知の収穫 (双葉文庫 く 6-6)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575710915

作品紹介・あらすじ

「本を読むことによって、時代も、また時代の中に兆している変化も、読み取ることができる。本を語ることによって、時代を語ることもできる」該博な知識と明快すぎるほどの論理で、著者は本と時代を読みまくり、語りまくる。一読、こちらも頭がよくなった気がする、刺激的な知の評論・エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の書評・漫画評をまとめた本です。

    大月書店の『マルクス・エンゲルス全集』が古本屋で1巻300円で売られていたことを書いた「淪落の彼女」は、くり返しマルクス主義への懐疑を表明してきた著者の、教養への深い敬意が伺われて、興味深く読みました。

    単行本は1993年に刊行されたもので、とくにマンガ評では知らない作品が多くありましたが、本書の評を読んでじっさいに作品を読んでみたいと思うものもいくつかありました。

  • 支那に関しての書評はさすがに信頼に足る。陳舜臣に関する評価には頷くことしきり。この著者、奇人であるが馬鹿正直な男っぷりは珍重すべし。

  • 読書の楽しみと奥深さが知れる一冊。本と漫画の格付け評価も面白いが、その評価基準の説明もまた味わい深い。結構、筆者の本音も赤裸々に書かれているのでそちら方面も楽しめる。エッセイでは、「辞書の楽しみ」が素晴らしい。また、263ページ「聾唖児が盛んだとの疑い」は文脈から「盗んだ」の誤記だと思われるが、次の版では訂正されているのかな。

  • 書評とマンガ評論をまとめた一冊。割と分量がある。
    書評の方は、同じテーマというか関連のあるもの二冊ずつについて書くというスタイルがとられていて、こういう風に書けば文章として読める書評になるのかと感心させられた。
    マンガ評は結構普通だが、ブーム全盛期に近いこの時代にさくらももこを評価しているのはなかなかすごいと思う。

    蛇足:夏目房之介って森鴎外の孫だよね的なことを書いているのはギャグなんだろうか。しかも伊豆の踊り子は森鴎外じゃないし、「木曽路はすべて〜」は島崎藤村じゃなかったっけ?たぶん何かのパロディなんだろうけど、ここの段落の意図がちょっと分からなかった。


    300円。

  • 内容メモ――1987年から1992年にかけて雑誌等に掲載された書評・漫画評・エッセイを集めたもの。「傲慢の中に愛嬌あり」と題された文章で『SPA!』誌上に登場間もない小林よしのり『ゴーマニズム宣言』を取り上げている(なお、この文章は『―小林よしのり論序説―ゴーマニズムとは何か』(出帆新社刊)にも収められている)。

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著者プロフィール

評論家。1946年生まれ。愛知県出身。早稲田大学法学部卒業。評論の対象は、社会、文化、言葉、マンガなど。日本マンガ学会発足時から十四年間理事を務めた(そのうち会長を四期)。東京理科大学、愛知県立大学などで非常勤講師を務めた。著作に『封建主義 その論理と情熱』『読書家の新技術』『大衆食堂の人々』『現代マンガの全体像』『マンガ狂につける薬』『危険な思想家』『犬儒派だもの』『現代人の論語』『吉本隆明という共同幻想』『つぎはぎ仏教入門』『真実の名古屋論』『日本衆愚社会』ほか他数。

「2021年 『死と向き合う言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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