- 薬屋のひとりごと 15 (ヒーロー文庫)
- 日向夏
- 主婦の友社 / 2024年3月29日発売
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あまり動きらしい動きのなかった前巻と比べて、面白かった。
皇帝の急な病で、急遽、猫猫たち医療関係者が選抜試験を受けさせられる。
もちろん、皇帝の病は秘中の秘ということで。
玉体にメスを入れるという大それた挑戦、更に医療者として救える命は何としても救うべきと奔走する人々の姿が緊迫の中に描かれる。
手術前、帝が壬氏や阿多を呼び出すシーンでは猫猫も同席。ついに、あの出生の秘密が語られるかと思いきや、結局、肩透かし。
今回はみなさんのおつしやるように、確かに興味深い展開ではあったが、では、何か進展があったのかと言えば、ほぼない。
紆余曲折があったとはいえ、結局、物語は堂々巡りをしてまた、出発点に戻った感。
やはり、ストーリーの引き伸ばしかなと思ってしまうのだが。
そろそろ、本当の意味で、何らかの進展や動きを期待したい。
2024年4月18日
- 韓国時代劇 禁婚令8〜9巻
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面白い。
人を愛することの難しさ、残酷な宿命に流されながらも、必死に抗い生きる人の哀しさを描いている。
恋愛だけでなく、笑いありサスペンスあり、社会派、ヒューマンドラマ、様々なテーマを内包する作品である。
個人的には、男の色香全開の美しい王様が亡き妻やヒロインをひたすら想い悶える姿が良い。
また、ヒロインの元婚約者にして王様の忠臣・親友である武官のヒロインへの片思いも切ない。、
2024年4月13日
- 韓国ドラマ 禁婚礼令
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韓国ドラマ「禁婚礼令」DVD⑤~⑥感想
☆面白い。亡くなった妻(嬪宮)をひたすら恋うるイケメン国王が次第に女官ソランに心を傾けてゆくプロセスが切ない。また、ソラン自身も妻を忘れ得ぬ男に惹かれてゆく。
更にソランを間に義禁府の都事と国王が恋の火花を静かに散らす展開も萌える。
五巻では、王宮だけでなく都のあちこちで亡き嬪宮の亡霊が出没する騒ぎが起こる。その絡繰りの謎解きはミステリー風で、なかなか興味深く、更に実は偽亡霊がさらわれた嬪宮そっくりの妓生だったというところは意外だった。
そこから若い娘たちを誘拐する犯罪組織の解明に繋がるのは更に衝撃展開といえる。
涙あり笑いあり、スリルありで見応え十分、まさに韓国時代劇の面白さを凝縮した展開。
また、ヒロインがイケメン武官の元婚約者という過去も切なさに輪を掛けている。
ラストはどうやら、ヒロインと国王が結ばれるらしいのだが、ヒロインは元々武官の花嫁となるはずであり、結婚寸前であったことを思えば、私としては彼の一途な片想いが報われて欲しい気もする。
2024年4月1日
- 韓国ドラマ 禁婚礼令
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☆感想(一巻~四巻)☆
面白い。
若くてイケメンの王様が喪った妻ー嬪宮をひたすら恋うる姿も切ないし、ヒロインが別の女を心に棲まわせる男に次第に心を傾けてゆくところも切なくて良い。
元両班の令嬢(今は恋愛相談占い師?詐欺師?)ヒロインを巡って、国王とイケメン武官が激しく対立、恋の火花を散らす三角関係は、まさに女子の憧れそのものだろう。
また、恋愛模様だけでなく、ヒロインがその武官と元は許婚同士で結婚寸前の関係だったこと、「自害」とされる嬪宮が実は他殺だったーなど政治的陰謀、ミステリー要素も多分に含まれ、見応えのあるドラマとなっている。
2024年3月21日
- 恋慕~月に咲く花~【秘苑の蝶】 後編
- 東めぐみ
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「恋慕~月に咲く花~」後編。
愛する桂花と共に生きることを決意した世子賛が最終的に選んだ道とはー。
***********(本文から抜粋)
王妃が麗しい面に落胆の色を滲ませる。
「あなたにとって、私たちが選んだ道は、ただ恥ずべきだけなの?」
王が微笑んだ。
「まさか」
彼は逞しい腕でさっと王妃を横抱きにし、膝に乗せた。
「十六年前、俺たちは朝廷の臣下たちの非難を浴びながらも、自分たちの想いを貫いた。その結果、そなたは今、俺の妻として側にいてくれる。三人の子たちにも恵まれた。俺はきっと何度、十六年前のあのときに戻ったとしても、同じ選択をするだろう。願わくば、そなたも俺と同じ気持ちでいてくれると嬉しいんだがな」
王妃の面に悪戯めいた微笑が浮かぶ。
「むろん、私もあなたの気持ちとまったく同じよ、殿下」
二人は共犯者のように顔を見合わせ笑む。
「何度でも言うわ。あなたの側にいられて私は今、とても幸せ」
「嬉しいことを言ってくれる」
王は王妃の身体をそっと褥に横たえた。やわらかくのしかかってくる王の身体を受け容れながら、王妃は自分たちの選択は間違っていなかったのだとその夜、何度も確信したのだった。
2024年3月9日
- 恋慕~月に咲く花~【秘苑の蝶】
- 東めぐみ
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「秘苑の蝶」第二部スタート。
奇跡の出会いー13歳の世子が満開の金木犀の下で出逢った不思議な少女、その正体は?
第二部では、コンと雪鈴の子どもたちの時代を描く。
********本文から抜粋*********
賛は、がっくりと肩を落とした。王妃の声が心なしか優しくなった。
「それにね、金家と王室の繋がりは、あなたもよく知っているはずよ。清明さまは、あなたの叔母上だし、昌どのは従弟だわ。清明さまの大切なご子息を男娼紛いとして扱うだなんて、到底できるはずがないことは判るでしょう。金氏は地方両班とはいえ、開国功臣を祖に持つ名門だわ。北にはまだ、明基さまのお父君も現在だし、地元ではそれこそ都の王よりも強い影響力を持っているの。その名家の直系の子息を召し上げるなんて言おうものなら、昌どのの祖父君が兵を率いて王宮に攻めてくるかもしれなくてよ」
つまりは、名家の御曹司を遊び半分で慰み者にする行為は、地方在住の臣下に叛意を抱かせる因(もと)にもなり得る。母はそう言っているのだ。
しかし、考えてみれば、そんなものかもしれない。歴史を紐解けば、私怨がきっかけとなり、国家転覆の謀を企て大乱を起こし、王朝が転覆した話は現実として存在する。
うなだれた賛に、王妃は更に声をやわらげた。
「想いは何も貫くだけが道ではないわ。時には引くことも、特に相手を大切に思うならば、諦める覚悟も必要なの」
王妃の諄々とした諭しはもっともだった。最早、抗う言葉さえなく、賛はうなだれて中宮殿を出て東宮殿へ向かった。
自分は、どこかで甘えていた。母なら理解してくれると心のどこかで期待していたのだ。しかし、母の言葉はすべて正しいがために、賛は余計になすすべもなかった。
2024年1月5日
- ロバータさあ歩きましょう (偕成社文庫 4029)
- 佐々木たづ
- 偕成社 / -
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中学生か、小学校低学年のころ、学校を通して注文販売する本の一冊として母に頼んで購入して貰った。
突如として視力を奪われた主人公が運命にも負けず、雄々しく立ち上がり前向きに生きてゆく姿に、子供ながら心を揺さぶられた記憶がある。
そんな主人公に寄り添う存在としての盲導犬ロバータ。
我々は想像できないほど、盲導犬の果たす役割は大きく、またそれだけ、飼い主にとっても大切なパートナーなのだと知った。
今でもよく覚えている作品で、今の子供たちにもぜひ読んで欲しいと思う。
2023年12月4日
漫画アプリのサイトで読んだ。無料配信中の七話まで一挙読了。
まず、絵柄がとても美しい。いわゆる韓国時代劇ドラマを観ているようでもあり、また絵画ーイラスト独特の視覚的美しさもあり、韓国時代劇大好きな自分としては、目の保養もしながら存分に楽しませて貰った。
ストーリーの方は、よくある「ツンデレ」もののように感じられる。
自他共に冷血と認める世子が気紛れに夜伽をさせた女官ウヌに、次第に本気になってゆく。このウヌという子がまた、とても良い娘だ。いささか真面目好きる嫌いがあるものの、誠実で優しく、「尚宮になりたい」というブレない彼女なりの夢を持ち、他の女官たちのように世子に対して、邪な欲を抱かない。いわゆる玉の輿に乗ろうという野心もカケラほどもない。
そんなところが、世子の冷え切った心を解し溶かしたのではないか。
まさに、後宮女官の鏡のような女の子である。
ウヌの目指す「尚宮」とは、夜伽を務めて成り上がる「承恩尚宮」ではなく、実力でのし上がる「キャリア尚宮」である。
ここから先のストーリーは課金しなければならず、正直、私は課金して読んでも良いと思えるほどのレベルだが、とりあえずは、ここまでにしておこうと思う。
が、予想では、これまで夜伽を務めた女官たちを次々に見限っていった冷血世子がウヌに本気になり、ウヌが世子の子を身籠もり、玉の輿に乗るーというシンデレラストーリーなのでは?
もちろん、まったく見当外れの可能性も大いにあるけれども。
素敵な作品に巡り会えて、楽しいひとときを過ごせた。
2023年12月2日