まりかセヴン(1) (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575839814

感想・レビュー・書評

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  •  ネットで目にした表紙はちょっと不気味に見えたけれど、無料公開を読んではまった。これはおもしろい。
     能書きは「女子高生巨大変身ヒロイン漫画」。ある日、ふつーの(というか、平らなところでこけるような、どんくさい、運動不足の)高校生・三條まりかが授業を受けていると、怪獣が出現。みんなが逃げるところに、「私とのカンケーはカレ氏とかそういうアレじゃなくって」という関係の田子ノ浦センパイが一眼レフ持って登場。まりかは自分の意志とは反して怪獣の方に走っていき変身。巨大ヒーロー、いやヒロインになる。
     なぜかまりかの体には「セヴン」と称する宇宙人みたいなものが取り憑いていて、まりかとセヴンが協働して巨大ヒーローの体を動かし、怪獣を倒すのだ。

     巨大ヒロインの姿は男性形のセヴンの形状が女性化したもので、レオタード着てヘルメットかぶっている女の子という感じ。顔は往年の巨大ヒーローもの(サンダーマスクとかシルバー仮面)を連想するが、三つ編みのお下げが付いている。この作者さん、私はこれまで知らなかったが、絵柄は園田健一にちょっと似ている。ミリタリーマニアなのも。でも園田健一ほどエッチじゃない。おっぱいの上部とお尻の上部に隙間が空いている衣装だが、その下は肌色じゃないから、これは模様なのだ。

     時代はごくふつーの今。怪獣が登場すればまず皆がやることはケータイを構えて撮影すること。第1話が公開されてから現実にはこの2年半でスマホが増えたが。まりかは宇宙人に「セヴン」と自己紹介されて、「なに〈セヴン〉?」と聞く。巨大ヒロインの正体を知ったセンパイは、2ちゃんねるに周到な作戦を仕掛けて、「まりかセヴン」という名称を浸透させる。他方、自衛隊機は「目標は二体」と報告するが、すぐにまりかセヴンを味方と認識して、怪獣扱いしたりはしない。「二体目の形状は!?」「わりとカワイイです!」。
     これが21世紀日本のリアリティなのだ。自衛隊がまりかセヴンをコードネーム「ブレイド」(お下げ髪)で呼ぶなんていうのは、ミリオタ的リアリティかな。

     なぜ宇宙人に憑依されたか。流れ星を見ていたらぶつかったのである。セヴンは貴重な「野生種」である人類を守るために、怪獣を捕獲していたのに、誤ってばらまいちゃったんである。それで人類と合体して、怪獣が現れると退治することにした。てきとーに人間に取り憑いたら、運動能力の低いまりかで困ったが、宿主を入れ替えると査定に響くと、宇宙人の方も小役人的リアリティに支配されている。空も飛べることをなかなか明かさず、やむをえず飛ぶことになると「すごーく高くつくんだよ」。
     怪獣に人が踏みつぶされてるとか、さらっと言及されたり、「異種生命体との共存を安易に考えるんじゃない」とかクールだけれど、いたってほのぼのとしているのは、初代『ウルトラマン』に似た味わい。

  • ヒザカックン的な特撮系ヒーロー漫画。この手のパロディ漫画は閉鎖的な笑いになりがちだと思うけど、なかなかどうして、誰がみても面白い漫画になっている。まりかとセンパイのキャラ設定勝ちかな?ブットビ過ぎ(笑)。個人的に結構好きです。


    破壊魔定光と似た系統の漫画だけど、コッチの方がヌルいです。

  • 運動神経がなく、どこか抜けたところのある三條まりか。ある日突然怪獣が現れ、自分が巨大化して戦うことになる、というお話。
    ちょっと変わった映像フリークのセンパイと、ほのぼの系ギャグ漫画を展開しながら、ウルトラマン的なお約束をどんどん破っていく。
    その一方で、まりかに宿っているセヴンには裏がありそうななさそうな。怪獣側にもいろいろ事情がありそうだし。
    まりかセヴン、意外と面白いです。

  • 女子高生まりかがウルト〇マン的なヒーローに変身して怪獣と戦う・・・内容は文句なく面白いけど、2巻以降は読むかどうか迷う。作者の画力の問題もあるのかな。

  • 特撮ヒーローをネタにした漫画。
    少しおバカな女子高生が巨大化したり、彼氏がいろいろオタクでイタタタタ...だったり、宇宙人がなぜか一番常識的で冷静なツッコミをいれたり、かなり笑えます。

  • Twitterで吾妻ひでおがオススメしていたので読みました。パッと手に取り読むことができながら/読み込んでみるとパロディやオマージュ溢れたストーリー・キャラクターを楽しむことができる奥深い作品。

  • 表紙見ると「え?真面目な作品……?」と思ったのだか,読んでみるといつもの伊藤伸平で安心した。モルとパードル合わせたような内容だ。

  • ふつうにおもしろかったです。

    全体的に、若干、昭和なかおりがする感じのマンガですが、
    普通にスラスラと楽しく読めます。

    ただのギャグっぽい感じかと思いつつも、
    伏線がいくつかつくられていて
    ストーリーもちゃんと考えている感じがした。

    ウルトラマンのようなこういうモチーフを使うと、
    うまくいかないことが多いけど、
    これは、すごくうまく使えていて、
    かつ、ウルトラマンとは完全に分けて認識できていて、
    おもしろい。

    あと、なによりすんなり読めておもしろかったです。

  • 特撮的価値観が日常に浸透している舞台設定が、何気ないけれど巧妙。
    つまり巨大生物が出現すれば当然のように「わあ怪獣だー」となるわけです。
    現実では得体のしれなさで恐慌状態に陥ってしまうかも、と思われるような場面が
    「怪獣が暴れている」に変換されて妙に落ち着いているところが独特のコミカルな空気を醸し出してます。
    バディものの異文化交流コメディな側面もあって、唐辛子、コーヒー、煙草が単にカプサイシン、カフェイン、ニコチンの刺激物としか捉えられていなかったりとかニヤリとさせられる小ネタが楽しいです。

    ただ、あの震災以降、現実の政府の対応を意識したような描写があったりしてあきらかに作品のトーンが変化してます。(基本はあくまでコメディですよ)
    怪獣は自然災害という認識があるからでしょうね…。

  • あさりよしとおと類似の雰囲気があるが特撮への愛が感じられて良い

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