許可証をください ! (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576032009

作品紹介・あらすじ

中小化学薬品製造業・喜美津化学の品証部に勤務する阿久津弘は初の四大理系卒のホープとして期待されている身。そんな弘が社命でフォークリフトの免許を取ることに。慣れない乗り物の操作に難儀する中、指導係として遣わされてきたのは製造部の若頭・前原健一郎。弘と同い年であるにもかかわらず同僚からの信頼も厚く、独特の迫力と風格を持ったこの男に、弘はとある出来事がきっかけで苦手意識を持っていたのだが、意外にも前原の方は-。それなりに平和な工場ライフを送っていた弘を襲う前代未聞の"男×男"関係、ガテン系濃密ラブ。

感想・レビュー・書評

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  • 製造業のお仕事ものです。リーマンものはいっぱい見かけるけど、工場が舞台の骨太なBLは貴重。
    スーツ姿じゃなくて、作業服なんですよね。話も工場中心で仕事の部分もものすごくリアルに描かれていて、思わず引き込まれました。
    部署同士の関係や、工場の行程や業務、そして作業行程でのトラブルなど、女性にとってあまりなじみのない世界というのは興味津々。
    BLでは、職業や背景が飾りのように扱われている作品も少なくないですが、こちらは細部まできちんと描写されていて本格的です。
    さらに、前原と弘が出逢って同僚から恋愛へと発展したのはこの仕事があったからこそ、という必然性も感じられるんです。そこがよかった。

    比重的にはお仕事に目がいくのですが、恋愛面もハンパなくドキドキさせられます。高卒で製造部の前原と大卒で品証部の弘。
    同い年なのに前原が社内では先輩格なのが、二人の関係のポイントですね。いいところついているなと思った。仕事でも恋愛でも同格でありたい男の矜持がすごく伝わってきます。

    登場人物もみんな個性的で面白いヤツばかりです。
    頭もよくて美人なクセに、天然ボケな弘はとても魅力的なキャラだし、意外にもかなり下心見え見えだったりする前原もよかったりします。
    メインばかりじゃなく上司も部下もひとりひとり個性が際立っていて印象的です。

    お仕事シーンもしっかり描かれているけど、Hシーンも負けず劣らずガッツリなところがこのストーリーの面白さです。お仕事中とは全然違う二人の豹変っぷりに萌えます。

  • まずこの作家さんの語り口が不思議。『さてさて皆様』とか『すわ~』とか日頃耳慣れない言葉づかい・・・なんちゅうかちょっと小噺みたいな。でもそのうち慣れます。舞台は化学薬品工場。製造業ですよ。いわゆるガテン系です。うん、一言で言えば地味!で、タイトルの『許可証』とはフォークリフトの許可証です。なんか今までに体験したことのない世界で興味津々。作中にもこのお仕事描写ががっつりあって、なかなかおもしろい。攻ははえぬきの若手ホープの若頭、対する受は工場史上初の理系大卒のキャリアです(刑事でいえばね?脳内が刑事ものに浸食されている)で、まあ恋愛自体はありがちなパターンだと思うんだけど、この受がよくいるインテリクールとかツンデレじゃなくって、仕事はできる男なんだけど、ちょっとドジッ子でたまにすんごいウッカリさんなのがかわいい。攻からしてみると、やっと手に入ったと思ったら、懐くどころかスタコラサッサと逃げていく。でもって追いかけてつかまえると必死に逃げようとする。でもすぐに陥落してグダグダになるっていう全く持って魔性なわけですよ。攻も男気溢れる感じで、なんか微笑ましいカップルだなぁ。これはシリーズもののようなので、しばらくふたりの行く末をみつめていこうと思います。

  • はじめに思った感想は、「すごいな」ということ。何がっ、てここまで仕事の描写が多いBL作品もないだろうということです。もう工場の仕事描写のてんこ盛りです。主人公達がどんな工場でどんな仕事をしててどんな仕事仲間かしっっっかり分かる!どこにBLみが…と思ってたら、あらあらちゃんとカップリングできてたな、みたいな(笑)男女もそうだけど、やっぱり責任もってきっちり仕事してる人はかっこいい!惚れるのも分かるよーって感じです。
    とりあえずこの作品は仕事を頑張る男の人のお仕事小説って感じで、今読んでも新しい。作者さんが仕事がとても好きな人なんだろうな、と思ってしまう。そして、仕事にプライドをもってるからこそぶつかり合うこともあり、「あー、男の人の喧嘩だ」って描写もある。ただの恋人の痴話喧嘩とは違う、男臭い喧嘩。だがそれがいい。完結していないので、いつまでも待ってます。

  • 参った。会話で『はぁ~い』とか『っスよ~』『~してよぅ』など苦手表現満載にも関わらず、内容は工場で働く男達をしっかりと描写してあって、とても面白く読めてしまった。
    男同士だからという至ってまともな理由で逃げようとする受が、攻の心意気や強引な触れ合いに押され傾いていくのにも違和感がなく、焦らし加減も最高だった。なにより受も攻も仕事に誇りや愛情をもっている中で相手を認めていくのが互いに強く出ていて、お仕事ものと言われる作品の中でも一線を画している感じ。時代を感じさせる表現や挿絵は気になったけど、これはいい男同士!よい本に出会えました。

  • リーマンものって大好き!っていうのは、自分の年齢がそれなりになったせいでしょうか?
    BLと呼ばれる分野のリーマンものと言えば、登場人物がただそれなりの年齢だから一般人としての設定として会社員。というだけで、働いてる現場の描写等ほとんどないのが多いのですが、この話はまさしく「事は現場で始まる」んです。
    現場特有の用語や動きがきちんと話に絡んで、ただの設定と置かれたリーマンではない。
    カップルは元々ノンケの2人。だが話の始まる前には、片方は既に意識してる、、、、にしてものノンケ2人の割には割とあっさり絡んでしまうんだけど、進行は意識していなかったほうの葛藤もあり遅々としてる。その進行途中にある、2人の「普通の」台詞にいちいち萌えてしまう。
    おもわずその「普通の」台詞を読み直したくて、何度ページを繰ったか。

    この本を知ったのはホントに偶然だったのだけど、続きが読みたくてついさっきシリーズの6までネットで注文しちゃいました。

  • 全巻夢中になって読みました!

    お仕事BLの最高作品かと思います。工場ってこういう仕事してるんだな~と感心しまくり。
    CPは同僚で部署違い。
    いわゆる現場主任×デスクワークの品質管理部門の新人。
    オラオラ系×ど天然美人で、もちろん攻の押せ押せで関係が深まって行きます。
    お仕事で揉めつつ、互いの恋心でもすったもんだありと、素晴らしくドタバタしていてとても楽しい!
    泥臭いほど男っぽい攻と、負けん気の強いこちらも大変男らしい受。
    仕事に対するプライドと恋心の折り合いが互いにつかず、イライラオロオロムラムラ。ほんと愛おしい男たちです♥

    最終巻がいまだ発行されず・・・と、本当に出てくれるのかしら・・・と、それでも信じて待つわ・・・と、首を長くしておりますが、お話しとしては1巻完結ものなので、臆せず手を出して大丈夫な作品ですよ。

  • ははは^^これはお仕事小説としても楽しめるBL。作者さん、工場のこと良く調べてるなぁ。凄いリアル。同じ職場でこういう関係に陥ってしまったら、たとえ男女間であっても上手く行かなくなった時が思いやられますが、なんかこの二人ならどう転んでも心配なさそう。(お気に入りさんから借り本)

  • 焦れ焦れするところもいいけど、なんだろう・・・そっちサイドじゃない方向でも読んでて面白い。
    と、いうわけで次いってみよ~う!!

  • ★3.0。評判なだけあって話は面白かったです。キャラも立っていて…。
    が、萌えツボから外れてたので残念。攻が受に迫るのが割と早いし、受も割と早くほだされてあっさり結ばれた印象。
    もう少しじわじわと距離を縮めていく展開が良かったな。

  • 阿久津も前原もかっこいいです。仕事ができる男って(*^^*)

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