恋に啼く彩り (二見書房 シャレード文庫)

  • 二見書房
2.57
  • (0)
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 27
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576141435

作品紹介・あらすじ

事故で両親を失った仁可は、遠戚をたらい回しにされて生きてきた。最終的に引き取られた峰書院家の当主である義父は仁可の体を散々弄んだが、義兄によって仁可は学生生活を与えられた。そこで出会った王様のように君臨している少年、陽射。仁可の欲しかったものを生まれもって全て手にしている陽射は、その日から仁可の心の棘になった。成人し自由を得ても仁可は生き抜くために男たちに身を委ねる。しかし、陽射は異様なほどの執着心で仁可がひた隠しにしてきた秘密を知って…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久々の新作。めちゃくちゃ虐待されて生きてきたメガネっ子が主人公です。
    一見薄幸の受の典型のような仁可ですが、子供っぽい風貌からは想像できないほど内に強さを秘めていて、他の軟弱な受とは一線を画していて新鮮でした。
    虐待される日々から逃れ、男を乗り換えながら自由を手に入れていく様子はびっちそのもの。でも、そんな仁可の奔放さが無理してるようで痛々しくて、彼の行く末が気になって仕方なくなってしまうんです。
    すがれるものにはすがらないと生きていけないという逞しさが、仁可を魔性っぽく見せてるだけなんでしょうね。
    真性びっちじゃないとわかるから、幸せになってほしいって心底思える受です。

    登場する男たちは養父以外は全員やさしくていい人達ばかりでした。それぞれに裕福で社会的地位もあり強い男なんだけど、反面ひどく弱くて脆いところもあるし、精神的にも金銭的にも仁可の支えになっていました。

    当て馬との濃厚ベッドシーンばかりで、本命がなかなか絡んでこないのが斬新すぎでしたw
    すごいキラッキラの王子系のステキな陽射の出番が少なくて、いつ絡んでくるのかと心配してしまいました…
    まあ、原因は仁可ですよね…
    見てくれはお子ちゃまでかわいい仁可ですが、プライドは相当高いです。陽射だけには自分の汚れたところや弱さは見せたくないので、無理して彼と距離をおいているのだと感じられて切なかったです。
    互いに気になっていたのに、両想いになるまでの年月がかかり過ぎてしまった二人。
    ちゃんと結ばれることができて安堵しました。

    ちょっと古風な独特の言い回しと文学的な文章で、下世話なエロスも高尚な風味になってるのが何ともいいです。

全2件中 1 - 2件を表示

五百香ノエルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×