- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582531534
感想・レビュー・書評
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岡潔 高明な数学者。数学は情緒が大事と言い、芭蕉の俳句を学んだらしい。ということで興味を持ち、どんな方?と思って読んでみた。
人生を渡る2本の橋は、理想と道義。
芭蕉は名人でもいい句は一生に十句。ただそれだけのものに真剣に人生を捧げることができた。どうしてそんな薄い氷の上に身を乗せることができたのか?美という強い実在感が支えになる。
クリフォードの定理
直線が3本あると三角形ができ、三点を通る円ができる。ここまでは私もわかる。4本あると、4本から1本とると三角形が4つでき、これに外接する円が4つでき、同一の点で交わる。5本あると…??誰か教えて下さい。
漱石
菫ほどの小さな人に生まれたし
フランスのジイドは、善行は「無償の行為」
日本の善行は、「少しも打算、分別の入らない行為」であって無償かどうかをも分別しない。
芭蕉
「秋深き隣は何をする人ぞ」の句を芥川は、「茫茫たる三百年、この荘重の調べをとらえ得たものは独りばしょうあるのみ」
60年後の日本
「将来大学の入学試験を一本にして、試験問題は能力開発研究所から出す方針」という文部次官の発言。今や、センター試験→共通大学テストになってますよーと教えたら、岡潔は、だから言ったこちゃないと嘆くでしょう。
秋風が吹くと物悲しい。
芭蕉
「秋風はもの云わぬ子も涙にて」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
請求記号 410.4/O 36
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2018ベスト
科学と芸術をおもしろがりながら行き来する、純粋な知性
情緒 -
岡潔ダイジェスト入門編的。
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大数学者岡潔のエッセイ、
というよりも、きよしおじいちゃんブログというニュアンス。
雄弁で闊達、稀有で繊細、時々珍妙な、
数学が好きな人による、数学を志す未来を生きる人々に向けた記事です。 -
個人的に今注目のSTANDARD BOOKSシリーズ。
やっと手に取ることができた。
岡潔、この方はなかなかにくせ者だ。
癖に慣れるまではちょっと読みにくい。
思想的にもなかなかに人を選ぶ感じ。
独特な人だったのだろうなあ。
しかし、数学者でありながら仏教者でもあり、文学にも造詣が深い。その厚みは流石。
交友関係の広さも時代を感じる。
ここから寺田、中谷、朝永、湯川とシリーズにも広がる。
同じ要旨の随筆が収録されてしまっているのは、一度に読むことになると、ちょっとくどさを感じてしまった。
異なる趣旨のものを収録してもらった方が良いなあ。
最終ページに、プロフィールとブックリストがあるのが素晴らしい。 -
この人は面白いな〜と思う。
けど言っていることがよくわからないこともある。けどそこがまた面白い(笑)
人間はそれで良いのだと思う。 -
文章中にある漢字の美しさを追うだけで感銘を受けます。
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(本文とは関係なく)
ニュートンがリンゴが落ちるのを見て、万有引力を発見した。
その境地を感じさせてくれる。 -
可愛いひとだなあと思った。犬といっしょにジャンプしてみたり、人のこころはメロディーだと言ったり。文学を専門にしているひとではないから、ところどころ飛び飛びになる印象があるけれど、たまにくる鋭いフレーズにこころが閃くような驚きがあり、いいエッセイを読んだと思った。