個人的にはかなりオススメ度の高いシリーズ。
少年玉蘭が姉の身代わりとなり、唐代の後宮で華妃という高位の妃として様々な体験を積む。その体験を通じて、彼が人として成長してゆくプロセス、更には彼が後宮で拘わる多彩な人々ー同じ妃、側仕えの女官、宦官との交流などを丹念に描いている。
ー後宮は悲しい場所だ。
と、悟った少年はきっと身代わりを終え男性に戻ったとしても、女性の、ひいては人の心の痛みを理解できる大人になるに違いない。
本作には玄宗皇帝や楊貴妃といった実在の人物も度々登場しており、単なるラノベという枠を越えた興味深さがある。今後の展開に注目したい。