- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582761153
作品紹介・あらすじ
幻覚剤メスカリンが、かつての幻視者、芸術家たちの経験を蘇らせる。知覚の可能性の探究を通してハクスリーが芸術を、文明の未来を語り、以後のさまざまなニューエイジ運動の火つけ役ともなった名エッセイ。
感想・レビュー・書評
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メスカリンが如何にして人間の知覚に変容をもたらすかをその体験から記された本。
一部、実際に体験しないと分かり得ないであろう内容もあるが、人間が言語と時間などにどれだけ縛られているかなど、自分が未知である事は痛感した。 -
・知覚の扉澄みたれば、人の眼に
ものみなすべて永遠の実相を顕わさん
──ウィリアム・ブレイク -
幻覚剤メスカリンを自身に投与し、体と精神の変化を記録した貴重な書籍。彼の観察力と語彙力が高すぎて、前半は理解に苦しんだが、後半は一気に読めた。
言語は人間の唯一の特権で、知識を得るために必要不可欠だが、その言語が同時に人間の脳みその可能性を制限しているという理論には賛成。
付録と訳者の後書きもすごく面白かった。 -
大学時代に一度、今回50代を目前にして再購入して二度目の読了。
何度読んでもわからない。
怖いものみたさで読むのだが、2回読んでもやっぱり怖いとか以前に「わからない」。
知らなくていい世界があるということなのか…。 -
これ発売時に買った。20歳代のころ。
ドアーズの元ネタになったというか、昔のミュージシャンがみんな読んでたサイケ系幻覚剤についての本。
こういうの漁って読み倒してたなぁ。
脳と薬物。実体験をもとに書かれた小説。例えばひとつの絵を見て突然それが何を意味するのか理解出来たり、経験者には言わずもがな。再版されたんですね。 -
ニューエイジやヒッピームーブ花盛りの60年代米国を生きた若者たちが読み、彼らの精神を熱く駆り立てたハクスリー著のメスカリン体験談にして、薬物による効能と宗教における恍惚体験、この二つを結びつけながら、ブレイクやゴッホ、静物画や西洋絵画を引き合いにし、非論理的な超越世界を論じる。
とても面白かったが、その前に読んだベンヤミン先生の大麻とメスカリンの記録の方が良かった。正直この本のビッグネームに対して拍子抜けした感がある。
ハクスリーがザ・文筆家として社会や文化や芸術など、広範の領域にまで論述を伸ばす「外向き」の文章なら、ベンヤミンは執拗に個人的主観の枠組みから陶酔体験を機械的に記述する、まさに「内向き」の文章で、どちらもエッセイと記録という形式上の差異はあるが、個人的にはドラッグ体験記としてはベンヤミンの方が優れていると思う。
あとベンヤミンの方が友達と一緒にやってる感じが超グッドなんだよな。
ハクスリーは人間の言語にまでその視野を向けているあたりが特に素晴らしく感じた。
理性が脅かされた時代故の神秘体験への憧れと東方ロマンス。 -
脳が不要な情報を制御してるという話は、たしかにそうなのだろうと思う。
集中してると音が聞こえなくなるとかあるので。
それを解放した時の感覚が記載されているが、素晴らしく思えてならない。
ただ、人により地獄のようになるといい恐ろしい。
難しいところもありましたが、最後まで読めました。
付録はちょっと読めませんでた。 -
ちょっと難しいところが多くて飛ばし読み。
しかし、語感や言語は、脳機能は人間が受け取る情報を制限するためのバルブという表現はとても面白かった。
たしかに、言語を覚えた時点でかなり考え方は制限されるし、それを解放した先に芸術があるというのも納得できる気がする。