日本人美術家のパリ 1878-1942

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582207293

作品紹介・あらすじ

19世紀後半から20世紀前半にかけ、黒田清輝や藤田嗣治など多くの日本人美術家がパリを訪れた。彼らの活動の記録から、当時の美術界の動向や異国の地での葛藤を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • まずその分厚さに驚きますが、1878年~1942年(日本で言うところの明治~昭和戦前期、美術史で言うところの印象派が隆盛してからシュルレアリスムの辺りぐらいまで)のパリに主軸を置き、美術修行として留学している日本人の視点を通しての美術界の動向を描いた一冊。
    参考資料のベースになっているのが、日本人が美術雑誌や現地日本語新聞などに書き残した動向・エッセイ等なので、本書を読み進めながら、リアルタイムでの彼らの肌感覚と言いますか、時代感がくみ取れてとても面白かった!
    単純に「西洋画の美術史」ではなく、日本人が体験してきた海外留学での苦悩や、「画家」の流行廃り、美術館での展覧会から画商による展示販売へとマーケティングの主戦場が変わっていく流れ、そこに割り込む大恐慌や戦争の影響など、興味深い点がいろいろありました。

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著者プロフィール

和田 博文(わだ・ひろふみ):1954年、横浜市生まれ。東京女子大学現代教養学部特任教授・東洋大学名誉教授。ロンドン大学SOAS、パリ第7大学、復旦大学大学院の客員研究員や客員教授を務めた。著書に『日本人美術館のパリ 1878-1942』(平凡社)、『三越 誕生!――帝国のデパートと近代化の夢』(筑摩選書)、『海の上の世界地図――欧州航路紀行史』(岩波書店)、『シベリア鉄道紀行史――アジアとヨーロッパを結ぶ旅』(筑摩選書、交通図書賞)、『資生堂という文化装置 1872-1945』(岩波書店)、『飛行の夢 1783-1945』(藤原書店)など、編著に『モダン東京 地図さんぽ』(風媒社)、『猫の文学館』Ⅰ・Ⅱ、『月の文学館』『星の文学館』『森の文学館』『石の文学館』(ちくま文庫)などがある。

「2024年 『漫画家が見た 百年前の西洋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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