岡潔 数学を志す人に (STANDARD BOOKS)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582531534

感想・レビュー・書評

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  • 岡潔 高明な数学者。数学は情緒が大事と言い、芭蕉の俳句を学んだらしい。ということで興味を持ち、どんな方?と思って読んでみた。



    人生を渡る2本の橋は、理想と道義。
    芭蕉は名人でもいい句は一生に十句。ただそれだけのものに真剣に人生を捧げることができた。どうしてそんな薄い氷の上に身を乗せることができたのか?美という強い実在感が支えになる。
    クリフォードの定理
    直線が3本あると三角形ができ、三点を通る円ができる。ここまでは私もわかる。4本あると、4本から1本とると三角形が4つでき、これに外接する円が4つでき、同一の点で交わる。5本あると…??誰か教えて下さい。
    漱石
    菫ほどの小さな人に生まれたし
    フランスのジイドは、善行は「無償の行為」
    日本の善行は、「少しも打算、分別の入らない行為」であって無償かどうかをも分別しない。
    芭蕉
    「秋深き隣は何をする人ぞ」の句を芥川は、「茫茫たる三百年、この荘重の調べをとらえ得たものは独りばしょうあるのみ」

    60年後の日本
    「将来大学の入学試験を一本にして、試験問題は能力開発研究所から出す方針」という文部次官の発言。今や、センター試験→共通大学テストになってますよーと教えたら、岡潔は、だから言ったこちゃないと嘆くでしょう。

    秋風が吹くと物悲しい。
    芭蕉
    「秋風はもの云わぬ子も涙にて」

  • 請求記号 410.4/O 36

  • 2018ベスト
    科学と芸術をおもしろがりながら行き来する、純粋な知性
    情緒

  • 岡潔ダイジェスト入門編的。

  • 大数学者岡潔のエッセイ、
    というよりも、きよしおじいちゃんブログというニュアンス。
    雄弁で闊達、稀有で繊細、時々珍妙な、
    数学が好きな人による、数学を志す未来を生きる人々に向けた記事です。

  • 個人的に今注目のSTANDARD BOOKSシリーズ。
    やっと手に取ることができた。

    岡潔、この方はなかなかにくせ者だ。
    癖に慣れるまではちょっと読みにくい。
    思想的にもなかなかに人を選ぶ感じ。
    独特な人だったのだろうなあ。

    しかし、数学者でありながら仏教者でもあり、文学にも造詣が深い。その厚みは流石。
    交友関係の広さも時代を感じる。
    ここから寺田、中谷、朝永、湯川とシリーズにも広がる。

    同じ要旨の随筆が収録されてしまっているのは、一度に読むことになると、ちょっとくどさを感じてしまった。
    異なる趣旨のものを収録してもらった方が良いなあ。

    最終ページに、プロフィールとブックリストがあるのが素晴らしい。

  • この人は面白いな〜と思う。
    けど言っていることがよくわからないこともある。けどそこがまた面白い(笑)
    人間はそれで良いのだと思う。

  • 文章中にある漢字の美しさを追うだけで感銘を受けます。

  • (本文とは関係なく)
    ニュートンがリンゴが落ちるのを見て、万有引力を発見した。
    その境地を感じさせてくれる。

  • 可愛いひとだなあと思った。犬といっしょにジャンプしてみたり、人のこころはメロディーだと言ったり。文学を専門にしているひとではないから、ところどころ飛び飛びになる印象があるけれど、たまにくる鋭いフレーズにこころが閃くような驚きがあり、いいエッセイを読んだと思った。

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著者プロフィール

1901年生まれ。三高をへて、京都帝国大学理学部卒業。多変数解析函数の世界的権威者。理学博士。奈良女子大名誉教授。学士院賞・朝日文化賞・文化勲章。仏教・文学にも造詣が深く、『春宵十話』『風蘭』『紫の火花』『月影』『日本民族の危機』などの随想も執筆。晩年は教育に力を注いだ。

「2023年 『岡潔の教育論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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