北の御番所 反骨日録【七】-辻斬り顚末 (双葉文庫 し 32-40)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575671551

作品紹介・あらすじ

深川で半月おきに三件、辻斬りと思われる殺しが発生し、同一犯の犯行とみられていた。裄沢広二郎の幼馴染みで深川が縄張りの来合は警戒を強めるが、やがてまた辻斬りが現れる。さらに被害者は、いずれも岡場所帰りという共通点が見付かり――。上役ウケはすこぶる悪いが洞察力は群を抜く裄沢の奮闘を描く痛快シリーズ第七弾。

感想・レビュー・書評

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  • 北町奉行所の用部屋手附同心・裄沢(ゆきさわ)広二郎の活躍の物語です。

    【裸の死人】
    下渋谷村の道で裸で死んでいた御家人・村田健志郎の許嫁・小夜は、なぜ健志郎が死んだのかを知りたくて北町奉行所定廻方同心の来合轟次郎にまとわりつく。轟次郎に相談された裄沢広二郎は、謀をめぐらして真相にたどりつく。➡小夜の度胸の良さと爽やかさが印象に残りました。

    【痴情の死】
    四谷南寺町の道で薄汚れた坊主が、大年増ながら目にした男どもに思わず唾を飲み込ませるほどの婀娜っぽい女を殺した。坊主は、「自分が他国中に仲間と密通したから刺した」と言った限り何も語らない。困り果てた同心は、裄沢に相談すると、裄沢はある仮説をたてる。それに基づいて盗賊一味を捕縛する。➡凄い推理力。唯々感心するばかり。

    【辻斬りの顚末】
    深川で三件の辻斬りが行われ。警戒しているなかで吉原で同心の下っ引きが辻斬りに逢って殺された。その場に、煙草入れが落ちており、その持ち主が、第11代将軍徳川家斉の実父である徳川治済の寵愛を受けている漢学者・宮川であった。宮川を取り調べようとしたら徳川治済家から圧力がかかり。やむなく裄沢は、謀をめぐらして宮川が辻斬りをするところを来合が斬り捨てる。➡最後は、公にできない方法で解決します。

    【読後】
    字が大きくて読みやすかったですが、少し読むのに時間がかかりました。

    「図書館」
    辻斬りの顚末 ー 北の御番所 反骨日録シリーズ7作目《文庫本》
    2023.04発行。字の大きさは…中。2023.10.16~19読了。★★★★☆
    裸の死人、痴情の死、辻斬りの顚末、の短編3話。
    図書館から借りてくる2023.10.11
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    北の御番所 反骨日録一覧
    07.辻斬りの顚末 2023.10.19読了
    06.冬の縁談   2023.07.03読了
    05.かどわかし  2023.03.20読了
    04.狐祝言    2022.12.13読了
    03.蝉時雨    2022.02.14読了
    02.雷鳴     2022.02.20読了
    01.春の雪    2021.06.28読了
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 【収録作品】 裸の死人/痴情の死/辻斬り顚末

    不本意ながら、同心たちの知恵袋のような存在になってしまった広二郎。
    「裸の死人」往来で下帯一枚の裸で死んでいた武士。死因自体に不審はないが、事情を知りたいと願う許婚に頼まれて広二郎らが捜査する。
    「痴情の死」往来での刃傷沙汰。犯人はその場で捕まるが、加害者・被害者共に身元が判然としない。
    「辻斬り顚末」辻斬りの犯人はわかったが、権力者の庇護下にあり、手が出せず、広二郎らは歯がみしていた。

    失うものがない(と考えている)人は強いが、上役が話のわかる人間たちだからというのもある。「辻斬り顚末」にいたっては、仕事人かよという感じだが、それでいいのか。といって、他に手があるとも思えない。

  • まだ続きます

  • シリーズ7巻目ともなると、ますます登場人物たちの個性が輝きだす。
    名作シリーズと誰もが認める小杉健治の「風烈廻与力青柳剣一郎シリーズ」と匹敵するシリーズのなりそうな予感。

    今回も、婚約者のあまりに奇妙な死に方の真相を追う許嫁のお話。
    ボロを纏った男とアダっぽい人も振り返る女の絡んだ死傷事件。
    そして、一橋家のお気に入りの漢学者が辻斬りを。揉み消そうとする大きな権力に抗う裄沢たち。

    目を離せないお話が収録。

  • 52

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著者プロフィール

1961年、宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代は映画サークルでシナリオ作成に熱中、二十数年のサラリーマン生活を経験した後、2011年『返り忠兵衛 江戸見聞 春嵐立つ』(双葉社)でデビュー。「半四郎百鬼夜行」シリーズが「この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門二年連続ランクイン! 新シリーズ「御家人無頼」も好評。確かな筆力と個性的な人物造形で目利き絶賛の時代小説作家。

「2017年 『素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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