「埋蔵金」。
    殺人事件の目撃者として証言したことにより命を狙われる大工を守る「御礼参り」。
    返済出来なかった借金のために妾にされた娘を助けようとする浪人の思いを描く「質流れ」。

  • 相変わらずテンポが良くて読んでストレスを感じない。新・知らぬが半兵衛手控帖良いですね。

  • 内容(ブックデータベースより)

    鳥越明神の境内から野良犬が泥だらけの小判をくわえて出てきたという噂が広まり、市中では埋蔵金騒ぎで持ちきりになった。
    そんな中、神社仏閣を統括する寺社方の役人が何者かに殺され、死体で発見される。
    その探索に半兵衛らが乗り出すが……。

    書き下ろし人気シリーズ第十五弾。

    令和4年12月16日~18日

  •  藤井邦夫「埋蔵金」、新・知らぬが半兵衛手控帖シリーズ№15、2022.2発行。邪魔者、埋蔵金、御礼参り、質流れの4話。いつもながら読み応えがあり、楽しめます。

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著者プロフィール

1946年、北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」「水戸黄門」などの脚本家、監督を経て、2002年に作家デビュー。以降、多くの時代小説を手がける。「新・秋山久蔵御用控」「新・知らぬが半兵衛手控帖」「日暮左近事件帖」「江戸の御庭番」などのシリーズがある。

「2022年 『野暮天 大江戸閻魔帳(七)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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