- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784577800485
感想・レビュー・書評
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保育園の友達ママさんに教えてもらった一冊。
2歳の子供の躾におもいなやむ中で出会った本。
家庭教育という考え方に初めて触れた。大事なのは子供のこころもちに寄り添うこと。原因や理由、結果とは切り離す、理屈ではなく今の子供の心もちを汲むことが大事で、子供はそれを求めている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひとつひとつ噛み締めて読みました。
保育の原点、子育ての基本です。しかし、それがいかに難しいことか。常に自分に問う必要があります。何度も読んで心に刻まないといけません。
昭和十一年の書、令和になっても胸を打つ内容であることに驚きました。心から子どもを思うからこそです。
終戦直後の昭和20年10月に復刊されたため、著者による加筆があります。
「国敗れて、いちばん気の毒なのは子どもである。がまた、いちばん希望をもたせるものも子どもである。済まんねといった心苦しさと、たのみますよといった頼もしさと、それが一つにこみあげてくる心もちで、じっと見まもりもし、抱きあげたくもなる。」
コロナ禍の今にも通ずることで、心が熱くなります。大人にできることは同じ悲劇を繰り返さないよう子どもを大切に育てることです。すくすくまっすぐに伸びようとする子どもに下手な仕掛けをしないことです。あたたかく、優しく育ってほしい。親として共通する願いではないでしょうか。
倉橋先生の深い眼差しが感じられる名著です。
あまりに良い言葉だからと、ノートに写してみるのですが、様になりません。そうか、なんでもなさそうな行間にも想いがこもっているからだと気付きました。
この本に出会えたのは、教育(幼児保育)に携わる身近な方が紹介されていたからです。保育するすべての方のバイブルなんだなぁと思いました。 -
「保育の原点を伝える道標」
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=063245 -
(本の内容から抜粋)
子どもは心もちに生きている。その心もちを汲んでくれる人、その心もちに触れてくれる人だけが、子どもにとって、有難い人、うれしい人である。
子どもの心もちは、極めてかすかに、きわめて短い。濃い心もち、久しい心もちは、誰でも見落とさない。かすかにして短き心もちを見落とさない人だけが、子どもと倶にいる人である。
・・・
その子の今の心もちにのみ、今のその子がある。
◆紹介:広報スタッフ -
倉橋惣三の著書。
倉橋惣三は、日本のフレーベルと言われる、大正・昭和期における幼児教育者だ。
この「育ての心」には、倉橋惣三の子どもに対する目、教育者としての思想が満載されている。
幼児教育者の著作ではあるが、全教育者が読むべきである。
「自ら育つものを育たせようとする心。それが育ての心である。世にこんな楽しい心があろうか。それは明るい世界である。温かい世界である。育つものと育てるものとが、互いに結びつきに於て相楽しんでいる心である」
という序文から始まる。
なにか、すがすがしさを感じる。
「子どもたちの中にいて」
これは、詩的な文章が並んでおり、育ての心の上巻のメインと考えられる。
心に響く文章がたくさんあった。
特に「人間教育」「小さき太陽」「驚く心」「とげ」「子どもたちを送る日」「詫びる心」「自分」「自らを」「子どもらが帰った後」「創意なき教育」「自らを新たにする努力」「この萌芽に対して」「温」「日かげ」「ひなた」が印象的であった。
この章は教育者必読である。
「母ものがたり」
目から鱗だったのは…
赤ちゃんが生まれたら、もう1つ生まれるものがあるという事実である。
それが母だ。
以後、母についての記述が続く。
親となった人々は目を通すべきだ。
「子どもの癖しらべ」
端から見たら叱りたくなる癖。「ぐずぐず」「あいだ食い」「虚言(うそ)」「盗み」「泣くこと」について述べられている。
これらの癖が一概に叱る対象にならないことがよくわかる。
子どもに関わる人は一読すべし。
2008年02月20日読了