- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575710663
感想・レビュー・書評
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「僕が踏んだ街と 僕に踏まれた街」に続き中島らも二作目。
前作とは違い明るい雰囲気。後半は呪術などに関しての興味も語られる。
「生きている」の反対語は「死」ではなく、「生きていない」であり、究極には無である。
死という状態は、人間の想像力によってのみ規定される架空の概念である。
自分という存在は、人間という種の連続の中の一つの結節点であり、種が繋がる限り僕という存在も永続的に生き続ける。
凝り固まっていた死という一大イベントを、よりライトに捉え直すことができました。
所々に核や戦争についても言及されていた。人類史における最大の悪は核である。。??詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いたるところに笑いのエッセンスを散りばめている、哲学的エッセイ集です。
「真理を見る」ということは「死ぬ」ことを意味するのではないか。・・・真理を知ることは永久になくて、むしろその方が幸せなのかもしれない(P59)。
正気というのは抽象概念であり、どこにも「この人こそ正気だ」という人間は存在しない。つまり正気とは非常に稀有な狂気の一形態だということもできる(P73)。
ヘロインをうっている麻薬患者は悪の象徴のように言われてきた。これに対して、禁欲生活と苦行によって宗教的至高体験にまで到達した人は聖人としてうやまわれる。ところが大脳生理学から見れば、両者の脳内起こっているのは同じ現象なのだ(P163)。
みんな「何かおかしい」と感じているのだ。「何か」というより、「全部」おかしい。どう見ても全くの別人なのである。しかし彼らはおのれの判断力よりも「世の中そんな非常識をやる人間がいるはずがない」という通念の方を選んだ。誰も彼らを笑う資格はない。マスコミで紹介された店でまずいものを食わされても”うまい”と叫んでしまうグルメたちは、もう一度この文章を読み直したまえ(P243)。は示唆に富んできると思う。 -
「僕にはわからない」3
著者 中島らも
出版 双葉文庫
p86より引用
“だから情報交換の際には、どの映画が良かったというよりは、
「これだけは見ちゃダメ」情報の方が大事なんである。”
作家である著者による、世の中の色々な事柄について書かれた
エッセイ集。
宇宙の果てについてから拷問についてまで、理路整然とした面
白い文章で書かれています。
上記の引用は、ホラー映画について書かれた項での一文。
映画に限らず、作品が数多く存在する物については、失敗談は大
切なのではないでしょうか。自分の時間を使う上で、最良の参考
資料だと思います。
挿し絵も著者が書いておられるので、その多彩さを伺うことが
出来る一冊です。
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中島らものエッセイ。らもが「わからない」と思うテーマについて述べていく。全テーマ4ページ程度なので、読みやすい。中でも呪術医の話が面白い。別作の「ガダラの豚」も読みたい。
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「Ⅰ僕にはわからない」「Ⅱ僕はギョッとする」「Ⅲ僕はこわがりたい」「Ⅳわるもの列伝」に分れています。
宇宙の外側はどうなっているのかとか、そりゃ誰にだってわかんねーよという事をらもさんなりに云々言って書いていたりします。
らもさんの死生観や宇宙観を知ることができて良いです。
それから街で出会った変な人や、転がっていた変な話。
おすすめ(だったりそうじゃなかったりする)のホラー映画の話。
ワルモノについての考察などなど。
「善」と「悪」とか、世界にはこの世界を二つに分けるための言葉がたくさん用意されているけれど、そのどの分け方でも取りこぼしは必ずある。
まっぷたつはいけない。そんならもさんの考えを感じました。 -
これは 面白かった!
主観 客観に立った著者の意見や・・・
本当に知らなくても良いような話を彫り下って
哲学的なアプローチをしてたりと
偏見を持たせること無く良い書き方をしてた
まー ホラーを入れた話ばっかりだったけども(*ノωノ)
ある意味 ホラーの感想文みたいな感じもした(*ノωノ) -
怖い話や不思議な話など。
中島らも特有の斜に構えた物事のとらえかたは面白いけどエッセイだけあって中身が軽すぎかな。 -
色んな考えても答えの出ない、わからないこと。
そんな「わからない」を
故・中島らも氏が痛快に書くエッセイ集。
著者の独特の見方がすごくすき。
ものごとを見る角度が変わりそう。 -
IQ180の中島らもにも、わからないことがたくさんある。<br>
大麻容認発言とかは今読むとあ、やっぱりねという感じではある…。 -
作者のありとあらゆる「分からないこと」について書かれているエッセイ。ひとつひとつが短いのでちょっとした空き時間に読めばいいよ。私はトイレのときに読んでいる。