素敵なお話でした。
美貌の第3王子が敵国に嫁いだ。
未来の夫となるのは10歳下のまだ当時、8歳の愛らしい王子で-。
主人公のアルビィには、実は両性具有という秘密があります。そのため、父王にさえ存在を認められず、何とか名誉挽回をと剣術をはじめ自分を磨くことに打ち込んできたのに、あっさりと他国に嫁に出されることになりました。
それまで王子として生きてきたのに、いきなり王女として生きろと言われて、、、
ところが、予想に反して、嫁いだ先では温かく迎えられ、将来の夫となる幼い王子はアルビィを一途に慕います。
アルビィは婚約者の王子の「師匠」として、彼を理想的な君主に育て上げるべく心血を注いでゆきます。
大体、展開は予想がつきます。
狼族でもある王子は、いつしか凛々しいアルビィの理想とおりの青年となり、幼かった王子のアルビィへの憧れは、激しい恋慕と執着に変わりました。一方、アルビィ自身も王子に惹かれてゆく気持ちは大きくなるばかりです。
予想はつくものの、グイグイと引っ張られ引き込まれ一挙に読了。夜、時間が経つのも忘れて久々に読みふけりました。
わずか数時間で読了。
あくまでも私的感想ですが、幼い婚約者を理想通りに育てる、、、というところ、何となく「源氏物語」の光源氏と紫の上を連想してしまいました―笑。
とても面白かったです。
あと、イラストがとても綺麗ですね。
個人的には、表紙よりはむしろ中の挿絵の方が好みでした。