北の御番所 反骨日録【四】-狐祝言 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575671049

作品紹介・あらすじ

上役に暴言を吐き謹慎処分を受けた裄沢広二郎は、定町廻りのお役を解かれて古巣の用部屋手附同心として復帰した。そんな裄沢にとっての最大の懸案は、奉行所内での己の処遇などではなく、幼馴染みの同心・来合轟次郎と美也の祝言のことだった。そしてその婚儀を阻もうとする者が現れ……。人気書き下ろしシリーズ第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 頑固ではあるが、真っ直ぐな気性の北町奉行所の用部屋手附同心・裄沢(ゆきさわ)広二郎が活躍する物語です。

    【宴のあと】
    前作の「蝉時雨」で、錦堂の若旦那・治吉が亡くなった件で、裄沢を謀にかけて失敗した者たちが、この事件に係わった内与力の古藤が、役を解かれたのを知って。次は自分かと、北町奉行所町火消人足改与力・寺本槐太(かいた)、定町廻り同心・佐久間、同心の身延、大竹、小者の大松は、戦々恐々としている。古藤は、奉行の小田切家へ戻される。古藤に代り奉行の小田切家の公用人である倉島が内与力になる。

    【狐祝言】
    裄沢は、怪我で休んでいる親友で定町廻り同心・来合轟次郎と南町奉行所の定橋掛与力・坂木勘之丞の娘・美也の祝言を行なうことに北町奉行小田切土佐守の協力を取り付けて。反対する勘之丞を式に出席させることに成功する。

    【まいない新三郎】
    元吟味役与力の瀬尾と元内与力の古藤が、市中取締諸色掛同心の横手新三郎を使って不正を行っていたが、来合轟次郎と裄沢によって捕まる。瀬尾は、江戸を出て行き。古藤は、小田切家から出される。

    【秋日和】
    内与力の倉島が、内与力をやめて小田切家へ戻り。小田切家の家令の唐家が、内与力となる。家令は、大名家であれば筆頭家老に相当します。

    【読後】
    裄沢の動きに南町奉行の小田切が翻弄され、次々に裄沢に関わった内与力の古藤、倉島が解職されて行きます。今作は、裄沢が台風の目でした。この物語は、展開が早く、面白いです。次は、裄沢がどんな問題を起こすか楽しみです。
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    狐祝言 ー 北の御番所 反骨日録シリーズの4作目
    2022.04発行。字の大きさは…中。2022.12.13読了。★★★☆☆
    宴のあと、狐祝言、まいない新三郎、秋日和、の短編4話。
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    《北の御番所 反骨日録シリーズ一覧》
    04.狐祝言 2022.12.13読了
    03.蝉時雨 2022.02.14読了
    02.雷鳴  2022.02.20読了
    01.春の雪 2021.06.28読了

    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
    用部屋手附同心、内与力。
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    「用部屋手附同心」御用部屋は、現代的な言い方をすれば町奉行所の執務室で、奉行の秘書官である内与力とその下僚である用部屋手附同心、合わせて10人以上が同じ部屋で仕事をしている。用部屋手附同心の主な仕事は、町奉行の仕事ほぼすべてに関わる内与力の補佐として、各種文書の草案作成や案件の下調べを行うことなどである。
    ※北の御番所 反骨日録シリーズの1作目より

    「内与力(うちよりき)」は、南町奉行・小田切土佐守に仕える家臣で、奉行所ではなく町奉行個人に所属する与力である。町奉行所は、役人である与力・同心が実質的に世襲で職を務めており、仕事に熟達した彼らが万端お膳立てをするため、新任の町奉行であっても問題なく業務を行なえた。
    しかし、役人たちは奉行所という「役所」の居付きの者であって、制度上の部下ではあるものの町奉行個人に附属しているわけではないため、奉行が業務から外れた仕事をさせようとしても「そのような前例は無い」として拒否された。そこで奉行の家臣を内与力として任命して使った。

  • 【収録作品】 宴のあと/狐祝言/まいない新三郎/ 秋日和

    小田切家にろくな家臣がいないようなのが心配になるが、広二郎の飄々とした態度は小気味よい。

  • 内与力、古橋の後釜として入ったのは倉島という男。
    ところが、内与力という立場を勘違いしてか?
    深元に擦り寄った裄沢が古橋を追い出したと勘違い。
    自分で仕事を覚えねばならないのを多忙を極める深元に冷たくされたと身勝手に考え勘違いが妄想に。

    結句、前の事件の裏にあった大きな悪事をまたしても掘り起こす裄沢。

    そんな裄沢の一番の願いは来合の結婚と幸せ。

  • 小田切家大丈夫か?

  • 41

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著者プロフィール

1961年、宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代は映画サークルでシナリオ作成に熱中、二十数年のサラリーマン生活を経験した後、2011年『返り忠兵衛 江戸見聞 春嵐立つ』(双葉社)でデビュー。「半四郎百鬼夜行」シリーズが「この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門二年連続ランクイン! 新シリーズ「御家人無頼」も好評。確かな筆力と個性的な人物造形で目利き絶賛の時代小説作家。

「2017年 『素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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